セメントに混ぜる骨材を砂利からプラスチック繊維に代えることで、阪神大震災(95年)の1.5倍の巨大な揺れでも壊れないコンクリート橋脚が造れることを、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)と東京工業大が実験で確かめた。震災では阪神高速道路の高架が横倒しになり、現在は鉄板などで補強しているが、さび防止の塗装などが必要。プラスチック繊維を使う方法なら水中でのコンクリート建造物にも有効だ。

 通常のコンクリートはセメントと砂、砂利を混ぜる。東工大の川島一彦教授(耐震工学)らは、砂利の代わりに、衣装ケースなどの原料となるポリプロピレン製繊維(長さ1.2センチ、太さ0.03ミリ)を1.5%の割合で混ぜて、実物大の橋脚(高さ7.5メートル、太さ1.8メートル)を造った。

 川島教授らは、この橋脚を同研究所の震動台「E-ディフェンス」(兵庫県三木市)で実際に揺らす実験をした。阪神大震災時にJR鷹取駅(神戸市)で記録された揺れと同じ強さで3回、さらに1.5倍の揺れで3回揺らしたところ、10本以上の細かいひびが入ったが壊れなかった。繊維を混ぜることでコンクリートにねばりが生まれ「引っ張り強度」が増したためという。

 プラスチック繊維を使うと従来より高価で粘度が高く扱いにくい欠点もあるが、川島教授は「量産化すれば価格も下がり、巨大地震でも倒壊しない橋を造ることができる」と期待している。【野田武】

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