静岡県御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場で20日起きた野焼きの延焼は、瞬く間に3人の命を奪った。例年、地元に春を告げていた風物詩が、なぜ惨事に一変したのか。病院で遺体と対面した関係者が言葉を失う中、親族の男性(63)は「責任者はどんな指示をしていたのか。こんなことがあってはいけない」と語気を強めた。【山田毅、田口雅士、平林由梨、大西量】

 ◇風物詩一転、憤る遺族

 「風が強くて、立っていられないくらいだった」。野焼きの実施主体である「東富士入会組合」の勝間田祐一事務局長によると、亡くなった3人の近くにいた参加者は、当時の現場の様子をそう語ったという。別の場所で作業していた男性は毎日新聞の取材に「強い風が吹き、走って逃げるよりも早く火が燃え広がったようだ」と証言。亡くなった勝間田和之さん(37)の知人で、別の場所で参加していた60代女性は「和之さんたちの作業場所はカヤの背が高く逃げ場がないところ。作業者同士でも『こんな風の中でやることはない』と話し、恐怖を感じていた」と振り返った。

 牧野恵一・市企画部長らの説明によると、死亡した3人はほかの2人と5人1組で火の見張りなどにあたっていた。点火した20日午前9時半ごろ、風は南から北へ吹いており、受け持ち区域の風上から高さ約1~1.8メートルのカヤの枯れ草に着火。火は風向きに沿い、5人の前方に燃え広がるはずだった。

 ところが、しばらくして上空で風が吹き荒れ始め、風向きが変わった。火は5人が立っていた砂利道の防火帯を飛び越え、隣の区画のカヤに燃え移り、3人は炎に挟まれたとみられる。

 3人が搬送された御殿場市新橋の富士病院では午後2時すぎ、遺族ら約20人が駆けつけた。関係者から当時の状況の説明を受けた後、遺体と対面。病院から出てきた女性は泣き崩れ、男性に両脇を抱えられていた。

 3人はいずれも地元の消防ボランティア組織「原里火防隊北畑支隊」に所属し、防火活動に携わっていた。亡くなった池谷慶市さん(32)の父喜市さん(62)は「顔が真っ黒くなっていて分からなかった。家に早く連れて帰りたい」と涙を浮かべた。喜市さんによると、池谷さんは4~5年前に同隊に入り、当日は「風は強いけれど、中止という連絡がないので行ってくる」と言って家を出たという。

 遺体を乗せた車は午後3時半ごろ、御殿場署に向けて出発。火防隊の法被を着た約10人が沈痛な表情で敬礼して見送った。

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