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登場人物

・主人公 (♀ 黒文字) 
・雅人  (♂ 赤文字)
・雅人の姉(♀赤文字)
・店員  (♂赤文字)

scene1

ある初夏の昼下がり

ふと立ち寄ったリサイクルショップ

「これ・・・このMが刻まれたbluebirds
・・・雅人のじゃない?」

 bluebirds 個性的な青いマイク

「どうしてこんなところに・・
そうか彼の両親が処分したんだ」

雅人が行方不明になってから
もうすぐ一年

探すのを諦めた彼の家族が
遺品整理をしたのだ

(店員)「いらっしゃいませ」

「あの・・これ取り置きできませんか?」

(店員)「申し訳ありません
お取り置きのほうは受け付けておりません」

「そこをなんとか 
行方不明になった友達が大事にしてたモノなんです
お願いします お願いします」

 何度も必死に頼む私を見て
店員も気の毒になったのだろうか

(店員)「わかりました・・・・
ちょっと店長に聞いてきます」

「よかった 一週間待ってもらえた 
でもお金どうしよう
先週旅行いってスッカラカンだし
 うーん  そうだ
後輩がビラ配りのバイトしていたんだっけ
紹介してもらえるかも」

私の夏の三日間がビラ配りに費やされた

     
scene2 

机の上 目の前に置かれた大きな筐体(きょうたい)

 bluebirds 彼ご自慢のマイク

 よく歌ってはネットに投稿していたっけ

「ふぅ・・・ なんとかヒトの手に渡らずに済んだ
でも・・・これ・・・どうしよう」

主人がいなくなり 
リサイクル店の棚に置かれていたbluebirds

 もうあの透き通る声を録音することはない

 「とりあえず・・・つなげてみようか
あった このインターフェイスなら つながるはず
ケーブルをつないで・・スイッチオン
よかった 反応してる
ヘッドホンはどこだっけ」

ヘッドホンをさして自分の声を聞いてみる

クリアな音が耳に そそがれた

昔 好きだった曲を口ずさむ

私も昔は歌っていた

そう 彼が行方不明になる前まで

「あいつ 一回も私に このマイクを
貸してくれなかったもんなぁ」

(ため息)

「まさか こんなカタチで使うことになるとはね」

机の上においてある写真たてを見る

神社を背にした私と彼が笑っている

「もうすぐ一年か」

ミュージシャンで廃墟好き

 頑固で偏屈だけど笑顔の眩しい人だった

(雅人)「よかった 君にまた話すことができた」

 「え? 何? 今の声
この部屋・・私しかいないよね」

(雅人)「ここだよ ここ」

 「ヘッドホンから聞こえる・・・
この声・・・まさか」

(雅人) 「そう ぼくだよ」

私は息をのんだ

行方不明になった雅人だった
    
 「ま・・雅人・・・え・・
ちょっと待って これどういうこと?
あなた なんで・・・急に・・」

(雅人)「ぼくにもよくわからない 
今目覚めたら ここに君がいた」

「このマイクか・・・
このマイクがあなたの声を拾っているんだ」

(雅人)「そうか あのbluebirdsを君が持っているのか
そうだったんだ」

「ちょっと あなた今どこにいるのよ
って そもそも い・・・生きているの?」

(雅人)「わからない 暗闇のなかで ずっと一人ぼっちでいた」

雅人の姿はどこにもない

ただ声だけがヘッドホン越しに聞こえてきた

bluebirdsが彼をここに連れてきたのだ

不思議とこわくなかった

むしろ彼が帰ってきてくれたみたいでうれしかった

 「あなた・・・これからもここにこれるの?」

(雅人) 「たぶん あまり長くは話せないけど

・・・ごめん 眠たくなったから今日はもう寝るよ また明日」

 「消えないでよ 明日 またこの時間に来てよ」

 「うん わかった きっとくるよ」

次の日も彼はきてくれた

だけど心の電池がすぐに切れてしまうらしい

彼と話せる時間は数分もないけど 私には十分だった

こうして 私と彼とのマイク越しの生活がはじまった

とめどもない会話だった

彼は笑って私の話を聞いてくれた

短い夏の奇跡


scene3

夏も最高潮  今夜も私はbluebirdsに語りかける

 「ねえ聞いてよ    今日のビラ配り
ギラギラの灼熱エリアにとばされてひどい目にあったわ」
     
(雅人) 「そう」

 「途中で日焼け止め買いにいったら
高いのしか置いてなくて
結局バイト代半分とんじゃったわよ」

(雅人)「それは大変だったね」

 「笑いごとじゃないわよ
あなたは幽霊だから
日焼けなんて気にしなくていいけどさ」

(雅人)「そうだね」

「あ・・ごめん 言い過ぎた」

(雅人)「気にしないで それよりも・・・・」

「うん?・・何?」

(雅人)「思い出せそうなんだ
居場所を もう少しで」

「居場所って・・・」

(雅人)「うん 僕のいる場所」

「そ・・・そうなんだ」

(雅人)「たぶん 明日・・・
いや あさってには思い出せると思う」

あさって・・

彼が行方不明になって
ちょうど一年後にあたる日

突然の告白 胸をよぎる不安

もし 彼の居場所がわかってしまったら
彼が見つかってしまったら

ここにいるあなたは消えてしまうかもしれない


次の日も 彼はいつもどおりにきた

(雅人) 「明日 きっと思い出せる
 そうしたら君に教えるから」  

「うん  思い出せたらいいね」  

うそ

思い出してほしくなかった

彼が消えてしまう

直感で理解していた

(雅人)「君にお礼をいわなくちゃね」

「え?」  

(雅人)「ありがとう 君のおかげでさびしくなかった」

「お礼ならbluebirdsにいうことね」 

精一杯の強がりだった

翌日の夕方

帰宅した私は重い足取りで階段をあがる

運命の宣告の時は刻一刻とちかづいていった

「え?ない・・・bluebirds・・・
どこ・・どこにあるの・・・」

bluebirdsがケースごと消えていた 

私は狂ったように部屋中をさがした

bluebirdsを持ち出したのは妹だった

友人に貸してしまった

翌日 戻ってきたbluebirdsは首が折れていた

友人が録音中に床に落としたらしい

泣いて謝る妹を尻目に

私はbluebirdsに機材をつなぐ

「そ そんな」

機能を停止してしまった bluebirdsの前でへたり込んだ


scene4   

夏の終わりが ちかづいてくる

抜け殻になった私

目の前にはbluebirds

 「ごめんね雅人 あなたの居場所・・
聞けなかったよ・・ごめんね」

本当は貸したことを知った時点で
取り返しにいけばよかった

壊れる前に取り戻せばよかった

だけど

彼がいなくなる恐怖が
一日くらいなら伸ばしてもいいと 囁いたのだ

「あの時 すぐに取りに行けば 
こんなことにならなかった
ごめんね ごめんね」

彼の居場所は聞けなかった

最後の希望は絶たれてしまった

彼はまた暗闇のなかを さまようのだ

私はbluebirdsを見つめた

「雅人 いるんでしょ
あなたの居場所はどこなの?
本当のあなたはどこにいるの?
答えてbluebirds!」

思いっきり机をたたいていた

写真たてが倒れ その上にbluebirdsが折り重なった

「写真・・・なおさなくちゃ・・
あ・・・写真の上にbluebirds・・・
これって・・・・もしかして」

神社で撮った二人の写真

こわれたマイクはその奥にある森を指していた

「ここにいるのね」

翌日 神社の森の井戸のなかで彼は発見された


scene5

夏の終わりのある日 

私は彼のお姉さんにあった

(姉)「忙しいところ呼び出しちゃって  ごめんね
ドタバタしてお礼もできなくて 
やっとゆっくり話せるわ」

「気にしないでください
それよりもご用ってなんですか?」

(姉) 「うん・・・実はね
先週雅人が夢にでてきたの」

 「は・・はぁ」

(姉) 「とても感謝していたわ
それであなたに伝言があるの」

 「伝言・・ですか?」

(姉) 「この夏が終わったら
 もう僕のことは忘れて新しい道を進んでほしい
そう伝えてほしいって」

微笑むお姉さんを見て すぐに理解した

この人は私に気を遣ってくれているんだ

夢に彼がでてきたことにして
いつまでも引きずらないように
(さと)そうとしてくれているんだ

「お気遣いありがとうございます
でも・・私」

(姉) 「ふふふ 夢なんていわれて半信半疑よね 
じゃあこれで信じてもらえるかしら」  

私に楽器店の紙バックを差し出す 

 「これですか?」 

(姉)「ええ 包みを開けてごらんなさい」

 「こ・・これは・・・bluebirds・・・」

(姉) 「あなたに贈ってほしいって弟に頼まれたの
また昔のように歌ってほしいって」

さっきまで降っていた雨はやみ
オレンジと白のシンフォニーを水たまりに輝かせる

夕暮れのなか新しいbluebirdsを抱え 
私は帰路につく

昨日とは見違えるほど足取りも軽い

心のなかで彼のコトバを反芻する

 「夏が終わるまでは・・・
あなたのことを思っていていいんだよね」

どこかでクスっと笑った声が聞こえた

 「ひさしぶりに歌いますか」

bluebirds 新しい私のパートナー

私のひと夏の思い出

     



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スタッフ 

CV(敬称略)

主人公  野崎雨汰
雅人   アンドレカンドレ
雅人の姉 HΛLまる
店員   らっど。
                 星野星香

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エンディング曲(敬称略)

七色恋模様
作詞作曲 龍崎一 VOCAL     TOYro
DOVA-SYNDROME
http://dova-s.jp/

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BGM(敬称略)

窓の外の雪
出典 音々亭
http://soundarbour.sakura.ne.jp/

 ○●○●○●○●○

潮騒アーベント
森の記憶
dog'n duck jog
Pops up the mind wings
出典 MusMus
http://musmus.main.jp/ 

○●○●○●○●○

Destino
endless tears
出典 DOVA-SYNDROME
http://dova-s.jp/

━─━─━─━─━─

効果音(敬称略)

音人
http://on-jin.com/

くらげ工匠
http://www.kurage-kosho.info/index.html

音々亭
http://soundarbour.sakura.ne.jp/

小森平の使い方
http://taira-komori.jpn.org/index.html

WEB WAVE LIB
http://wwl.s-t-t.com/

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演出 編集(敬称略)

星野星香

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原作 動画 

D♭


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ご覧いただきありがとうございます。
好きだったネット配信者さんの愛用マイクがbluebirdでした。
美しい音を奏でてくれる大好きなマイクです。 
(作中ではbluebirdsにしました。)

素敵なボイスでキャラを生かしてくれた
野崎雨汰様、アンドレカンドレ様、HΛLまる様 らっど。様。  

すばらしい演出と編集で夏の風景を描いていただいた星野星香様。 
作品に関わっていただいた多くの方々に感謝いたします。    
そして皆様にはぜひ 挑戦していただきたけるとうれしいです。   
D♭

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 サークル  Green gage
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はじめまして
お越しいただきありがとうございます。

カラオケ動画






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☆1
十年ぶりに実家に帰る
あの駅はもう廃れてしまったかな
最近じゃ電車も本数が減って
寂しい駅になってしまったって
おばあちゃんが電話で教えてくれた
電車の窓を開けると 生暖かい風が入ってくる
水の張られた田園に風が走った
電車からの景色は懐かしくて
つい昔のことを思い出してしまう
窓に向けていた顔を車内に戻すと
向かい席のおじさんが気持ちよさそうに目を閉じている
私はそれに笑顔を向けてまた外を見た
どうしてここはこんなに夏の匂いがするのだろうか
私に あの日を思い出せと言っているのだろうか
制服をきた綺麗な夏の記憶を

☆2
「君に話しかけるのはもう最後にするよ」
あの日 オレンジ色の教室に二人
君は静かに笑って言った
私にはその言葉が理解できなくて
ただ笑って答えたのだ
「そう わかった」
君は本当によく冗談ばかり言っていた
「うん ホントに大好きだった 君に出会えてよかったよ」
明日も学校があるのに
君はどうしてもう会えないみたいに言ったのかな
あの日の冗談はなんだかすごく本気みたいで
君の潤んだ瞳に心臓がとくんと揺れた
「またあした」
そう言うと君は少し目を大きくして 少したって言う
「......うん、そうだね」

ラムネのビー玉を取るのを諦めたあの夏
綺麗な空が突然濡れた

静かな君の笑顔がずっと頭から離れなくて
傘を忘れた私は制服を濡らしたのだ
次の日も空は雨で
熱い道路を冷たく濡らした



☆3
切ない記憶を乗せた電車は あっという間に田園をすぎた
水に反射する光が 君の笑顔を思い出させたから
私はその眩しさに目を細めたのだ
あの日 もし君の不器用なお別れに気がついていたら
今までずっと 後悔していなかったかもしれない
きちんとサヨナラができていたら
今も こんなふうに胸が苦しくなんてならなかったかもしれない
「ここで降りなきゃ」
君との明日が来なかった あの日の雨は苦しくて
プシュー
電車が発車してしまって何もないこの駅で
甘酸っぱい思い出を背に 私は静かに前を向く
忘れはしない 制服の夏




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