蹴球二日制のサッカー色々

山口県からJリーグクラブを目指すレノファ山口とその他サッカーを中心とした話題のブログです

2010年12月

Jリーグ準加盟申請

Jリーグを目指すチームなら参入前に必ず行われるものがJリーグ準加盟申請です。
少し前までは暗黙の了解なのかJFLに参加するチームだけが申請をしていましたが、ファジアーノ岡山、SC相模原の事例により地域リーグ以下であっても体制さえしっかり整えれば準加盟は認められることがはっきりしました。

レノファも近い将来どこかのタイミングでこれをする必要がありますが、実際に何をする必要があるのかを確認しておきます。

Jリーグ側が示している準加盟基準は次の通り(文面は多少違います)
1.将来J2への参入意思を持った法人であること
2.その意思を都道府県サッカー協会が承認・支援していること
3.ホームタウンの自治体がJリーグ参入を応援する姿勢を文書で示していること
4.JFL、地域リーグ、都道府県リーグに所属して活動している実績がある
5.発行済み株式の過半数が日本国籍である株式会社、公益法人、特定非営利活動法人で適切に運営されている
6.この法人がサッカークラブ運営を主業務にしており、常勤役員1名以上、常勤社員2名以上がいること
7.リーグ戦をホームタウン内の特定スタジアムで相当数開催できること
8.そのスタジアムはJリーグ規定に定める基準を満たすか、将来それにあわせて改修が可能であること

また、準加盟申請が認められれば、Jリーグ側からの指導や助言を受けたり、研修や会議に出席できるようになりますが、反対に年間120万円の会費の支払いと活動報告や財務諸表の提出などを求められます。

大きく分ければ必要なのは「法人化」「自治体の支援」「スタジアム」ということになるでしょうがもうひとつ「安定した収入」というのも別の基準として存在するかもしれません。

準加盟申請をすることの意味は正式に内外にJリーグ参入に手を挙げることとなります。また、準加盟を認められればJリーグ側から参入のための承認を半分はクリアしたといっていいでしょう。

よそのJFLチームなどはスタジアム問題が障害になっているところが多いようです。スタジアム建設は山口は国体のための維新公園陸上競技場の改修があったことで大きな問題もなくクリアできる可能性が高いと思われます(視察を受ける必要がありますが)。
あとは法人化と自治体の支援文書といったところでしょうか。

レノファも本気になるべきだという声もありますが、その本気というものを示せる手法の一つとして準加盟申請という選択肢もあるかもしれません。

岡山を変えた男:木村正明

かつては同じ中国リーグでレノファとも戦っていたファジアーノ岡山、いまはJ2でも毎回6,000人以上のサポーターを集める人気チームに成長しました。先日広島のストヤノフを補強、2011年は下位からの上昇が期待できるチームですが、このチームが地域リーグ、JFL、J2と短期で急速に成長したのは現社長の木村正明氏の存在がもっとも大きいといえるでしょう。

ファジアーノ岡山の成り立ちはレノファによく似ています。2005年の岡山国体の強化のために設立、2004年に県リーグから中国リーグ昇格、2005年の中国リーグは2位で地域決勝に出場するものの1次リーグ敗退でJFL昇格を逃します。そして翌年2006年の7月に組織を法人化「株式会社ファジアーノ岡山」設立と同時に社長に就任したのが木村正明氏です。
ゴールドマンサックスの執行役員も勤めた超エリートビジネスマンは故郷岡山への恩返しと岡山にもプロスポーツチームを作りたい強い思いから就任依頼を受けたそうですが、この木村氏就任がファジアーノを大きく変えることになります。

ただ、それ以前(05年)までのチーム状態はかなり不安要素が多くあったようです。練習場、国体への遠慮からか桃太郎スタジアム(当時)が十分に使用できない、組織のプロ化や強化のためのビジョンを示さないフロントなどへの苛立ち、そのままでは今のファジアーノはなかったといえるでしょう。

木村社長が就任した当時の運営予算がわずか400万、Jリーグを目指すにはあまりにお粗末な収益体質は木村社長就任からたった1年余りの2007年には9000万、スポンサー数は6社から180社まで劇的に増加させています。

ちなみに就任初年の2006年地域決勝直前に4人のJリーガーを超短期で補強。賛否の声もあったこの補強に対して木村社長は「そこまでして補強をするのは結果を出さないとスポンサーが下りてしまうから。だから私は結果にとことんこだわる。それにJリーガーを連れてくるのは本気度を内外にアピールできる」とコメントしています。

結果として2006年はJFL昇格はならず、木村社長は自分の財産を投入してまで赤字の補填や増資を行い、毎晩の酒宴に参加しつつスポンサー集めに奔走、これまで3万枚を越える名刺を交換したそうです。

一方チーム強化のために2007年に練習時間を昼間に変更。手塚監督(現福島U監督)の就任と31人の所属選手のうち19人が退団する大幅なリストラも実施しています。これには木村氏本人も心を痛めたそうですが、「情よりも理で考えて動く」としてあくまで全国で勝てるチームつくりを進めました。中国リーグの成績を06年07年で比較すれば一目瞭然。06年が11勝1分2敗、62得点16失点+46に対して07年は14勝全勝無敗77得点失点わずか3の+74と飛躍的に成績を伸ばしています。そしてこの年にJFL昇格、この年地域リーグで初のJリーグ準加盟が認められています。

2008年のJFL初年度にはスポンサーが260社2億3000万円まで増加、JFL4位となりたった1年でJ2参入を決めています。

正直言って、こうした超人的な働きをする社長を迎え入れたファジアーノはとても幸運なチームだと思います。山口のために私財を投げ打ってまでレノファのために奔走する経営に長けた人物が現れることを期待する訳ではないですが、ファジアーノの例を見るとチーム成功ためには情熱と行動力をあわせ持った経営者というのが必要なんだと思わせるものがあります。

長野と讃岐

今年の地域リーグ決勝大会が終わりました。3位の三洋電機は入れ替え戦が残るので来期のJFL18チームは確定していませんが、優勝と2位のカマタマーレ讃岐と長野パルセイロが昇格を決めました。

どちらも今大会の本命とされた2チーム、組み合わせが同じ高知のCグループに入りながら、そこを突破した2チームとも昇格を果たすとはいやはやお見事です。

10月の全社で驚かされたのがカマタマーレ讃岐の無失点優勝。これが一番のインパクトでした。全社以降のカマタマーレの成績は
全社1回戦/○5-0 ヴォルカ鹿児島
全社2回戦/○1-0 アイン食品
全社3回戦/○2-0 tonan前橋
全社準決勝/○2-0 SC相模原
全社決勝/○2-0 長野パルセイロ
地域1次/○1-0 福島ユナイテッド
地域1次/○3-2 さいたまSC
地域1次/○1-1(PK3-2) 長野パルセイロ
地域決勝/○0-0(PK7-6) 長野パルセイロ
地域決勝/○3-2 YSCC
地域決勝/○1-0 三洋電機

失点の少なさが際立ちます。何より全勝というのは本当にすごいです。
このチーム、今年から元J2熊本を指揮した北野監督が今年就任したのは知っていましたが、そのチーム作りの内情について、昇格関連のニュース記事から伺えます。
・セットプレイからの得点を最大の武器として強化した。
・途中から補強したFW大西(徳島)、MF飯塚(町田)の補強策が功を奏した。
・「いいサッカー」「理想のサッカー」ではなく「勝つサッカー」をプロの監督として追求した北野監督
・リーグ終盤は守備練習に時間を最も割いた。「1点取って勝つサッカー」を追求した。

いかにして勝てるチームを作るかを模索した結果が堅守による「負けないサッカー」。それがカマタマーレの出した答えであり、その答えは結果として結実しました。改めておめでとうございます。

そしてもうひとつ、長野パルセイロの全社以降の成績は
全社1回戦/○2-0 HOYO
全社2回戦/○2-1 ASラランジャ京都
全社3回戦/○1-0 新日鉄大分
全社準決勝/○4-2 福島ユナイテッド
全社決勝/●0-2 カマタマーレ讃岐
地域1次/○4-1 さいたまSC
地域1次/○0-0(PK8-7) 福島ユナイテッド
地域1次/●1-1(PK2-3) カマタマーレ讃岐
地域決勝/●0-0(PK6-7) カマタマーレ讃岐
地域決勝/○4-0 三洋電機
地域決勝/●0-0(PK1-3) YSCC

昨年昇格した松本山雅に遅れは取りましたが、実力はそれと同等、北信越の強さを十分に見せてくれました。唯一カマタマーレは相性が良くなかったようですが、来年同じJFLの舞台で松本山雅と激しい争いをしてくれるでしょう。

昨年昇格した松本山雅とツエーゲン金沢、そして今年のカマタマーレ讃岐と長野パルセイロ、全社の優勝・準優勝チームが連続で昇格を果たしたこの結果が意味するのは本当に地力のあるチームが昇格するようになったということです。
地域決勝は一発勝負のある意味トーナメントのようなものです。流れや勢いというものもあるかもしれません。でも、そうした不確定要素で1年の努力が無駄になったり、悔し涙を流す位なら徹底的に勝ちにこだわり、運や多少の不調にも揺るがない強く・勝つチームを作って昇格に挑もうとするのは当然かもしれません。というかJリーグを目指すチームであるならそうまでしてでも勝たなければいけないのが地域決勝大会というものなのです。

来年のシーズンが始まる頃「今年は全国でも勝てるチームになりました」と胸を張って言えるチーム作りを期待したいところです。
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