当院に受診された方はご存知だと思いますが、私は診断名に「風邪」という表現をよく使います。
この場合、「風邪」というのは「何もしなくても最終的に自然に治るもの」という意味で使っています。
(もちろん、症状を抑えた方が楽になることが多いので、薬は処方しています)

よく、「他院で『気管支炎』と言われた」ということがあります。
『気管支炎』と言われると「肺炎の手前?風邪と違うもの?」と思われる方が多いと思いますので、今日はこのお話をしたいと思います。

「気管支」とは、そもそも肺の中の空気の通り道を指します。
のどで食べ物が通る食道と空気の通る気管に分かれ、胸の中で左右に分かれ、そこからさらに細かく枝分かれしていきます。
「気管支」といった場合、左右に分かれてからの気管を指します。
(これ以上詳しいことを聞かれると学生時代の解剖学の成績がばれるので勘弁してください)

「気管支炎」といった場合、この気管支の粘膜が炎症を起こす(腫れる)状態を指します。
気管支に限らず、粘膜が炎症を起こすとその部位から分泌物(痰)が出てきます。例えば鼻の粘膜が炎症を起こすと鼻水が出るし、気管支で分泌物が出ると痰がでて咳が強く出ます。

当院を受診された方はよく「痰の出る風邪」という表現を聞いたかもしれませんが、他院で「気管支炎」と言われるものはこれを指しています。

要は言い方の違いだけです。診断名もなるべく易しい説明を心がけていますので、痰の出る」「風邪」という表現を使っています。

ちなみに「鼻風邪」の医学的病名は「急性鼻咽頭炎」ですし、「のど風邪」の医学的病名は「急性咽頭扁桃炎」となります。気管支炎だけ別のもの、というわけではありません。

勿論、「気管支炎」も「風邪」ですので、症状に対する薬(痰切り、気管支を広げる薬)を使うという点では同じです。

他院で○○と言われた、の話はこれ以外にもたくさんあり、また、気管支炎と喘息の話もしたいのですが、話がとても長くなるのでまたの機会にしたいと思います。