『三種混合ワクチン』でピンとくる方、なかなかのワクチンマニア(失礼)かと存じます。


『三種混合ワクチン』は、ジフテリア、破傷風、百日咳の混合ワクチンです。

似たような名前のワクチンに『四種混合ワクチン』というのがありますが、上の3つにポリオが追加されたもので、生後3か月以降の赤ちゃんに接種しています。

ポリオが内服ワクチンだった時代や注射のポリオワクチンが承認されたばかりの頃は、赤ちゃんにも三種混合ワクチンを接種していたのですが、四種混合ワクチンが販売されてからはそちらに切り替わりました。

それ以降販売が中止されていたのですが、昨年1月に再度販売されることになりました。

その理由が以下のようになっています。


小児期に接種した3種混合ワクチンの効果は、成人になると減弱することが知られています

実際、昨年の百日咳の流行状況を見ると、小学生の年代の罹患数が最も多いのですが、30-40代の成人も少し罹患数のピークがあります。

成人の百日咳は「咳が長引く」のレベルで病院を受診せず、確定診断されないケースがかなりあると思われることから、実際の成人患者は報告されている数よりは多いのではないかと思われます。


しかし、百日咳の問題は、成人の罹患ではなく、6か月未満の乳児が罹患すると重症になりやすいという点です。乳児が百日咳に罹患すると、ただ咳が止まらない、というだけでなく、無呼吸発作(呼吸ができない)、チアノーゼ(酸素が足りない)などの症状を認めることもあり、致命率も高くなります。


海外では、乳児期の定期接種の後、5-6歳と10代の2回、百日咳ワクチンの接種が追加される国が多いです。5-6歳のみという国もありますが、いずれにせよ5-6歳という小学生になる前に追加接種しています。

日本小児科学会でも、「小学校に入る1年前」「11~12歳」の2回の追加接種を昨年秋から推奨しています。


予防接種は、本人を守るというのは勿論のこと、ワクチンを接種できない人を守るためのものでもあります。是非ご検討ください。