このタイトルを見て絵本を思い出した方は正しいと思いますし、私もあの絵本は好きです。
その絵本のお話ではありませんので念のため。
医学の世界でも、何をするにも「理由」があります。
例えば、薬一つ処方するのにもこういう理由があるから処方する、という明確な根拠があります。
(よくわからないけど処方する、は「とりあえずビール」と同じものだと言っています)
検査も同じです。こういう病気が疑われるから検査する、という明確な理由があります。
「よくわからないけどとりあえず検査」とはやらないわけです。
検査の前には診察があり、診察の前には症状があります。
回りくどい言い方ですが、症状があるから診察を受け、診察の結果でこのような病気が疑われるから検査をする、といったほうがわかりやすいかもしれません。
「〇〇が流行っているから△△の検査を受けてくるように言われた」とよく診察室で聞きます。
ただ、上の流れで行くと、「〇〇が流行っていて、□□という△△の病気が疑われる症状 があるから検査する」ならわかるのですが、□□という症状がないのに検査をする意味は基本的にありません。
百歩譲って「一緒にいる人が〇〇という病気だったから」ならわからないでもないのですが、さらにひどいと周囲に全く病気の人がいないのに「巷で〇〇という病気が流行っているから、今この周囲にはいないけど検査を受けるように」と言われると、さすがにそれはないだろう、と考えてしまいます。
検査も万能ではありません。どんな検査でも偽陽性(本当は陰性(その病気ではない)なのに陽性という結果が出る)もあれば偽陰性(本当は陽性(その病気)なのに陰性という結果が出る)も一定の確率で出ます。
だからこそ、検査の前に診察を受け、まず何らかの検査の必要なものが疑われるかどうかを考えて、それから検査を行う、という順番が必要だと思います。
処方も同じです。同じ症状でもその原因によって薬も少しずつ変わりますし、経過によって薬も変わっていきます。
その辺の検査の必要性や、(検査や処方が)不要な理由をなるべくゆっくり説明するようには心がけていますが、ついつい毒づくこともあります。そんな時は、疲れてるんだなぁとか、夫婦喧嘩でもしたのかなぁ、と生暖かい目で見守ってやっててください。
おや、誰か来たようだ…うわやめろなにをするあqwせdrftgyふじこlp;