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誰かのことば
思い出していると僕で
誰かの死体
思っているとやはり それで

音楽を流していると
誰かいないだろうかという思いがあって
まわりを気にしながら耳を立てている
どこかに誰かがいるのではないか そこに

まわりには一人しかいなくて
動かそうと思えば
指もこの足も上の手もどうやら動くが
涙は落ちないようだった

キーボードの上のキーを叩いていると
ディスプレイに文字が一つずつ並んでいく
少し手をキーに乗せて画面を眺めていると 何か
僕ではなくなっていく奇妙な感覚にさせられていた

キーボードの指を眺めていると陰ができていて円形で
叩いているとカチカチと音がしていて 固くて
すべった机においていると 乾いた
それで売りはらったすぐにそいつを

〜yamada
山田は金髪にグラサンといった出で立ちで女の子たちの人気を集めているようだった。今日はいつもの革ジャンではなく、虹色のグラデーションがかかったロングtシャツというきらびやかさ。通りかかるそんな彼の格好を研究するのが僕の日課で、モテたいと思いつつアトリエの外のベンチに座っていた。だけどアトリエで一生懸命絵を描いている彼はあまり見たことはなかった。ハーレー用のような重そうな靴で大学の構内を大股で歩いている、移動している人間だという印象の方が強かった。

ある日一緒に食堂でランチを食べていた。mauランチという名で、松屋が安売りを打って出る以前としてはとても安価な食べ物だったが、主食意外はほとんど変わらないメニューでもあったので、1年もたつと吐き気をおぼえつつ食っていた。そのときの主食だった白身魚フライを、普通に食っていた彼をおぼえている。

大学がためこんでいた学費をつぎ込んで創設されたばかりの、ガラスを全体に張り込んだ綺麗な食堂だった。しかし油絵を描く人間が来ると、そこにべっとりとカドミウムレッドやアイボリーブラックといった粘着性の強い絵の具が残された。ここでいう粘着性とは色の強さのことで、テレピンなどの油で溶いてもなかなか色が薄くならないという具合だ。値段も多少張るが、貧乏人でもなんとか手に入れておけば、そこにテレピンを混ぜ込むことによって150%ぐらいまで希釈して使えるのであとあとトクになる。親指ほどの絵の具一本に3000円と、初心者だと気づきづらい盲点でもあるが。

山田はあまり絵を描いていなかったようだった。いつも誰かとの恋愛に夢中だった。僕は根っからあまり女性との関係に興味がわかず、むしろ大勢で楽しく酒でも飲んでいられればいいと思っていた。逆に彼は女性との関係を強く望んでいるようだったが、当時彼には運悪く特定の女がおらず、メシを食っていてもよくその話がでていた。暗い顔をして「はやくおちつきたい」とぼやいていたものだった。そのことを強く感じられたのはある日の飲み会の帰りでのことだった。詳細にはふれない。

最近、山田は結婚したと聞いた。学校を出てもう5、6年ほどだろうか。とても絵の具の一本も買えなくなってしまった今、当時の風景が体中に懐かしく思いだされた。部屋じゅうに立ちこめていたアブラの匂いはすでに遠い記憶の彼方で、ぼくはもう絵を描いていなかった。会社と家とを毎日往復していた。夜のカーテンを開けると、明日の匂いがして、たくさんの刃に刺されたような、そんな気持ちがした。なみだがこぼれ落ちたようだった。



※仕事しているより疲れた。自主トレに終止。あのtシャツの1個でも金になってくれればほんとうになによりだが。。

帰り道、日本橋を映した。デジカメを外で使うのは何日ぶりだろう。olに不審な顔をされつつも。写真は携帯にて。

macminiになんかbluetoothついてたので使ってみたらワンタッチなうえ、はなれられるしで便利。かなり近づける赤外線やカードリーダーは大変だったもんだ。。

ピローズのアルバムがランクインしていたのでうれしい。

今週末、何かしらのmidi音楽ファイルをアップすることをお約束します。