いけだたかし「34歳無職さん」6巻永田守弘「日本の官能小説 性表現はどう深化したか」

2015年11月06日

杏「杏のふむふむ」



 NHK朝ドラの21世紀の黄金期である。そんな黄金期の名作の1つ「ごちそうさん」の主演を演じたのが杏。渡辺謙の娘であり、モデルでもある。
 その活躍ぶりは言わずと知れた杏、今年の年始には朝ドラで共演した東出昌大と結婚。ちょっとおっと思った。
 特別、ファンというわけではないが、魅力的で目を引く人だった。
 そんなわけで、そんな杏の日常を描くエッセイ。
 陶芸家、演出家、女優、飼い犬……様々な人たちとの出会いと交流から得た様々な彼女の開明がその題材になっている。
 流麗な筆で素敵な文章を紡ぐが、その柔らかいテキストの読みやすさはまるでその中に自分の理解が溶けていくような、そんな感覚。

 黒柳徹子や堺雅人、鈴木福ら、芸能人たちとのやり取りに、顔がほころぶ。
 だが、ただほのぼのとしているだけではない。そこには非常に機知と見識に富んだものが含まれている。

 ただのタレント本だと言ってしまえばそれまでかもしれない。ゴーストライターが書いていると言われてしまえば、それまでかもしれない。
 だが、そこには杏の物語が確かにある。
 彼女にある魅力が、文章の中にぎゅっと詰まっている。
 心がゆっくりと洗われる。とてもいい本だ。

 ところでこの本、電車の中に忘れてしまった。とてもいい本だったのに。
 残念無念。



babatune06 at 00:00│Comments(0)TrackBack(2) 小説その他 

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1. 杏のふむふむ  [ やさしさに包まれたなら ]   2015年11月20日 16:31
先日「ママ、杏ちゃん好きでしょ」と、 東京にいる娘 にもらった文庫本です 次女ももう社会人、ランチもご馳走になったけど気持ちよく親孝行させてあげました(笑) 本日仕事が終わってから、陽だまり の駐車場で読み始めたら止まらなくなっちゃって 家事とジム
2. 杏『杏のふむふむ』  [ 宴の痕 ]   2015年11月21日 17:50
杏のふむふむ (ちくま文庫) [文庫] 女優・杏が、人との出会いをテーマにしてこれまでの人生を振り返ったエッセイ。 書店で少しめくったときに、堺さんのお名前を発見したので買って ...

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