平成ホリエモン事件(文藝春秋5月号)
たかが1件の企業買収が事件とは日本はまだまだ平和だと安心して良いのか…。
(と思いながらも結局は買って読んでしまった。)

堀江氏へのインタビュー記事「牙を抜かれた経営者は去れ」
センセーショナルなタイトルだが、堀江氏の発言をつないで編集したもので、発言そのものではない。他メディアで堀江氏が語り尽くした内容ばかりで、目新しいものは特にない。(同じ事ばかり聞かれるせいか、コメントも要領良くなってきている。)

他の識者(?)が寄せた文章は結構笑える。

丹羽宇一郎「何のための買収、誰のための会社」
「俺は頑張ったんだから給料あげろよ!」と思うサラリーマンの平均的?な意見。ただ時価総額における有形固定資産(不動産など)に対する無形資産を「人、サービスなど」だとして人的資産の重要性を問いているが、本当は「のれん代、ブランド力、営業権、成長力」だと思う。また堀江氏は個人の能力を得るために企業ごと買収した例もあるので、人的資産を軽視している訳ではない(但し人的資産は全従業員ではない!)。

立花隆「ネットはメディアを殺せない」
頭の良い?人の文章は難解だ。何度読み直しても、結論に至る論拠がどれなのか良く判らない。社長である堀江氏が五千通のメールを処理するのと、一般大衆がゴミだらけの大量の一次情報を押し付けられて取捨しなければならない(?)というのはどこに関連性があるのかが不明。ネットでは自分の興味ある事柄を検索すれば良いだけだ。

大前研一「荒野のガンマンVS白馬の騎士」
堀江氏のおかげで10年説明し続けた自説が理解されるようになったと喜んでいるが、今までの説明が下手だっただけではないか?どこかのビジネススクールに通った方が良いと思う。

東谷暁「米国の圧力が怪物を育てた」
堀江氏はベンチャー企業家なので人格的に立派ではないらしい。日本はアメリカの圧力で米企業が日本企業を買収するのに都合の良いように規制緩和をしてきたが、今になってあわてて防衛策を検討し始めたと批判。

斎藤環「診断名は『社交的ひきこもり』」
堀江氏には「光クラブ事件」の山崎晃嗣のような世間に対する怨念がない。堀江氏が欲するのは「他人の欲望」そのもの、あるいは「欲望を可能にする形式」そのものだ。…これ以外の文章は意味が全く判らなかった。俺も「ひきこもり」かなぁ?

成毛真「日本のビル・ゲイツになれるか」
堀江氏とビル・ゲイツは類似しているそうだ?後はマイクロソフトへの郷愁を感じる内容。

竹森俊平「日本型『人本主義』は崩壊した」
フジTVがTOB価格を引き上げなかった事を批判。ソフトバンクには好感を持つ。…そのくらいしか書いていない。

佐野眞一「大衆は『堀江失墜』を待っている」
佐野節が炸裂し、既存メディアの欺瞞を切って捨てる。「ホリエモンは、その発言とは裏腹に、欲望の濃度において(中内や江副、藤田に)遠く及ばない。」「珍獣ホリエモンは大衆を魅了する新しい物語を紡ぎだすことができるのだろうか。」なるほどね。


メディアの権力性