第一次世界大戦後の1920年代、黎明期の航空学校を舞台に若い生徒たちと美人教官との触れ合い、淡い恋を描いた2006年製作の韓国映画。
いや、青春映画としては決して悪い出来ではないのだが……。
1919年3月1日、日本に併合されていた当時の朝鮮半島で大規模な独立運動が起こるが鎮圧。後に韓国初代大統領となる李承晩らは、中国・上海に「大韓民国臨時政府」の樹立を宣言した。彼らは在米韓国人の資金的協力を得て、1920年、米国カリフォルニア州に「世界最初」の航空学校である「ウィロウズ航空学校」を設立、有望な韓国人青年を集め韓国独立を目指して空軍戦闘機パイロットの育成を始めるのだった。
いやー、東宝『青島要塞爆撃命令』にも似た戦争ファンタジーだなー、と思っていたら、これ、「実話」の映画化なんだそうである。え? 航空学校も韓国が発祥なの?
クセのある若者たちは女性教官に反発するも、やがて打ち解けあって民族独立を目指し、苛烈な訓練を耐え抜く。祖国を失った彼らに、当初は「韓国なんて国は存在しないよ」と冷淡だったアメリカ人も理解を強め、ついに彼らはカーチス・ライト社から練習機を購入することに成功する。
だが、日本がそれを静観するはずもない。彼らが熟練し一流のパイロットとして成長すれば、朝鮮半島での植民地政策にも影響を及ぼすと考えた日本は、航空学校にスパイを送り込み、様々な妨害と破壊活動を加えるのだ。
登場する複葉機は恐らくカーチスJN-4、通称「ジェニー」と呼ばれる機体だと思われる。飛行シーンは全てCGで描かれるのだが、一般的な航空アクションのアルゴリズムでデータをジェニーに置き換えただけのようで、複葉機にしてはあり得ないスピードと運動性能で飛びまわる。兵器関連詳しくないのでツッコミどころが間違っていたなら申し訳ないが、敵機の追撃を振り切るために、太陽に向けて垂直上昇するなんて芸当が当寺の複葉機に可能だったんだろうか。
小道具類も奇怪で、この航空学校の部屋の壁には『撃墜王 アフリカの星』のポスターが貼ってある。いや、それ、第二次大戦の話でしょ。主人公のハンス・ヨアヒム・マルセイユは1919年生まれだから、その時まだ1歳でしょ? 航空学校が「日本軍のスパイの策謀」によって破壊された後、生徒たちは上海に移って訓練を続けるが、中華民国空軍将校の室内には、蒋介石のご真影が恭しく架けられている……いや、孫文はまだ存命中でしょ?
かくして、過酷な訓練を遂げた韓国空軍予科練生に課せられた使命とは……東京に飛んで皇居を空爆することなのだ!!
上海から東京までジェニーで飛べる距離なのか!? よしんば飛んで行けたとして、皇居爆撃したら韓国独立できるのか!?
本作はイ・インス監督の抗日戦争映画第2弾で、前作は『ハン・ギルス』という作品らしい。なんと太平洋戦争開戦前夜、日本の真珠湾攻撃計画を事前に察知し、米国に伝えて勝利に導いたという、これも「実話」らしい。すげー、見てみたい!!
※本稿の作成に当たり以下のサイトを参考にしました。
http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/iinsu_aozora.html
http://blogs.yahoo.co.jp/illuminann/5617128.html
いや、青春映画としては決して悪い出来ではないのだが……。
1919年3月1日、日本に併合されていた当時の朝鮮半島で大規模な独立運動が起こるが鎮圧。後に韓国初代大統領となる李承晩らは、中国・上海に「大韓民国臨時政府」の樹立を宣言した。彼らは在米韓国人の資金的協力を得て、1920年、米国カリフォルニア州に「世界最初」の航空学校である「ウィロウズ航空学校」を設立、有望な韓国人青年を集め韓国独立を目指して空軍戦闘機パイロットの育成を始めるのだった。
いやー、東宝『青島要塞爆撃命令』にも似た戦争ファンタジーだなー、と思っていたら、これ、「実話」の映画化なんだそうである。え? 航空学校も韓国が発祥なの?
クセのある若者たちは女性教官に反発するも、やがて打ち解けあって民族独立を目指し、苛烈な訓練を耐え抜く。祖国を失った彼らに、当初は「韓国なんて国は存在しないよ」と冷淡だったアメリカ人も理解を強め、ついに彼らはカーチス・ライト社から練習機を購入することに成功する。
だが、日本がそれを静観するはずもない。彼らが熟練し一流のパイロットとして成長すれば、朝鮮半島での植民地政策にも影響を及ぼすと考えた日本は、航空学校にスパイを送り込み、様々な妨害と破壊活動を加えるのだ。
登場する複葉機は恐らくカーチスJN-4、通称「ジェニー」と呼ばれる機体だと思われる。飛行シーンは全てCGで描かれるのだが、一般的な航空アクションのアルゴリズムでデータをジェニーに置き換えただけのようで、複葉機にしてはあり得ないスピードと運動性能で飛びまわる。兵器関連詳しくないのでツッコミどころが間違っていたなら申し訳ないが、敵機の追撃を振り切るために、太陽に向けて垂直上昇するなんて芸当が当寺の複葉機に可能だったんだろうか。
小道具類も奇怪で、この航空学校の部屋の壁には『撃墜王 アフリカの星』のポスターが貼ってある。いや、それ、第二次大戦の話でしょ。主人公のハンス・ヨアヒム・マルセイユは1919年生まれだから、その時まだ1歳でしょ? 航空学校が「日本軍のスパイの策謀」によって破壊された後、生徒たちは上海に移って訓練を続けるが、中華民国空軍将校の室内には、蒋介石のご真影が恭しく架けられている……いや、孫文はまだ存命中でしょ?
かくして、過酷な訓練を遂げた韓国空軍予科練生に課せられた使命とは……東京に飛んで皇居を空爆することなのだ!!
上海から東京までジェニーで飛べる距離なのか!? よしんば飛んで行けたとして、皇居爆撃したら韓国独立できるのか!?
本作はイ・インス監督の抗日戦争映画第2弾で、前作は『ハン・ギルス』という作品らしい。なんと太平洋戦争開戦前夜、日本の真珠湾攻撃計画を事前に察知し、米国に伝えて勝利に導いたという、これも「実話」らしい。すげー、見てみたい!!
※本稿の作成に当たり以下のサイトを参考にしました。
http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/iinsu_aozora.html
http://blogs.yahoo.co.jp/illuminann/5617128.html
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