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今回は伊坂幸太郎『重力ピエロ』です。


『重力ピエロ』は第129回直木賞候補作品、第57回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作品、第1回本屋大賞ノミネート作品、2004年版このミステリーがすごい!第3位。


文庫本カバーから抜粋
『兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱いて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の軌跡が今ここに。』


伊坂幸太郎氏の作品を読むのは『オーデュボンの祈り』『ラッシュライフ』に続いて三作目になりますが、上記の二作とは趣が違いました。
上記の二作は、てんでばらばらな事象、人々が、実はひとつにつながっている、それが驚きのラストとなる、といった感じの作品でした。
一方、『重力ピエロ』は、兄・泉水の視点を通して、弟・春や家族を描いていく作品でした。

相変わらず文章は無駄がなく読みやすい。
その読みやすさが裏目に出て、登場人物が軽く見え、感情移入しにくいなぁと私は感じました。人の内面、心情を中心に描くには不向きな文体なのかなぁと思いました。
挿話の入れ方は好きでした。メインは放火事件なのですが、過去のエピソードが非常に多い。その過去がうまいこと、今に絡んでいます。そこにも無駄はないように思えます。
謎解きとしてはまあまあです。グラフィティアートと遺伝子のルールのリンクは面白かったです。

心惹かれる題名と著者に期待しすぎた感があり満足度はそんなに高くはないのですが、著者がこの作品に込めた思い、伝えたいことは感動的なものであったと思います。まあ、その思いを全て読み取れたかはわかりませんが。

読んで損はないです!

伊坂幸太郎の人気作はこちら。


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