ダイオウホウズキイカ突然“海のモンスター”といわれても、何のことだろうか?と考えさせられる・・・。国によって、時代によって、文化によって“モンスター”は世界中様々なのである。日本で言う“オバケ”を例に挙げてもそうだが、所変われば恐いものも変わってくる。ケアンズ在住の若いオージーに聞いてみると、子供の頃、最も恐れていたモンスターは“ブギマン”だったという・・・。どうやら夜遅くまで寝ずに悪さをする子供を袋に入れて持ち去るらしい・・・。もちろん、親が子供を早く寝かすための作り話に他ならないのだが実に面白い。僕が子供の頃は“海のモンスター”といえば海坊主(うみぼうず)や巨大タコだったような気がする。もちろんバビル2世のポセイドンも迫力ものだったが・・・。海を泳いでいる最中にそれらの存在を意識して恐ろしくなった覚えもある。これら、ちょっぴり恐いが興味深い、未知なる水中生物の存在にはゾクゾク感を覚える。現在に至っても子供の頃と変わらず僕の好奇心を大いに煽ってくれるモンスターたちが存在する。体長30m、150tを超えるシロナガスクジラ、驚くほど大きな口を持った深海性のサメ(メガマウスシャーク)、体長18m、1000kgを超すダイオウイカなどだ・・・。子供の頃と違い、現在のモンスターは実際に存在するが自分の肉眼で見ていない巨大生物に限定される。特に最近興味深いのは巨大イカの存在だ。海の魔物クラーケンとしてノルウェーやアイスランドで伝承されてきた怪物の正体があばかれてしまったような気持ちだ。これらダイオウイカ(英名:Giant Squid)は水深200m〜1000mの深海に生息するので生きた状態で目撃される例が少なく、生態はまだまだ謎に包まれている。2006年に初めて生きたダイオウイカが小笠原諸島近くで釣り上げられる映像が記録されたが3.5m、50kgと大きい固体ではなかった。大深度潜水が可能なマッコウクジラがダイオウイカを食すことは有名だが、クジラの皮膚に残ったイカの吸盤による傷跡から20mを超すものも存在するはずだ・・・。実際に陸揚げされた9.7mのダイオウイカで直径32mmの吸盤を持っていたが、クジラの身体からは130mmを超える吸盤跡が確認されている事実に驚きを隠せない。一体どれほどのモンスターに成長するのだろうか??深海への憧れは膨らむばかりだ・・・。また、数年前にはダイオウイカ以上の成長を予想させるダイオウホウズキイカ(Colossal Squid)の生きた映像がニュージーランドのロス海(南極にある湾)からレポートされた。このイカは10m、450kgだったがまだ成長段階にあることが研究グループらにより確認されている。果たしてダイオウイカを超えるのだろうか・・・。更なるレポートが恐くもあり楽しみでもある。