2006年03月01日
幸せ
○小さな人が困った顔をしていた、きっと困っていたと思う
○ケチャップでしょうかマヨネーズでしょうか幸せにいつも足りないのは
○君と手を繋ぎ星空を眺めていた一面のペンギン畑
○自転車に乗って会いに行った君がつまらなそうに犬を蹴ってた
○おろしたての服を着たあの日はいったい何の幸せだったろう
○屋根の上でずっと歌っていようか馬鹿みたいに死んでもいいから
○救急車の真似をしながらこぐブランコが私たちは好きだった
幻の獣
パンパカパーン
重大発表決定!
バカ男の考案した幻の獣についてしゃべっちゃいます
頭はシマウマ!おおっ!
身体はペンギン!ステキ!
右のハサミはカニ!
左のハサミはエビ!いけてる!
後脚はモザイク!ゴージャス!
しっぽは高木さん!ローテーション!
せっかく考案したので
ベランダで飼ってます
今一番の悩みごとは
バカ男の家にはベランダが無いことです
二足歩行
○もう大人になった気がして二本足で立つことにした誕生日
○「生命線を持って生まれたかった」スクラップされていくロボット
○大福だと思って食べたら素甘だったという悲しみを背負う
○正解者はいません、答えは首が短いキリンの物真似です
○眠たい眼をこすると昨日見た記号たちがこぼれだして苦しい
○家から駅までは歩きます。時々間違えて息をしてません。
○大好きな砂をいっぱい買ってきたのにすべてが風で飛ばされた
○あんなにたくさん矢印を書いてどこに行くつもりだったんだろう
2005年05月18日
仮眠
あーあ、よく寝た
と思って久しぶりに目を開けたら
時計が寝たときと同じ時間だったよ
ええっ!何時間寝てたの?
しかも日めくりカレンダーを見たら
同じ日付のままなんだよー
もしかして寝てないってこと?
それにしてもお腹すいたあ
ああっ!
カピバラとオウムのピー君と
何だかわからないポー君が大変なことに!
ごめーん、冷蔵庫の開け方教えてなかった!
みんなでご飯にしよ
飛翔
○ガソリンスタンドで働く父のために埠頭で釣りをする母
○サンドウィッチにはさまれたクラゲがただ干からびていくのを待ってる
○ヒツジの皮を被ったケダモノだが牙はすでに抜かれてしまった
○大胆なご提案です、表札の無い家をつくってみませんか
○口からはもう言葉しか出ない。言葉はいつも口からしか出ない。
○青い絵ばかり描いていた日、本当は青くない絵が描きたかった
○「このタクシーはどこに行くんでしょうか」不安げに運転手は言った
○翼から背中がはえている悲しみ。だから鳥は空を飛べない。
2005年04月12日
ファミリー
○風呂上りの一杯がうまいと言った父は二度と出てこなかった
○キリンが大量発生した日は知らないものに名前を書いてた
○「呆気なく過ぎ去っていく春」と落書きされた犬が可哀想に
○ただ泣きたいくらいに犬でした。夏には舌しか出せませんでした。
○白いカーネーションを買ってきたのに笑って「ありがとう」を言う母
○メガネをかけてる人二名、かけてない人二名、その他が一名
○窓がわに座ると僕はいつも子供。また暗い目で外を見てる。
○心臓のすぐ左側、ファミリーを乗せた列車が通過していく
2005年04月10日
返事
どうしたんですかあ?
返事がない
どうかしましたかあ?
やっぱり返事はない
道の真ん中にうずくまっている人がいたから
バカ男は声をかけたんだけれど
きちんと見たら大きな岩だったよ
きっと岩が淋しそうだったから
人に見えちゃったんだねー
どうしたら岩が淋しくなくなるか考えてたら
こんなところに岩置いたのは誰だよお
って怒ってる人がいた
淋しい人はよくそう言われるね
2005年04月06日
言葉
バカ男、お腹すいたー
お腹すいたよお
バカ男、お腹すいたってばー
お腹すいたよお
ええっと、誤解のないように言うと
二回目と四回目は
オウムのピー君が言いました
ピー君は他に言葉を知らないから
お腹がすいてなくても
お腹すいたよお、と言うくせがあります
ああ、それにしてもお腹すいたあ、ピー君食べたいよお
今のはポー君です
2005年04月03日
優しい仕事
おおきく、おっきーく息を吸い込んで
ぷうーーーーーうってはき出す
空気がゆれて
それがすずしい風になって
暑くて困っている人のところに
どうか届きますように
もし、別れを言う相手がいなかったら
代わりにバカ男が手を振ってあげる
バカ男、もっともっと
優しい屋さんになりたいなー
でも、まだ何かぶらさがってる
春と呼ぶにはまだ早い日
○大声で花粉症の話をするおとなになどなりたくなかった
○雑踏でふと耳をすます。どれが僕の足音かわからなくなる。
○工事の人が標識と同じ格好になった。さっき一瞬。
○ゾウにゴリラの名前をつけてしまったと飼育員が悔やむ夕暮れ
○「戦後」っていつが基準なんだよ終わらない戦争ばかりかかえて
○小さなつぶやきでも集まれば叫びとなる。今日もつぶやけ、僕ら。
○オウムに僕の名を教えた祖母はもうそれしか言わなくなってた
○あと何度「春」と言って死んでいくのか、春と呼ぶにはまだ早い日
2005年03月30日
2005年03月28日
練習
交差点で突然立ち止まるバカ男
交差点で突然立ち止まる練習中
そしてまた走り出すバカ男
そしてまた走り出す練習中
ゼイゼイと息を切らすバカ男
ゼイゼイと息を切らす練習中
練習なのに妙に苦しいなー
次の交差点が本番なんだけどなー
2005年03月25日
誕生(短歌)
○楽しいショーの始まりだ!と言いながら僕らは産まれてきたはずだ
○僕に名前が無かったころ、魂は行き先を欲してなかった
○たくさんの人、たくさんの名前、溺れそうになって君の名を呼ぶ
○喉がいがらっぽくて睨んでしまう。五十嵐君のせいじゃないのに。
○「海が見たい」と泣く君を連れて回転寿司へ「さあ、これがウニだよ」
○冷蔵庫の背中温かいね、このままずっと二人でいようね、
○運転手だった父を運転手の僕がおんぶする長い廊下
○火葬場できれいだと思った人が今、僕の子を産もうとしている
2005年03月24日
2005年03月23日
妹(粘土)
妹はいろいろなものに形を変えることができる
うらやむ人もいるけど
はたしてそれっていいこと?
そして最後は文句も言わずに
また四角い箱の中に四角く収まる
それっていいこと?
形を変えているのはいつもバカ男だね
本当はバカ男、もっといい人になりたい
妹は草原に住む動物になって
静かに何も言わない
それでも耳をすませば
幸せの形はいつかみんなで作ろうね
って声がする
2005年03月19日
兄さん(観覧車の置物)
兄さんは無口だけど
冗談が得意
風が吹くとカララと音をたてて
少し回る
その度にバカ男はゴンドラの中
一番高いところから
きれいな景色を見ている
風が吹かないときにバカ男が指で回すと
ゴンドラには家族みんなが乗ってる
それもやっぱり兄さんの得意な冗談
面白いな
笑っちゃうな
なんか透明になっていく感じ
2005年03月18日
母さん(赤色エンピツ)
色エンピツのセットを開けると
母さんはいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さんに手紙を書いたことがあるんだよお
出さなかったけどねー
何を書いたのか忘れちゃった
忘れちゃったってことはさあ
きっとどうでもいいことだったんだろうねー
一度母さんを使って
真っ赤な夕焼けを描いてみたいな
そうしたら黒い色で
バカ男と母さんの影を書くんだけどな
バカ男短歌
○モズクガニのことを考えながらパスタを食べる深夜のデニーズ
○明日の朝何を食べようか、と手をつなぎ 春の屋上からダイブする
○バスに乗り行ける所の限界は終点までと終点で気づく
○円周率何ケタ言えるか競い合ったマコトが今朝捕まった
○顔は覚えてるが名前を思い出せない。僕は誰かのそんな人
○いろいろなものが落ちていった日それらをすべて夕陽と名づけた
○二人の距離が離れていくのは何かに比例してるからなのだろう
○空の一番高いところで溺死したよ。まだまだ子供だったね。
○明日の朝何を食べようか、と手をつなぎ 春の屋上からダイブする
○バスに乗り行ける所の限界は終点までと終点で気づく
○円周率何ケタ言えるか競い合ったマコトが今朝捕まった
○顔は覚えてるが名前を思い出せない。僕は誰かのそんな人
○いろいろなものが落ちていった日それらをすべて夕陽と名づけた
○二人の距離が離れていくのは何かに比例してるからなのだろう
○空の一番高いところで溺死したよ。まだまだ子供だったね。
2005年03月16日
父さん(ペットボトル)
父さんと二人で散歩に行く
父さんに水を入れると
喜んで太陽の光にキラキラしている
河原の土手で一休み
河川敷では子供たちが野球をしている
ねー、父さん、
バカ男は父さんとキャッチボールをするのが夢なんだよー
帰り道、父さんは軽くなってた
もちろんバカ男が中身を飲んだから