ツンデレblog

淡路島の弁護士が考えたこと

August 2014

 お待たせ。大阪高裁平成17年1月25日判決(井垣敏生、高山浩平、大島雅弘)。

 記録読み返しているうちに、怒りが何度も何度もこみ上げてきて…

 事件は山林の境界争い。境界確定訴訟。道路の敷設が計画されたため、利にさとい原告が被告の土地を「オレのものだ」と訴えた事件(あくまでツンデレへの依頼者である被告の見方)。

 原告地と被告地(どちらがツンデレ側か分かりやすいように「ツンデレ地」と言います)は、かつて行政区画を異にする土地で、要するに、かつてのなんとか村とかんとか村の村境がどこが問題となった事件であった。
 こういうとかつての村境なんだから簡単に分かるだろと思いがちなんだが、合併したのは何十年も昔で、当時の村境を明確に示す測量した図面が出てこなかったんだよ。
 当然、公図も原告地の載った公図と、ツンデレ地の載った公図とに分かれていて、その間に何があったのかは明確ではなかった。
公図0001












         
現況図面(赤の農道が原告主張の境界)  原告の主張は農道が境界だというもの。 
現況図面-0001









測量図(原告作成)
原告測量図






測量図(被告作成) 黄色い線で囲まれた範囲がツンデレ地であると主張
ツンデレ測量図-0001








 で、一審はツンデレ敗訴。これについては被告本人の説明にやや不十分な点があったし、それなりにやむを得ないかなと思っている。そこで控訴審は、本人の供述に頼らず、文献資料のみからの客観的な観点からの立証を目指した(境界確定訴訟は、明治期に定まった境界がどこかを探る裁判だから、それから100年経った現代人の話なんか聞いても仕方ないと、ツンデレは今でも思っている。)。
 具体的には、「隣地」に着目したわけだ。この土地は、ツンデレ地と同じ公図に載っていて、ツンデレ地と同じ村に属していた土地である。ということは、「隣地」と原告地との境界標は、原告地と被告地の境界標でもあるはずじゃないかと考えた。一審は、原告地とツンデレ地との境界を直接立証しようとこだわりすぎて失敗したという反省である。

 測量はしなかったが、測量図に水路の位置を書き込んだ図面
測量図(水路)






 水路の形と原告が境界だと主張する農道が作るタコの触手のような形が、公図の「隣地」の形に似ているでしょ。
 これに対する原告(被控訴人)の反論は、この水路は明治期以降にできたものだから村境になり得ないというものであった。
 で、これに対する再反論は、公図上、隣地の西側には山林がある。しかし現在、農道の西側に山林はない。水路の西側には山林があるというもの。

反論-0001反論-0002



































 さて、判決はこれ(当然ツンデレの敗訴)

判決0001判決0002
























 本件水路のうち,別紙図面(3)のG75,G76,G77,G78,G79,G80,G81,G82の各点を結んだ付近の水路について,■は,原審証人尋問において,同近辺に設置されたコンクリート擁壁や水路は,田主(淡路島特有の水利組合)ないし水田'の耕作者から申し込まれ,被控訴人がこれを設置することを承諾した旨の証言をしている。
 一方,控訴人 は,本件水路が,上流(南方)にあるため池から下流にある水田に導水するためのものであって,これを田主が使用していることを認めている。しかしながら,G75,G76付近の水路の擁壁などは比較的近時に設置されたものであることがうかがわれる(乙5②,乙24①)にもかかわらず,控訴人 の原審供述中には,同部分の擁壁の設置に関する具体的供述がない。
 また,公図には本件水路が全く記載されていない(別紙図面(4), (5)参照)。
 上記(ア)認定の各事実からすれば,本件水路は,公図が作成された明治中期のころより後に田主の水利のために開削された可能性が高く,本件水路が境界確定の基準になるとは直ちには考え難い。

 さて、証拠をみてない人はなるほどそうかと思うのだろう。「なるほどね。水路が最近できたんなら仕方ない」と。
 ちなみに乙5②はこれ乙5②


















 では、証人■さんの原審での証人尋問調書を見ていただきましょうか。

 G75,G76のあたりに、コンクリートの固めたものが、コンクリート擁壁があるんですけれども。
   水路の擁壁やないですか。
これは知ってますか。
   知ってます。
これはいつごろできたものですか。
   それも水害のときに。これは水路を通すために。水路がめげたんで。水路の擁   壁です。
この擁壁は誰がつくったんですか。
   向こうの田主の人が負担金を出してもらったんです。
ここは誰の土地ですか。
   我々、原告の土地だと考えています。
原告の土地なのに、ほかの人が工事をしたんですか。
   いやその水路は原告に使用料を払って、現在でも使っています。せやから、そ   の水路の人がつくったんです。
原告に許可を得ましたか
   得ました。
 さて、あなたは、このやり取りを読んで、「水路が最近できた」と読めますか? さらに、この■証人、後ろの方で水路がいつできたかにも証言してるんですよ。

調書04












この水路は、いつごろできたものでしょうか。
   それは何年か何百年か、田んぼができた時分に、片方の谷の水を次の谷へ移    すために造った水路です。
これは、だれのつくった水路ですか。
   それは、こちら側にある、もともと向こうは原告の先祖が持っていた土地で、原    告の先祖がつくった水路です。

 さらに補足すると、この水路の水を使っている田んぼは、公図上も徳島藩が江戸時代につくった分間絵図でも田なんだよね。この水路が江戸時代にできていなかったら、今この水路の水使っている田はどこから水を引いていたのかって話。
 分間絵図
分間絵図0001







 ツンデレはもう17年くらい弁護士やってますけどね。証人の供述をねじ曲げて事実認定した判決って、後にも先にもこれっきりですわ。

 ついでに、判決理由の「G75,G76付近の水路の擁壁などは比較的近時に設置されたものであることがうかがわれる(乙5②,乙24①)にもかかわらず,控訴人 の原審供述中には,同部分の擁壁の設置に関する具体的供述がない。」の方ですけど、もう一度乙5②見てもらえますかね。あと乙24の①(擁壁の上の水路の状態を写したもの)

乙5②

乙24①


























 「控訴人 の原審供述中には,同部分の擁壁の設置に関する具体的供述がない。」っていうのは、擁壁の設置時期について聞かれて、控訴人(ツンデレの依頼者)が黙っちゃったことを指すんだけどさ、控訴人の一審段階での主張は、水路のコンクリート擁壁の根元が境界だという主張だったんだよね。控訴人にしてみれば、擁壁は自分の所有していない土地にあるものだっていう認識だったわけ。他人の土地の擁壁について説明できないことをその当事者の不利益な事情に当たると判断するのっておかしいんじゃない?いかにも無理矢理控訴人を敗訴させてるって感じがする(そもそも明治自体コンクリート擁壁があったはずはないし。)。

 もっとも、控訴審で控訴人は、水路が境界だという主張に変えたわけで、それからすれば擁壁はツンデレ地の一部だって話になるから、本来は新たに測量をやり直す必要はあったんだろうな。まあ、境界確定訴訟は形式的形成訴訟だから、厳密に言えば裁判所が勝手に測量しろという話になるかもだが…


 以上終わり。いやあ、この事件のこと思い出すのは本当に精神的にきつかった。記録見て、事件の内容を思い出すだけで血圧あがるあがる。なんでこんな判決書く無能がロースクールで教えてたりするのかなあ。ツンデレは、一日も早くいがきちがいがき,もとい,きちが…じゃなくて,イガキチ井垣が法曹界と関わりを持たなくなるようにと、毎日お星様に祈ってます(ウソ)。
 それからね、昔あった裁判官評価サイトなんかだとね、イガ吉の評価がわりと高かったりしたんだよ。ツンデレには不思議で仕方ないんだが、洞察力があるとか、記録をよく読むとか…。上の事件みたいに、到底勝てそうにない事件を勝たしてもらった弁護士からすると、事件のスジがよく分かってる裁判官とかいうことになるのかねえ。
 いがきちコートの他のメンバーにも触れましょうか。高山裁判官は平成21年3月30日に依願退官して現在羽曳野簡裁判事、大島裁判官は現在鳥取地家裁部総括だそうだ。どっちも出世していないようでなによりである。
 なお、一応、実質的非訟事件である形式的形成訴訟の判決に既判力があるかっていう論点があって、最近、なんとか村とかんとか村が合併する前の地図入手したんだよね(淡路島全体がA1くらいの大きさの地図なんで、そんなに境界線がピンポイントで特定できるってわけじゃないんだけど、もちろん、イガキチ判決の認定とは全く別のところが境界である。)。どうしたもんかなあ。うーん。 
awaji4












KAGEYAMA_140120

兵庫県淡路市釜口に放置されたままの「世界平和大観音像」の外壁の一部がはがれ落ち、穴が開いた状態になっていることが、分かった。10日に兵庫県内を縦断した台風11号の風雨が原因とみられるが、老朽化が著しいため、付近の住民らは観音像のコンクリート片の崩落などを心配している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140829-00000001-kobenext-l28  

こないだ当事務所の事務員が通りかかったとき、脇腹に穴が開いてるのを確認したそうだ(リンク先に画像あり)。

やれやれ
自分の利益にしか興味のない相続財産管理人、管理人任せで自らの権限をふるに行使して問題の解決を図ることに及び腰の行政(くず市長)、司法(他人事裁判官)。
いずれ円明園みたいに建築廃材のヤマになって、それでも誰も何もしないんだろうなあ。

空き家条例とか、行政がとれる手段はいくらでもあるのに
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks26/ju-so-kei/akiyataisaku.html

既存法令による対応01既存法令による対応02






















既存法令による対応02













既存法令による対応02





既存法令による対応02








もっともてっとり早いのは、固定資産評価を引き下げたうえで、滞納固定資産税に基づいて観音像や十重の塔を差押え公売にかけることである。今すぐなら入札者がいるのである。淡路市のバカ市長は、二言めには「うちには金がない金がない」と言って何もしないのが得意技だが、「淡路市にないのは金ではなくて智恵である」というのが、この問題に関わってきたツンデレの感想である。
日曜日に東浦に行く用事があるので、そのときに現地みてきます。


関連エントリ
旧東浦の観音像問題の解決には淡路市の決断が必要
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/30044486.html
淡路平和観音の固定資産税
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/37270272.html
6月20日の淡路島平和観音と十重の塔
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/38771342.html




KAGEYAMA_140120

 今日、午前中、なんか心臓が締め付けられるような違和感があった。先月救急車で運ばれたの質は同じだけど、程度がずっと軽い感じ。
 気になったので病院にいって検査してもらったら異常なしとのこと。ほっとした。
 先生から「ストレスはどうですか?」って聞かれたんで、退院して1か月はずっとのんびり仕事してますよと答えたんだが、今、夜になってから考えると、最近過去の不愉快な判決思い起こしてはむかついてるなあw

 今日も、ブログ書こうと思って、いがきちがいがき,もとい,きちが…じゃなくて,イガキチ井垣の最低判決の記録取り出したんだが、読み直しているうちに腹が立って腹が立って、冷静でいられなくなった。もう今日のうpは諦める。明日をお楽しみに。


KAGEYAMA_140120

昨日から、「あれ?地鳴りだ。」 直後にちゅどーん!(縦揺れ)
っていうのが続いていて怖い。昨日の昼間2個。昨夜2個。今日の早朝1個。昨日の夜のは飛び起きた。なんだか気持ち悪い。
とくにあの地鳴りが怖い。

大阪湾でM3.3の地震 洲本市などで震度2(25日 午後1時46分)
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/6/9/6979.html

大阪湾でM4.1の地震 洲本市などで震度3 (26日 午前3時42分ごろ)
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/6/9/6992.html


KAGEYAMA_140120

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