ツンデレblog

淡路島の弁護士が考えたこと

December 2015

 福岡市にある大手自動車メーカー系列の販売会社の派遣社員だった女性(20歳代)が、新入社員歓迎会の2次会でセクハラを受けたとして、同社と男性上司に約120万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、福岡地裁であった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151223-OYT1T50030.html
 判決によると、上司は2014年8月、女性を含む新入社員の歓迎会の2次会で、カラオケを一緒に歌うため店のカウンター前に女性を連れて行き、歌っている女性を突然抱え上げた。その際、スカートがずり上がった。
だ、そうなんだが、

これってセクハラなのか?

 こう書くと、「お前は女性の痛みが分からないのか?」とか言われそうだが、少なくともこの上司が賠償義務を負うこと自体には、ツンデレになんの疑問もない。
 どこに引っかかっているかといえば、ツンデレは、セクハラというのは、「地位を利用して性的な嫌がらせをすること」だと考えているからである。例えば、雇用主が、被用者に対して、「性的サービスをしないと解雇するぞ」と言って自分にサービスさせるような行為である。少なくともセクハラという言葉が社会に浸透しはじめたころは、「地位を利用する性的嫌がらせ」のみをセクハラと言っていたと思う。
 もともと「セクシャルハラスメント」という言葉は法律上の用語ではないから、厳密に定義する必要もない(ただし、男女雇用機会均等法11条1項には、
「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」
という条文がある。)。セクハラだと賠償が認められ、セクハラではないから賠償が認められないという関係にないのである。損害賠償が認められるかどうかは、「セクハラかどうか」で決まるのではなく、民法709条の要件を満たすかどうかによって決まる。もちろん、損害賠償が認められるものを「セクハラ」と定義すれば、「セクハラ」はすべて賠償が認められるものということになるが、それは定義によって一致させたにすぎず、「セクハラだから賠償が認められる」というようなものではない。あくまで「民法709条の要件が満たされたから賠償が認められる」のである(下図参照)。
sekuhara1















 むしろ、一般的には、「セクハラだけど賠償までは認められない」という分野があると考えるのが普通ではなかろうか?(セクハラに当たるけど賠償の認められないケースも、セクハラに当たらないけど賠償が認められるケースもある。)
sekuhara2











 いずれにせよ、セクハラをどういうふうに定義するかという言葉の問題であり、法律上の要件とは別個の問題である。
 この事件で「上司」は、被害者に対し、地位を利用して性的嫌がらせをしただろうか?もちろん、カラオケを一緒に歌うため店のカウンター前に被害者をを連れて行った行為には、「上司の命令」みたいなものがあった可能性がある。でも、「カラオケを一緒に歌うため店のカウンター前に被害者を連れて行った」だけだと、普通は損害賠償までは認められないよね。ツンデレがこれを「セクハラ」と呼ぶのに躊躇するのはそういうわけである。
 こういうのがツンデレの考えるセクハラ
 広島県教委は22日、膝に座らせるなど女子生徒5人に対しセクハラ行為を行ったとして、県東部の県立高校男性教諭(41)を同日付で停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。男性教諭は同日、依願退職した。
 県教委によると、男性教諭は今年6月から9月にかけて、顧問を務める運動部の女子生徒を自分の膝に座らせたり、マッサージを行ったりした。また、生徒がはいていた練習着のショートパンツの股下の長さを測ると称して、手で腹部や内ももを押さえたという。http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20151223k0000e040208000c.html
 ときどき、「これってセクハラに当たりますか?」っていう相談があるんだよね。最初の例に似た事案で、飲み会の帰り、タクシーに乗った瞬間、会社の同僚が乗り込んできてキスされたっていうのがあったんだが、そのときも、相談内容は「セクハラに当たりますか?」だった。セクハラかどうかだけなら、「地位利用がないからセクハラじゃありません」が答えになっちゃうんだが、相談者が聞きたいのはそういうことじゃないよね、普通。そういうわけで、「セクハラにあたるかどうかという質問ならセクハラではないと思いますが、不法行為は認められると思います。」というもってまわった回答になってしまうのである。

 むしろ、法律家からみて、上記の事案が法律的に興味深いのは、「上司の行為」について、会社の責任が認められたという点である。上司がやったんだんだから上司が責任を負えばいいじゃんというのが法律の原則的な考え方なのだが、例外的に不法行為を行った者の使用者(雇用主)が連帯責任を負う場合がある。その1つが民法715条の使用者責任というもので、同条の1条は、
 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
と定めている。
 会社の職務の執行にあたって、従業員が他人に損害を与えた場合は会社も責任を負いなさいってことで、くどくど説明しなくても、「そんなの当然だろ」と納得しやすい解決ではないかと思う(一般的には、他人を使って事業を行い利益を得ている者は、他人を使うことによって発生する危険も甘受すべきだという理屈に基づくものと説明されている。)。
 上記の事案は、「勤務時間終了後に職場外で行われた飲み会」だったから、「被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害」と言えるかどうかが問題になり得る事案であり、判決は、これについて、「歓迎会の2次会は職務と密接な関連性があるとして、会社にも使用者責任に基づく賠償責任があると判断した」と報道されている。
 ツンデレが相談を受けた会社の飲み会のように、完全な私生活上の行為とも言えないが、会社の職務執行中の行為とも断言しづらい、判断が微妙なケースも多い。そんな中で会社が認められたケースの1つとして今後の事件処理に参考になる判断だと思う。

KAGEYAMA_140120

 いささか旧聞だが
介護の受け皿「50万人」に拡大 27年度補正予算に必要経費を計上
https://news.minkabu.jp/articles/xh.sankei.co.jp/1/0/urn:newsml:xh.sankei.co.jp:20151126:a98069c4f7d63a82a8773238481edff4
 子育て支援では、定員が6人以上19人以下の小規模保育事業所への施設整備の補助拡充や、保育所整備に伴う騒音防止のための防音壁の設置費用も支援する。
 あれ?なんか応援したくなったぞw
 和解のチャンス到来?来年いっぱいが勝負か(レベッカとバービーは、ツンデレの青春時代だなあ。)


どこかで聞こえてる 子供の笑い声

うかつに動けない 手も出せない
見つめ合うだけの Face to Face

チャンス到来 露わになった
補助金にCheckmate


KAGEYAMA_140120

 報告が遅れましたが、12月15日に結審しました。判決言い渡しは、2月23日午後1時10分です(今後、その日にたまたま別件で神戸に用事でもできないかぎり、判決を聞きにいく予定はありません。だから書き初めに「勝訴」とか「不当判決」とか書いて、びろーんを作ったりもしません。)。

 今日うpするのは、原告が最後に提出した書面だけです。国は、とうとう最後まで、事実認定に関する具体的主張をしませんでした。「安藤裁判官の行為は適法な釈明だから、安藤裁判官の認識など議論する必要がない」と繰り返していただけです。最後に、かろうじて「安藤裁判官の釈明権行使の目的は、訴外新レイクの主張の趣旨が、本件損害賠償請求権の消滅時効の抗弁を主張する趣旨を含むものかどうか確認したものである」と言ってきましたが、それだけです(今回うpした書面の注2参照。それまでは、「訴外会社の上記主張の趣旨が,取引履歴不開示の時点までに発生していた消滅時効の主張との関係で不明確であると考えることが合理的であるといえるから釈明したんだ」としか主張してこなかったのです。「取引履歴不開示の時点までに発生していた消滅時効の主張との関係で不明確である」って、何がどう不明確なんだ?全然わからないぞ。はっきりしろと言い続けて、ようやく明らかにしたのです。これ最初から主張してくれていたら半年早く結審してましたね。)。
 ちなみに、安藤裁判官の質問に対して、訴外新レイク代理人が「不法行為の時期が明確ではないのではないか。」と返答したのに対し、さらに安藤裁判官が「取引履歴不開示に係る不法行為の時期について、ある程度特定が可能であるという趣旨の見解を述べたこと」については、さすがに適法な釈明であると突っぱねることはできなかったとみえて、「質問に対して法的見解を述べただけだから消滅時効の抗弁を主張するよう促したものではない」と言ってきています(被告第3準備書面5頁)。
 あんまり、ばからしいから、ツンデレは、国がそういうこと書いた準備書面を陳述した期日で、裁判所に対し、「裁判官の行為に対する国賠訴訟で違法性の有無をどういう基準で判断するかについて、原告と被告で主張が対立してますけど、裁判所はどう考えるんですか?」って聞いてやりました。裁判体のみなさん、きょとんとしてましたね、なんでそんなこと聞くの?って顔してた。だから、「だって、国の主張によれば法的見解を聞かれて答えてもなんら問題ないらしいですよ。」って。まあ最後は、「国が言ってるのはそういうことですのでよろしく」って終わりましたが。
 ちなみに、今回の国の代理人のうち、畦地喜公衣って人は裁判官からの出向なので(裁判中に苗字が変わった)、彼女が裁判官に戻ったら、「これはどう解釈するんですか?」って聞いたらいいと思います(なんて陰湿なオレw)。

img-Z16225040-0001img-Z16225040-0002img-Z16225040-0003img-Z16225040-0004img-Z16225040-0005img-Z16225040-0006












































































































































































これまでの経緯はこちら
裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/35902716.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!の続き
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/35976822.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(訴状完成)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/39692147.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(期日決まる)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/40138103.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(答弁書届く)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/40765761.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(準備書面来たる)  
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/41628140.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(第1回口頭弁論期日)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/41881235.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(かみ合わない議論)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/45342468.html

KAGEYAMA_140120

http://m-kondo.net/
top_poster














 フェイスブックでの知り合いが、このポスターをみて、「八王子では生活保護家庭の1世帯の年間支給額が500万円なのか、これが健康で文化的な最低限度の生活の基準だとしたら、自分は生まれてこのかた"健康で文化的な最低限の生活"をした事が無いってことになる」などと呟いていた。

 でも、これ、ここでいう1世帯ってのが何人家族なのか書かないと意味ないんじゃないの?極端な話、10人家族で500万じゃ生活できないだろう。
 そこで、八王子の生活保護費のことを調べてみると、次のサイトが見つかった。
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/korei_shogai/36237/049313.html
10376744_10206580709574155_407870077120595120_n














八王子市の平成24年の
生活保護費の支給金額は、20,773,000,000円
被保護世帯数(人)は、11,784人
被保護世帯数(世帯)は、8,145世帯
1世帯あたりの平均受給額は、20,773,000,000÷8,145=255万0399円
おや?
1人あたりの平均支給額は、20,773,000,000÷11,784≒176万2814円
あれ?
生活保護費1世帯500万円超/1年間(24年八王子実態)はどこ?

 まあ、天下の自民党の議員様が書いてらっしゃるんだから、そういう世帯もあるんでしょう(棒)。でもね、それは無職の両親と男の子二人の4人家族とかじゃなく、はなまるぴっぴなニートの6つ子でもいるような家庭であるとしか考えられない。
 そんな特殊な例を情報を隠したまま一般化して、生活保護世帯はずるいみたいなイメージを植え付けるのはどうなんですか?ツンデレは詐欺的なプロパガンダだと思いますよ。実際にフェイスブックでの知り合い(非法律家)はひっかってますからね。

孫引きですが、アドルフ・ヒットラー「わが闘争」より(第一巻第六章「戦時宣伝」は必読だそうだ。)
抽象観念など大衆にはほとんど無縁。彼らの反応はもっぱら感情の領域にある。……大衆をつかもうとするならば、まず彼らが心情の扉を開く鍵を知らねばならぬ。それは客観性などという微温湯的態度ではなく、力に裏付けられた決意によってなのだ。」「指導者たることは、則ち、大衆を動かしうるということ。」したがって、「有効なプロパガンダとは、少数ステロ的な文句でよいから、……ただこれを絶えず反復し」、大衆の脳裏に深く刻みこまなければならない。
これのことかあ!
これのことだろ!  

ちなみに、上記のポスターについての近藤都議の説明
http://m-kondo.net/poster-setsumei.html
sennkyoposte
















「いくら複数人数の家庭だからと言っても、国基準による計算方法は甘いと思います。」だってさ。世帯の人数が何人であっても1世帯に500万円は多すぎるってことなのかしらん?
 この人は、生活保護という制度がなんのために設けられたか理解してないんじゃないですかね。路上に餓死者が転がり、生活苦からの犯罪が多発する治安の悪い社会を目指してはるんですか?

KAGEYAMA_140120

 「神戸地方裁判所との「民事実務に関する懇談会」開催について」で触れた懇談会で、「民事訴訟規則では、尋問事項を具体的に書けと書いてあるんだけど(107条2項)、実務だと、項目しか書いてないものも多い。この辺り、裁判所はどのくらい読んでるのか」という質問をしたところ、第4民事部の和久田部長から参考書式をもらった。陳述書と一緒に出すなら、そんなに具体的に書かなくてもいいそうだ。
証拠-0001証拠-0002証拠-0003























































































KAGEYAMA_140120

このページのトップヘ