神戸地裁洲本支部平成19年10月30日判決。
 有限会社である貸金業者及びその取締役に対し、出資法違反の貸付けを行い、支払をさせたことついて損害賠償責任が認められた事例(末尾に画像あり)

  この判決、貸金業を営む有限会社の取締役の対第三者責任認めただけでなく、故意の不法行為をやった者が過失相殺を主張するのは許されないとか、今見るとなかなかいいこと言ってるなあ。

 さて、ここで注目していただきたいのは、不法行為請求は否定されている保証書騙取の事案である。
    ことの起こりは、淡路島の地場のヤミ金業者(ツンデレに弁護士になって初めての懲戒請求をしてくれたお方である。)に家をとられたという人(以下、「家とられ事件原告」という。)の相談を受けたことであった。それでいろいろ調べているうちに、家とられ事件原告のヤミ金様への移転登記が保証書によって行われていることがわかった。保証書というのは、登記済証(いわゆる権利証)を失った者が他者に登記を移転するとき、登記の移転する者が登記名義人と同一であることを保証するという書面である。従って、当然に、保証書は、登記名義人を知らない者が作成するようなものではない。ところが、家とられ事件原告は、保証書を提出した者など知らないという。
 まず、家とられ事件原告の登記申請書に記載された携帯電話番号に連絡して事情を聞くと、この人は、Nという人に雇われていた人で、Nに言われて法務局に行ったことが分かった(法務局から登記手続に関して連絡するときのため、申請書に司法書士等手続に関しての連絡先を書くことが多い。登記申請書にNの関与は全く表れていない。)。Nは、税理士ではないが、洲本市内某所で記帳代行をしているとのことであった。家とられ事件原告に話を聞くと、ヤミ金様に、この記帳代行事務所に連れて行かれていろいろ書類に署名したり捺印したりしたことがあったとのこと。
 次に、ツンデレが保証書の作成者に連絡をとると、保証書を提出した者の一人めは、デイリー信販という貸金業者からお金を借りたとき、いろんな書類に署名したり捺印したと言う。これが上記判決の原告である(以下、「デイリー信販事件原告」という。)。
 そして、保証書の作成者二人めは、Nに記帳代行を頼んだ会社の従業員で、Nに、必要だと言われて実印を預けたことがあるとの話であった。
 ここで家とられ事件原告がヤミ金様に対して、家を返せ、損害賠償しろという訴訟になるわけだが、これについては、一審で負け、高裁で屈辱的な和解をしたので詳しくは書けない。
 この訴訟の中で移転登記に関与したということで、Nも被告に加えたのだが、そこでのNの言い分は、デイリー信販事件判決18頁に出てくる、「被告Kに保証人になってくれる人について相談したところ、原告を紹介されたので、本件保証書の用紙を被告Kに預けた。」というものだった(判決に「証人尋問の中で」って書いてあるな。Nは被告じゃなかったのかな。よく覚えてないや。調べるのめんどい。)。
 ちなみに、Nは、元司法書士事務所の職員で、淡路島の司法書士の間では非司法書士活動をしている者として名が知られているとのことだった。Nは「無料でやっている」と言い張っており、報酬を受けた証拠がないから、問題にできないんだとのこと。
 このような状況で、デイリー信販事件原告の依頼を受けて、デイリー信販事件の提訴となった。保証書騙取関係の請求原因は、要するに、デイリー信販事件原告が、デイリー信販の当時の代表者である被告Kに保証書を騙し取られたというもので、後記の判決のとおりの認定になったわけである。被告Kは、「自分がデイリー信販事件原告に保証書を書かせたのではない。Nに頼まれて、デイリー信販事件原告の実印を預かり、Nに渡しただけだ。」と弁明しているが(判決18頁)、他人の実印を知り合いに頼まれて渡す行為も十分性質(タチ)悪いと思うぞ。
 ここから分かることは、家とられ事件のヤミ金様も、デイリー信販の取締役KもNの知り合いで、ヤバイ筋の登記をNに頼んでいること、主導したのが誰かははっきりしないが、Nを経由してデイリー信販事件原告の保証書が家とられ事件の登記手続に流用されていることである。ちなみに、提訴の少し前、デイリー信販の取締役Kは、出資法違反(高利)で逮捕されたことがあった(判決の9頁に、「本件告訴時点において、被告Kは洲本警察署に勾留中であったから、事情聴取に際し交通費が発生することはない。」という記述がある。)。
 どう思います?
 家とられ事件のヤミ金様とかデイリー信販とか、淡路島のヤバイ筋の登記手続は、全部Nのところに集まっているんじゃないのか?と、ツンデレには思えてならない。淡路島のブラックネットワークというべきだろう。今でもNは同じ場所で記帳代行を続けている。
 最後に、気持ち悪いこと2つ。
 1つめ。家とられ事件のヤミ金様の代理人弁護士は、とある弁護士会の多重債務関係の委員会の委員長で、後にその会の会長になり、数年前、日弁連の副会長であった。

 2つめ。デイリー信販の取締役Kは、現在、弁護士を得意先とする仕事をする会社の社長をしている。ツンデレは、こういう人間が社長をする業者は利用しない方がいいと思う。かつての顧客であった弁護士との間で揉めているとも聞く。

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