あえて保育園を擁護しないで触れた騒音裁判がマスコミで報道されました。
保育園児の声は騒音? 近隣住民の1人が提訴 神戸
http://www.asahi.com/articles/ASG936T45G93PIHB02Q.html

<騒音>「保育園の声うるさい」近所の男性が提訴 神戸
http://mainichi.jp/select/news/20140906k0000m040059000c.html
 これを受けたときは、単なる日弁連ご推薦のご近所トラブルの一つくらいの感じで、「きっちり数値も測ってるしな」って感じで、あんまり深く考えることもなく依頼をうけることにしたんだけど、保育園・幼稚園なんかの騒音問題って、結構大きな社会問題になってるんだね。第1回期日前に朝日新聞の記者さんから連絡もらったのにも驚いたけど、毎日が後追いしたことや、2ちゃんとかツィッターとかで結構取り上げられてるのを見て、渦中の一人として驚いております。しかも先行事例で判決に至ったのがないので、一番最初に判決に至ったら今後起こされる事件(社会問題になってるってことは原告予備軍がいっぱいいるってことだよね。)のリーディングケースになりそうで、ちょっと不安でちょっと誇らしい、そんな感じです。

 この問題に対するツンデレの意見は、前のエントリに書いたのと変わっていません。
 ツンデレは敢えて保育園を非難する側に回ろうと思う。感情論で保育園を擁護する人たちは考え違いをしている。小宮山氏の議論は、はっきりいって、近視眼的というか、視野が狭いというか、そういう感じがする。
 問題は、子どもvs近隣住民ではない。子どもを監督する者vs近隣住民である。
 ただ、その後の電車内でのたとえ話はおかしいのではないかとの指摘を受けました。電車内は子どもがおとなしくしているべきところだけれども、保育園・幼稚園で子どもがおとなしくしていなければならないのは不自然であるというものです。これは全くもっともなご意見で、ツンデレのたとえが悪かったと素直に認めます。
 しかし、やはり「問題は子どもを監督する者vs近隣住民である。」という点に変更はありません。この事件でも、原告が求めているのは、あくまで防音対策です。子どもに対し、「奇声を発するな」「黙れ」などと言っているわけではありません。子どもが騒ぐのは当たり前です。自由に騒いでください。ただ、保育園は、騒ぐ声が近隣に迷惑をかけないような設備をすべきであると言っているのです。
 ネットでは騒音対策のほか損害賠償をも求めていることから、「結局は金目でしょ。」と見るむきもありますが、そうではありません。100万円という請求額は、弁護士費用や訴状に添付する印紙代、騒音測定のために購入した器械の代金などを考えると、全くもとがとれないものです。むしろ、一部でも金銭請求が認められれば、本件原告に追随する者が増え、結果的に保育園が賠償するより防音設備を設置した方がいいという判断に至るのではないかということを期待したものです(もっと言えばそういうことがあるから金銭請求もしましょうとツンデレが提案したものです。)。

 あと、ネットで言われていることについて、はっきりさせておいた方が議論が紛糾しないで済むと思うことを、明らかにできる範囲で明らかにしておきます。
1 原告は保育園ができる前から今の住居に暮らしていた方です。保育園ができてから越し てきた方ではありません。
2 保育園は計画の段階で7回ほど説明会を開きました。そのたびに原告ら住民は騒音対  策を訴えてきましたが、保育園はとうとう具体的な案を出しませんでした。しかも、説明会
 の途中で出てきた他の保育園の計測結果で、計画通り保育園を設置すると、隣地境界で 70dbを超える音が外に漏れることが分かっていました。
3 近隣住民への、結局は最後となった説明会の後、保育園は、原告に「主として費用の問 題で、北側にだけ3mの防音壁をつける。それで納得できないのなら裁判でも調停でもし  て
くれ」といって、工事を強行しました。
4 保育園ができた後、原告は調停を申し立てましたが、保育園の代理人は、原告本人とだ けでなく町内会と協議するから調停は不調にしてくれと調停委員に言い、それを聞いた調
 停委員は、原告の「調停しろというから調停したのに」という反論を無視して不調に終わら せてしまいました。
  そして、調停が不調に終わった後、保育園から町内会への騒音問題に対する協議の申  し入れがなされることはありませんでした。
5 そこで、原告は、保育園に対し、FAX、手紙、立て看板などで抗議し、話し合いを求めた のですが、保育園は原告に対し、仮処分の申立てをしてきました。
6 その後、原告は、やむなく行政機関や市会議員などに相談しましたが、結局解決の道を  発見することはできませんでした。
7 また、これらの活動に対して、近隣住民から、「保育園に反対するなんて頭がおかしいの ではないか」といった心ない言葉をかけられることもありました。こういうこともあって、近隣 住民の中で表立って騒音問題を口にする者が減っていきました。
8 原告は、騒音を避けるため、昼間でも窓を閉めて生活することなり、それがストレスにな ると言っています。

 この問題を考えようとするとき、みなさんに頭にいれておいてほしいことは以上です。実は、上記のような事柄は、昨日、第一回の口頭弁論の際、原告が口頭で意見を述べたことです。朝日新聞は法廷で取材しているので、記事中に、「原告の70代男性は、保育園の開園前からの住民で、「自由に窓を開けられる以前の生活環境を取り戻したい。親には心地よい声も毎日聞かされる他人には苦痛です」と意見を述べた。」と書いてあります。これに対して毎日新聞は、記者が法廷におらず、ツンデレが神戸から帰ってきた後、「朝日新聞の夕刊にこういう記事が載ってるんだけど」と電話をかけてきて、朝日新聞の記事の内容を確認しただけで電話を切りました。ですから意見のことは書いておらず、「全ての住民に100%良い環境などあり得ない。お互い譲れるところは譲り、気遣いや思いやりを持つ努力が必要ではないか」などという、ツンデレに言わせると事情も知らない無責任な学者の声を載せているのでしょう。原告の意見としては、これまで一方的に我慢を重ねて来たのは原告です。


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