先週の神戸地裁本庁への出張のときの暇つぶし用に買ったビッグコミックオリジナル増刊号 戦後70周年増刊号。これはすごいわ。
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 憲法を変えたい人たちに対する当てこすりや戦争の残虐シーンを誇張する反戦マンガもあったが、それらより、戦争の理不尽を描くドラマの方が腹に応えた。
 いくつか心に残ったものの紹介と感想。

水木しげる[人間玉]
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 もう流石としか言えません。やっぱり体験者は違う。こういう切り口は初めて見ました。戦闘シーンもなく、上官の理不尽な暴力の描写もないのに、戦争ってめちゃくちゃだなと思わせます。


さそうあきら[奈々子戦記]
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   現代の普通の女子高生が、普通の生活の中で突然直面する戦争や在日の問題。こういうのは、ネットで自らアクセスしなくても目の前に現れるもんなんだな、身近な問題なんだなと気付かせてくれるマンガ。

比嘉慂[砂の剣]
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 太平洋戦争末期の沖縄の離島(渡嘉敷村の前島)の物語。兵隊のいない島に40人ほどの小隊が「この島の防衛のため」にやってきた。
 分校の先生のセリフ「兵がいて基地があれば…ここは攻撃目標になり…戦場になります。」「住民を守るということであれば、どうか兵の駐屯はおやめください、お願いします。」
 なお、太平洋戦争末期に沖縄諸島で発生した集団自決について記述した大江健三郎の書籍によって名誉を毀損されたという主張の当否が争われたいわゆる「沖縄ノート裁判」で、事実認定を行った一審(大阪地裁平成20年3月28日判時1999号3頁)、二審(大阪高裁平成20年10月31日判時2057号24頁)とも「沖縄で集団自決が発生したすべての場所に日本軍が駐屯しており,日本軍が駐屯しなかった渡嘉敷村の前島では集団自決が発生しなかったこと」を、日本軍の関与のもとで集団自決が起きたことを推認する根拠の一つとしている。
 まあいろいろな意見はあると思いますけどね、抑止論が唯一の採りうる選択ではないとツンデレは思っています。

竹熊健太郎・羽生生純[ほーむ・るーむ]
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 終戦まで軍国主義教育を施していた小学校に、文部大臣から「一週間以内に軍国主義を一掃し、あわせて民主主義教育を徹底すること」という命令が届いたことから起きるドタバタを描いたマンガ。それまで暴力で生徒を従わせていた男性教師は暴力を振るうのを自制するのに必死になり、それまで自分を押さえていた「アカ」の女教師は勝ち誇る。学校は混乱の渦に飲み込まれ、火災が起きたとき、それにどう対処するかまでホームルームで話し合い、多数決で決定しようとする始末。
 面白いけど、ここから「民主主義ってバカだな」っていう教訓を得るバカが現れないか心配である。問題は、民主的に決めるべきこととそうでないことの区別がきちんとついていないことなのだ。要するに知識(知恵)の問題であり、教育の問題なのである。


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