エディJAPANが帰国した。目標とした8強進出は逃したものの、南アからの歴史的1勝を含む3勝を挙げた功績は非常にすばらしいものであった。
 南ア戦の後、ラグビー日本代表に関する報道が目に見えて増え、30数年間寂しい思いをしてきたバブル世代のラグビーファンとしてとても嬉しく感じていた(ツンデレはにわか大歓迎です。みんなもっともっとラグビーの話をしてください。)。

 今回の成果は間違いなく、かつてワールドカップでオーストラリアを準優勝に導き、南アの優勝に貢献したエディ・ジョーンズヘッドコーチの功績である。しかし、残念ながら、エディはこのワールドカップを最後にJAPANのヘッドコーチの地位を去る。ツンデレとしては、またひ弱で、ざるディフェンスで、ボールをぽろぽろこぼすラグビー日本代表に戻ってしまうのではないかと心配でならない。
http://www.sanspo.com/rugby/news/20151013/jap15101318480016-n1.html
さらに19年に向けて、日本ラグビーが取り組むべきことにも言及した。エディーHCは「日本のラグビーは本領発揮できていないと常に思っている。日本には優秀な選手がたくさんいる」と一言。続けて「日本では高校、大学、トップリーグでも高いレベルでパフォーマンスする指導ができていない。規律を守らせるため、従順にさせるためだけに練習をしている。それでは勝てない」と、日本ラグビー界の問題を指摘した。エディーHCは陸上選手を引き合いに出し、「足の速い選手に中距離選手の練習をさせたら、彼のスピードは失われます。ウサイン・ボルトはマラソンランナーのような練習はしません」とし、「ラグビー選手を育てる練習をしないといけない。そうすることにより日本のラグビー界の層を厚くすることができる。すると競争力も上がり、優秀な選手が増えた結果、代表チームが強くなります」と、日本ラグビーを強化するための展望を述べた。
 そこで、エディの後任の監督(ヘッドコーチ)について、思うところを書いてみたい(なんの影響もないことを知りながら)。
 かつて、ツンデレは司法試験について次のように書いたことがある(不合格発表の思い出)。
 司法試験って、どの程度書けば合格になるのかわからないじゃない。そうすると、受験生って、目標をすごく高く設定するんだよね、あれ書いて、これ書いて、こういうふうに書いてって、言ってみれば、今話題の司法試験問題漏洩事件の100点満点答案。すべての答案でそういうの書こうと目標を設定しちゃう。設定するだけならいいけど、それが書けなければ合格できないんだって思ってしまう。これは辛いよ、不可能に挑戦しようとしているわけだから。
 実際の壁の頂上は、そんな何十メートルも高いところにあるわけじゃなくて、あと数センチ高く跳べば飛び越すことができたんだけどね。下からは壁の頂上がどこにあるかわからなかったんだよ。
 ワールドカップの8強進出って、そういうことじゃないかと想像している。日本人は誰も達成したことがないから、どの程度のレベルまでチームの能力を高めればいいのか分からない。エディはそれを知っていた。過去の経験から、日本チームに何が足りないのか、どこを強化すべきなのかを知っていた。だからそのとおり強化して、今回の結果を挙げることができた。

  まだ8強進出のレベルを知らない人間(日本人に限らない)だと、上記の司法試験の話のように、なんでもかんでもやみくも強化して、現実には存在しえないような、完璧なチームを目指してしまうのではなかろうか。たとえば、南ア戦の五郎丸のトライのように、相手チームがボールを持っている選手に触れることもできないようなパスワークやステップ。どんな巨漢選手相手でも一撃で倒してしまうタックル。すべてのプレイがそのようなチームなんて、マンガや映画の中にしか存在しないのに(「展開・接近・連続」はそういうものであり、それが最高のラグビー理論だなどと大まじめに言う者すらいる。にわかではないはずのオヤヂの中にも)。そんなものを目指したところで何百年たっても理想のチームは完成しないのである。
 言いたいことは以上である。そこから導かれる結論は一つしかない。

世界8強のレベルを知っているコーチを招いてください

 大学選手権を制する方法を知っているとか、トップリーグを制することができた程度の実績だけで監督を選ばないでください。ということである。よけいな一言を付け加えるならば、学閥の論理で「ソウメイズム(対抗戦至上主義)」の人間なんか絶対選ばないでくれ。甲子園の星の父親はやめてくれ。である。

エディーHC 退任理由は「日本の熱意不足」英紙に刺激的見出し
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/09/23/kiji/K20150923011188060.html
 ジョーンズHCが同紙の単独取材に応じ「スーパーラグビーのために身を粉にして働いたが、何もうまくいっていない。日本ラグビーには多くの問題があり、正しい方向に進むとは思えない。(このままの体制で)今のポジションを保てる自信がない」と打ち明けた。
エディHC、日本への復帰可能性を示唆 ラグビー
http://www.asahi.com/articles/ASHB930P1HB9KTQ2008.html
一方で、「日本がこれまでの古いやり方を続けるなら、進化はしないだろう。まさにそれが、私が日本を去る決断をした理由だ」とも述べ、19年W杯で好成績を残すには、日本国内の強化体制の見直しが必要だとの見解を示した。
嫌われたから、日本のラグビー変えられた エディHC
http://www.asahi.com/articles/ASHBB33CSHBBUTQP009.html
 12年の就任以来、ジョーンズHCはあつれきを恐れなかった。社会人のトップリーグの期間中でもハードな合宿を課し、「選手へのリスペクトがない」と憤る関係者がいた。若手の育成システムが十分でないと批判し、学生ラグビーを多く取り上げるメディアの姿勢にも疑問を呈した。「W杯で勝つことでしか、日本ラグビーは変えられない」という信念からだったが、反発もついて回った。


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