「先生のこれからに不安覚える」 弁護士が損害賠償求め
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170222-00000005-ibaraki-l08
「こんな訴訟活動をやっているようでは、先生が弁護士をやっていくことに不安を覚えますよ」。担当していた民事訴訟の中で、水戸地裁龍ケ崎支部の裁判官に侮辱されたとして、代理人を務める千葉県弁護士会所属の弁護士が、国を相手に110万円の損害賠償を求める訴訟を水戸地裁に起こしたことが21日、分かった。
 訴状によると、弁護士は、妻らの不貞行為に対する損害賠償を求めた民事訴訟で、夫側の代理人を担当。訴訟の争点整理のため昨年11月2日に開かれた弁論準備手続きで、妻側が別に起こしている離婚訴訟で出していた準備書面を証拠提出した。これに対し裁判官は「こんな主張は意味ないんですよ」「先生がこれからも弁護士をやっていくことに不安を覚えますよ」と誹謗(ひぼう)中傷し、弁護士が抗議すると「まあ可塑性がないってことですね」などとやゆした、としている。
 訴訟活動の質が低い仲間の登場であるw(「カゲヤマ弁護士の訴訟活動は質が低い」参照)
 記事だけから、この弁護士の活動が意味のあるものだったかどうかは判断しづらい。
 ただ、不貞慰謝料事件で、離婚事件の準備書面を証拠として提出するというのはわりとある話だ。不倫相手とされる者が不貞の事実を否認しているが、妻が離婚訴訟で認めていたら、そりゃあ、妻は認めているぞって証拠で出したくはなるだろう(繰り返すが、これがそういう証拠だったかどうかは分からない。)。「【最低最悪】矛盾判決【洲本支部長】 」の事件なんか、わざわざ裁判所の指示で、証拠を同じにしたぞ(家裁の人事訴訟(離婚訴訟)と地裁の民事訴訟だったんで併合できなかった。)。
 で、仮にこの弁護士の活動が意味ないものだったとしてもさ、問題は証拠の提出を拒んだことではないと思う。たしかに意味がない主張なら判決で意味がないと書けばいいだけの話で、制限する必要もないとは言える。ただその場合、その意味がない主張に対する反論やらそれに対する再反論で、その後に期日が浪費される可能性がある。争点と関係ない小さな小さな主張の違いとか訴訟の相手方に対する人格的非難や単なる罵倒なんかと同じで、法的に無意味な主張について、裁判所が、「それにこれについては法的に意味がないと考えるので今後はやめてください」と宣言することはいいことだと思う。あまりにもくだらないので反論の必要なしと黙殺していたのに、そこを理由にして敗訴するなんて悲しい話はいくらでもある。言われた側は理由になるかもしれないという不安があれば反論せざるをえない。宣言して調書に記載してもらえば、判決でそれを理由にすることはできなくなるから、主張を受けた相手方は安心して無視することができる。
 もちろん、一審の裁判官が「無意味」と考えたとしても、控訴審の裁判体が同じに考えるかどうかの保証はない。それで、「この点については判決の理由にしない」と宣言してものについては、宣言することによってそれを撤回できることにすればよいと思う。控訴審に限らず、一審であっても、裁判官の考えが変わった場合、宣言した裁判官が翻意した場合は、その段階で改めて主張立証をすればよいのである(宣言された方は、翻意させるための意見書を書くことになるだろう。)。
 そうすると、問題は、この裁判官は、提出された証拠について、「こんな主張意味ないんですよ」と言ったことではなく、「先生がこれからも弁護士をやっていくことに不安を覚えますよ」と誹謗(ひぼう)中傷し、弁護士が抗議すると「まあ可塑性がないってことですね」などとやゆしたことなのだろうと思う。これについては全く容認できない。日本の中でツンデレだけが国賠訴訟を起こした弁護士の気持ちが分かると言っても過言ではなかろう。地裁の支部って、どうしてこんなんばっかり赴任するんでしょうねえ。

 あとまあ、かなり蛇足ですが、水戸地裁竜ヶ崎支部で民事事件を担当している裁判官は2人しかいません。
水戸地方裁判所 龍ケ崎支部の担当裁判官一覧
係 裁判官 開廷曜日 法廷
民事1係 常盤紀之 毎週水曜 1,2
民事2係 諸岡慎介 毎週月曜 1,2
刑事係 諸岡慎介 毎週木曜 1
http://www.courts.go.jp/mito/saiban/tanto/tisai_tanto/index.html
 「可塑性がない 」っていう言い回しから、少年事件になれてる裁判官なのかなあというのと、かつて過払訴訟の判決でやけに辛辣な表現を使ったことがあること、それと去年の11月2日は水曜日であることから、常盤裁判官なんだろうなあと思っていますが、まあどうでもいいことです(同期で顔だけは知っている。下の事件はいろいろと結構細かく検討してて勉強熱心な感じは受けるんだけどねえ。)
 長崎地裁島原支判平成18年7月21日判例タイムズ1220号211頁
 さらに,原告は,①遅延損害金の算出においては,個々の分割金支払期限までの元本に対する利息額と,個々の分割金支払金額に対し遅延日数に応じた遅延損害金利率を乗じた額との合計にとどめるべきであり,元本に遅延損害金利率を乗じるべきではない,②債権者(被告)の意思解釈として,期限の利益を喪失することなく分割払が許容されている時点においてまでも分割金支払期限の徒過に対し遅延損害金を付する意思はないと解するのが合理的であるとして,分割金支払期限後に元本に対し遅延損害金の利率を乗じた金額を遅延損害金として請求できるとの被告の主張は失当である旨主張するが,原告被告間の契約書である乙2の1,乙6の1及び乙27の1によれば,遅延損害金の算出方法について「違約損害金=残元金×違約利率×支払経過日数÷365」と記載することにより,個々の分割金ではなく残元金を基準として遅延損害金を算出する旨明記されていること,利息制限法4条1項は,「金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は,その賠償額の元本に対する割合が」利息制限法所定の利率を超えるときはその超過部分について無効とする旨定めており,同法も,個々の分割金ではなく元本を基準として遅延損害金の上限を定めていることが明らかであることからすれば,原告の上記①,②の主張は,契約文言・法律文言を全く無視し,自己に都合の良い理屈を用い,あるいは理におぼれたとしか言いようのない無見識なものであり,採用の余地のない主張である。
 原告は,期限の利益喪失と絡めた主張を繰り返し行っているが,期限の利益喪失は元本の一括返還の要否に関わるものである一方,本件で問題となっているのは,元本の使用継続を前提としつつ,元本とは別の個々の分割金支払に対する遅延損害金の利率であって,期限の利益喪失とは全く無関係の問題であることを理解すべきである。

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