昔、交通事故のむち打ち事案で、個々の事案と無関係に、期間の経過だけを根拠に症状固定を主張し、保険会社が治療費の支払を拒否する場合の対策についてアイディアを書いたことがあったのだが(症状固定を争う方法について)、その後、なかなか「保険会社が治ってないのに治療費をうち切るっていうんです」という相談がなかったのだが、一昨年ようやく、そういう相談があり、相談者も素直にツンデレの指示に従ってくれた(ときどき、「こうしたらどうですか?」っていう提案をすると、露骨にめんどくさがって指示に従わない、反発する相談者もいるのだ。検査結果を比較することが大事なのに、一回だけ検査してもらって、「もういいでしょ」みたいな人)。
 その人は、平成27年9月に事故で受傷
      平成27年12月、治療費打ち切りで相談

という事案で、そこから、自費で治療を開始し、次のように検査を受けた。最初の平成27年11月30日の検査結果は、相談に来る前に作った後遺障害診断書に記載された数値だと思われる。この日が保険会社が当初主張していた最終受診日なので。

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 検査結果をまとめると
⑴ 頸部屈曲(右)
 H27.11.30  30度
 H27.12.28  40度
 H28.01.29  40度
 H28.02.29  35度
 H28.03.28  45度
⑵ 頸部伸展(右)
 H27.11.30  25度(痛みあり)
 H27.12.28  40度
 H28.01.29  50度
 H28.02.29  45度
 H28.03.28  55度P
⑶ 頸部側屈(右)(左)
 H27.11.30  30度  30度
 H27.12.28  40度  35度
 H28.01.29  30度  35度
 H28.02.29  35度  30度
 H28.03.28  35度  40度
⑷ 頸部回旋(右)(左)
 H27.11.30  60度  70度
 H27.12.28  70度  75
 H28.01.29  75度  70
 H28.02.29  70度  75
 H28.03.28  80度  70度
⑸ 体幹屈曲(右)
 H27.11.30  65度
 H27.12.28  70度
 H28.01.29  60度
 H28.02.29  65度
 H28.03.28  60度
⑹ 体幹伸展(右)
 H27.11.30  20度
 H27.12.28  25度
 H28.01.29  30度
 H28.02.29  35度
 H28.03.28  35度P
⑺ 握力(右)(左)
 H27.11.30  20.1㎏ 22.7㎏
 H27.12.28  20.8㎏ 22.7㎏
            21.6㎏ 19.6㎏
 H28.01.29  22.4㎏ 21.9㎏
            23.9㎏ 21.9㎏
 H28.02.29  22.7㎏ 21.2㎏
            24.8㎏ 19.9㎏
 H28.03.28  29.6㎏ 24.0㎏
            26.0㎏ 21.4㎏
となった。お医者さんは、「振り幅はあるけどだんだんよくなってますね」みたいなことを言っていたそうだ。
 この事件における保険会社の示談金の提案は、当初平成27年11月末日までの治療期間として、約55万円であったが、こちらで治療期間を平成28年3月31日までとして損害額を計算したところ、約170万円+弁護士費用17万円+遅延損害金となった。
 そこで、依頼者の意向もあり、あくまで訴訟という方針をとらず、170万円を提案したところ、最終的に150万円で示談ということになった。治療期間については何も言われなかった。

 本当は、検査結果はカルテに書いてほしかったし、こちらのお願いの書面をコピーして使うんなら、検査した人の署名もほしいところだった。裁判になったとき、真正文書かどうかで揉める可能性があるから。まあ、その辺は書式を考える必要があるんだろう。



KAGEYAMA_140120