ツンデレblog

淡路島の弁護士が考えたこと

カテゴリ : 裁判所の対応

7月3日に、過払金返還請求事件で最高裁が弁論を開くんだそうだ。

平成29年7月3日 午後1時30分 平成28年(受)第1463号 過払金返還 弁論 第一小法廷
無題







 ツンデレが消息筋から聞いた話だと、事案は次のようなものだという。
1) 司法書士が債務整理を受任し、約330万円の過払金について、CFJと200万円で和解を成立させた(和解書は本人名義)。
2) 本人が和解無効を主張してCFJ提訴。司法書士はCFJに補助参加。
 ※途中で本人が破産して破産管財人が承継
3) 第1審富山地裁は、和解は本人がしたものなので有効と判断して請求棄却。
4) 控訴審名古屋高裁金沢支部は請求認容(和解無効)
 ①本人がCFJと直接交渉した事実は認められないので和解は司法書士が代理人としてしたもの
 ②権限外なので司法書士に代理権はなく、委任契約は無効であるから,同契約に基づく和解も無効
5) CFJが次のような理由で上告
 委任契約は無効でも,和解契約は直ちに無効とならない。
 本和解は早期解決のメリットがあったし、全くの非弁ではなく司法書士の権限外行為に過ぎないから、公序良俗に反するとまではいえず有効

 
最高裁が開くんだから、高裁判決が覆されるんでしょうけどねえ。「委任契約は無効でも和解契約は直ちに無効にならない」って意味わからんな。権限外なら表見代理でも成立しないと有効にならんだろ。
 ひっくり返すなら、「司法書士が代理した」という認定は経験則に反するって、事実に踏み込むしかないように思うがなあ。
 ちなみに、ツンデレは、最高裁にとっても、事実認定の権限はないっていう法律は邪魔なんだろうなと想像している。立憲主義に基づく憲法が権力者にとって邪魔存在なのと同じ構造。裁判所は上から下まで、自分の権限に関しては、禁止と許容と義務の区別がつけられない(禁止の概念はない。)。今現在、具体的な必要がなくても、将来が必要があるかもしれないと考えるだけで時効援用の積極的釈明してもいいと言っちゃう高裁判決とか…

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19年前の殺人事件 告白した矢野治死刑囚を逮捕 警視庁 死刑囚逮捕は極めて異例
http://www.sankei.com/affairs/news/170410/afr1704100010-n1.html
 平成10年に失踪した会社役員の斎藤衛さん=当時(49)=を殺害したとして、警視庁組織犯罪対策4課は10日、殺人容疑で、元暴力団組長の矢野治死刑囚(68)=ほかの殺人罪で死刑確定=を逮捕した。
 確定死刑囚の逮捕は極めて異例。

 いやあ、裁判所やってくれますわw 勾留までいくのかどうか注視したい。
 刑事訴訟法上、逮捕状による逮捕の要件は、刑事訴訟法199条に規定されている。
1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
2項 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。
3項 検察官又は司法警察員は、第1項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があったときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。
「嫌疑の相当性(199条1項本文)」と、「逮捕の必要性(199条2項ただし書、刑事訴訟法規則143条の2)」が要件とされているわけだ。
 逮捕には、逮捕状による逮捕のほか、現行犯逮捕と緊急逮捕というのがあるが、19年前の殺人に現行犯逮捕があるわけはないし、緊急逮捕の要件は、「急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないとき」となっているので、どちらも考察の対象外とする。
 したがって、この死刑囚が逮捕されたということは、この死刑囚に、「嫌疑の相当性」と「逮捕の必要性」が認められたことを意味する。
 ツンデレが、なんだこりゃと思ったのは、このうち、刑事訴訟法199条2項ただし書の「逮捕の必要性」については、一般に、「逃亡のおそれまたは罪証隠滅のおそれがある等のため身体の拘束が相当であることをいう。」と解されているからである(刑事訴訟規則143条の3が、「明らかに逮捕の必要がない場合」について、「逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。」と定めている。)。
 ということで、死刑囚が逮捕されたということは、この死刑囚に、「逃亡の虞がない」とか、「罪証を隠滅する虞がない」と認められなかったことになるからである。
 
 いや、本当にすごいわ

 死刑囚って、拘置所にいる人ですぜ、逮捕しなかったら娑婆で自由にしてる人と違うんだよ。24時間体制で監視されているというのに、どうやって逃亡するの?逃亡のおそれを心配しなくちゃいけないような人なの?
 罪証を隠滅する虞って、どうやって? 死刑囚の外部との連絡は、未決のまま勾留されてる被疑者よりはるかに制限されてるんだけど… 勾留したら、弁護人との接見に原則として制限なくなるとしたら、死刑囚のままのときより罪証隠滅しやすくなるんと違うか? 誰か××や●●に入る語句を教えてくれよ。
××に照らせば、被疑者が●●に対して自己に有利な供述を得ようと働きかけたり、共犯者との間で共謀状況について口裏を合わせたりするおそれが十分あり、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が認められる。
 この死刑囚については、もうすでに勾留請求がされているかもしれないが、勾留の要件は、刑事訴訟法60条1項が規定している(60条は起訴後の勾留についての規定だが、要件については207条で起訴前の勾留に準用されている。)。
第60条  裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一  被告人が定まつた住居を有しないとき。
二  被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三  被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
実際の勾留状は、どれに当たるのか、チェックする欄がある。
画像2 (クリップ)








 勾留請求を受けた裁判官、準抗告を受けた裁判所が、逃亡のおそれの相当理由や、罪証隠滅の相当理由について、どのような判断をするか非常に興味深い。

 まあ、多分、捜査の便宜のために警察の留置場で勾留してほしい(拘置所までいくのがめんどう)というのが捜査機関の本音なんだろうなあ。





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 この事件、3月24日が勾留満期であったが、共犯者A2の弁護人から、検察官は勾留延長する予定であるらしいなどという情報が入ってきていたので、24日、まず検察庁に方針を聞くと、「まだ決まっていない」との返事。そこで、裁判所に勾留延長をすべきでないという内容の意見書を持っていき、延長請求があったらよろしくと言っておいた。
 
勾留状
















 その後、夕方の5時になって、勾留先の警察署に電話をしたところ、「釈放命令が出てます」との返事。やれやれ釈放かと胸をなで下ろし、念のため検察庁に電話すると、「強要については処分保留で釈放ですが、貸金業法で逮捕する予定です。」とのこと。
うーん、まあ想定の範囲内かなあ。
 翌3月25日の土曜日、新たに弁選もらおうと、お昼に警察署に電話すると、「今日は勾留質問のため神戸の本庁に行ってます。」とのこと。洲本は宿直いないからね。
 夕方、神戸地裁本庁の宿直の書記官から電話。貸金業法違反の被疑者が先生に私選を希望しています。場所を聞くと今、神戸の本庁で勾留場所は洲本警察署とのこと。帰ってくるまで2時間かかるな。
 午後8時半、警察に電話すると帰ってきているとのこと。


 複数の人に対する貸付けと「業として行う」貸付けとの違いは、「不特定多数」に対するものかどうかだと思われる。A2は知らないけど、うちの被疑者には「無登録業者」に対する幇助はないと思うがなあ。故意の有無勝負になりそう。

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 先日、なんと7年ぶりに私選の刑事事件を受けた。平成19年に法テラスの発足を機に、国選から足を洗って、その後、平成22年に1回だけ私選を受けたのだが、それは起訴前に示談をまとめ、不起訴に終わった。今回久々に刑事の法廷に立つことになるのだろうか?
 で、早速先週金曜日に勾留状を取り寄せたところ、次のような被疑事実であることが判明した。
勾留状
















 何だかなあ
である。
 被疑者は共犯者であるA2が自称被害者Vにお金を貸していたことを知っていた。A2からVの通帳の管理をまかされ、Vがキャッシュカードを使って口座に入金をするたびに、出金してA2に渡していたという事実はある。しかし、A2との関で、Vに口座作らそうとか話をしたことはないと言っている。どうも、VがA2にお金を払わなければならないことについては問題なさそうだ。だったら、送金手数料の負担を軽くするために口座を作ることはありそうな気がするんだよね。財産的被害があるんだったら、そっちを刑事事件にするよなあ普通。
 しかも、脅迫をしたのはA2。VがA1とA2の共謀場面を目撃したということはなさそうだ。もちろん、A2も逮捕されていて、A2の弁護人から電話が掛かってきたので教えてもらったのだが、A2も否認し、接見禁止がついてるそうだ(脅迫自体の否認なのか、共謀の否認なのか、接見禁止がついてるそうだから、多分脅迫の否認なんだろうな。)。
 ツンデレの理解だと、受け取った通帳を使っての出金に関与しているからといって、口座開設について共謀があったことを推認することにはならないと思うんだよね。ちなみに、A2とA1は、上下の関係で、A1がA2に命令するとか同等の立場で話し合いをするとかの関係ではない。A1が行った通帳を使っての出金も、要するに単なる使いっ走りである。
 もちろん、捜査中は警察、検察がどんな証拠を収集しているかは分からないから、A1に嫌疑がかかること自体おかしいとは言わないけどさ、少なくとも、Vの供述がA1とA2の共謀の証拠にはならなそうに思われる。そして、A1もA2も犯行否認してるとしたら、いったい何が証拠になるというのだ?
 というわけで、勾留裁判に対して、先週金曜日に準抗告をした。本庁の第4刑事部に休日出勤していただいき、すぐに結果が出たのだが、土曜日ツンデレの携帯電話にかかってきた、宿直の裁判所職員からの返答は「棄却」であった。
 あれ?
 だってさ、Vは共謀の場にいなかったんだからさ、A1がVに働きかけて自分に有利な供述させるなんてことあり得ないじゃん。しかも、A2は逮捕・勾留されてて、しかも接見禁止付きですよ。A2と口裏合わせすることもできないじゃん。罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由(刑訴法60条1項2号)なんかどこにあるというのか?
 土曜日にツンデレに電話をしてくれた宿直の裁判所職員は、決定の発送まではやってくれないらしく、水曜日の今日になって、ようやく準抗告棄却決定が届いた。連休明けの火曜に発送したってことだろう(郵便局が休みだから特別送達の発送ができないという理由かもしれない。)。
棄却1棄却2





























































 あれあれ
 「被疑者が、被害者に対し上記口座開設前後における被疑者、共犯者及び被害者の各言動に関し有利な供述を得ようと働き掛けたり、共犯者との間で共謀状況等について口裏を合わせたりするおそれが十分あり」だってさw ツンデレの理解だと罪証隠滅の相当理由が認められるはずがなかったから、棄却されたとしたらその理由は逃亡の相当理由じゃないかと思っていたんだが、逃亡の相当理由は認められないんだと。
 この被害者様は、共謀の様子を見てたとでも言うのかねえ。勾留されて接見禁止がついてる共犯者との口裏合わせのおそれが十分ありかよ。なんかため息出るわ。(しかもA1が取り調べで聞かれていることと言えば……なんだぜ、言えないけど。) こういう話の通じなさ、努力が徒労に終わる感じが、ツンデレが国選事件から足を洗った理由なんだよなあ。
 というわけで、こんな事件で身柄拘束が続き、国民の血税が使われているのであります。まあ、ツンデレは歩いて3分で接見に行けるからいいけどさあ。
SUMOTOPOLICE
















 なんかツンデレの方針間違ってる?


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 裁判所は、訴状に同封する答弁書のひな型の抗弁欄に、「消滅時効を援用する」のチェック欄を設けるべきですな。大阪高裁平成26年8月30日判決が「その時点における暫定的な心証で判断のために必要がない事項でも、後の心証の変更や上訴等に備えて釈明することは必要のないものということはできない」旨を言ってますから、訴状読んだ段階で、上訴等に備えて援用を勧めても構わないはずですよね。
しかし、判決に至るまでの裁判官の心証は、仮に終結間近になっていたとしても流動的な場合もあり、その時点における暫定的な心証では審理判断の必要があると思われた時効がその後の心証の変更により審理判断の必要がなかったという場合はあり得るし、逆に、判断のために必要がないと思われた事項でも、後の心証の変更や不服申立てがされた場合に審理判断が必要となり得る事項もある。このような事項についてされた釈明(後の心証の変更や上訴等に備えてされた釈明を含む。)を必要のないものということはできない。
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/48587880.html
 まあ、裁判所に「どうすんだ?」「どうすんだ?」っていうくらいしか役に立たないけど、その程度の役には立ててもらいたい。

これまでの経緯はこちら
裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/35902716.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!の続き
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/35976822.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(訴状完成)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/39692147.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(期日決まる)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/40138103.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(答弁書届く)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/40765761.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(準備書面来たる)  
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/41628140.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(第1回口頭弁論期日)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/41881235.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(かみ合わない議論)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/45342468.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(結審)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/46333104.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(一審判決)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/46917801.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(一審原告控訴理由)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/47464494.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(一審被告控訴理由)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/47465732.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(控訴審結審)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/47755359.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(控訴審判決)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/48312968.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(上告理由考え中)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/48587880.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(上告受理申立て理由)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/49189248.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(上告理由)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/49193530.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!(失望の裁判所)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/49346102.html

裁判所の行為に対する国賠訴訟やったぞ!(判例時報)
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/49578578.html

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