命を育む医療

 野菜を十分に摂る必要があると知ってはいても、美味しく食べようと願うなら、よい食材を選び、丁寧に下ごしらえして調理しなくてはなりません。

 いい加減に扱って濃い味付けをされた野菜料理と来たら、これはもうテーブルにのった災厄とまで思えてきます。 

 でも、毎日丁寧に料理をすることは誰にもできる訳ではありません。 

 そこで、十分にとり続けるためのお勧めはピクルスやマリネです。作り置きの出来るお総菜は食事の栄養バランス をよくし、食卓の彩りも華やかにします。

 このブログのレシピはとことん味を追求するのではなく、短時間でそこそこ美味しくできて毎日の食生活を健康的にするのが目的です。

 ピクルスは夏はサッパリして最高ですが、冬になるとそれがきつく感じられやすいです。寒い時期にはちょっとコッテリしたマリネがお勧めです。

 今回ご紹介するのは最近作り続けている野菜マリネの1パターンです。

(材料)
キューリ、インゲン、人参、カブ、キクラゲ(乾燥)、中華クラゲ 
 ・なんでもその時旬の野菜をいれればよいと思います。
すりクルミ
酢、ポン酢、そばつゆ、ハチミツ、植物油

○何しろ、作り置きなんだから持っている最大のボールに一杯になるくらい作る。

①キューリの下ごしらえ1

 キューリに塩をまぶして数分から10分程度おく。お湯をかけて塩を流し、水洗いする。

 こうすることでキューリの青臭さがほとんどなくなり、食感も硬すぎずシャリシャリして美味しさを引き出せる。

 キューリを食べるためには不可欠の一手間です。

②食材を切る
 マリネやピクルスではある程度素材の食感が残ったほうが美味しいのでやや大きめに切ります。

2
キュウリ: 斜めにスライスしてから千切り。2mm角の3−4cmくらい。

人参: 3−4mm角で4−5cm程度に切りそろえる。1分弱茹でてすぐに取り出して冷ます。こうすることでより甘みが引き出される。

インゲン: 塩ゆでしてからやはり3−4mm幅で斜めに切る。

カブ: スライスしてから3−4mm幅に切る。 

キクラゲ: 水でもどすと6時間 ! というがお湯で戻せば15−20分くらいでいける。念のためちょっと茹でておく。他の食材と同じ幅に切る。

中華クラゲ: スーパーの魚売り場に置いてあるやつをそのまま。 

他にモヤシ、大根、ブロッコリなどなんでも適当に...。

③ あえる

3合成

・道の駅や直売所でよくみかける”すりくるみ”。これで味に濃厚なコクが加わる。他の木の実の粉、アーモンドやピーナッツ、ゴマなどをお好みで。ミックスナッツを袋の上から叩きつぶして混ぜてよい。
・中華クラゲで食感の変化を楽しむ。海のものが少し入ると味に奥行きが出る。

④ 漬け汁
7
玄米黒酢、そばつゆ(創味)、ポン酢(創味)、ハチミツ

野菜の下ごしらえとともに味を決めるポイントなのでなるべくよい調味料を使うようにしています。

揃っていれば混ぜるだけなのでカンタン! 


⑤ 漬ける
11
 盛りつけてから漬け汁を入れて、さらにその上から植物油をいれる。お勧めはオリーブオイルや白ごま油。

 漬け汁と油が混ざり、全体によくからむようにフタをして容器を振る。

 初めから油を入れないのは洗い物を楽にするための小細工。

10
 漬け汁はひたひたに入れる必要はありません。初めはこれくらいで十分。キューリなどから水が出てきます。


12 できあがり!
 
 レシピ本などでは5日以内に食べきることになっています。だけど、自分ではだいたい10〜14日くらいは冷蔵庫で保管しながら食べています。

 あくまで自己責任で
 
 残った漬け汁は残りの容器に移し替えていきます。

 夏ならこれで冷やし麺にしてもGoodです。 

「中国の脅威」という言葉がよく聞かれるようになってきています。

 GDPは2010年に日本を抜いて世界第二位、中国の軍事費は現在でも日本の4倍強、2020年には10倍にも達するという予想があります。南沙諸島や尖閣諸島を脅かし、従来の世界銀行やアジア開発銀行に対してアジアインフラ投資銀行(AIBB)を立ち上げて中国を核とした東アジア17の経済的を目論む中国は、政治的にも経済的にも巨大な存在になりつつあり、将来的には世界は米中2国によるG2時代を迎えるという未来予測が現実感を持って受け入れられつつあるように思います。

 中国の脅威というものは軍事だけではなく、政治的経済的にも間違いなく存在しています。

 同時に、中国の国内にはにわかには信じられないほどの問題が山積しています。自然環境は為す術もなく破壊され 、貧しい国民の人権はないがしろにされています。空気は汚染されてこの30年間で肺癌が4.65倍に増加、10〜20台の非喫煙の若者でも肺癌にかかっているそうです。水も汚染され河川の7割以上は飲料水として使えないレベルに到っていると発表されています。

 そんななかで頼りになるのは金だけだと信じられており、貧しい者は人間として価値がないと見なされます。これでは、多様な価値観や社会的な道徳はないがしろにされがちです。

 食の安全も全く保障されていません。期限切れの肉を使って加工食品を作るなど日常茶飯事で、メラミン入り粉ミルクや下水溝オイルという先進国では考えられないような食品が流通してしまいます。何より利益を第一に考える経営者は食品の安全など配慮しません。

19
 
 また、情報の統制も徹底しています。これは、中国共産党の支配が必要であることを国民に信じさせる必要で行われています。共産党の存立をかけた大問題なのです。このため一般の中国国民の意識は洗脳に近く、世界の常識からは大きく離れた現実認識を共有することになります。

 ひとつ例をあげるなら...一般の中国人は「日本は戦前の戦略国家に逆戻りしており、アジア支配を企んで今にも中国に攻めてくるかも知れない」 !!と考えているそうです。これは学校教育の中で繰り返し叩き込まれる何十年にもおよぶ「反日教育」の成果と言えます。
16



 尖閣諸島はもともと中国の領土であったものを、日本が侵略して強奪していると考えています。ちょうど、日本人が竹島を実効支配しようとしている韓国に対する考え方と同じです。

  世界一の人口を抱え、巨大な経済力を持つ中国がどのような国になろうとするのか。これは日本のみならず21世紀の全世界の未来に対して莫大なインパクトがあります。

 そのためには、まず、現在の中国がどのような国なのかを知る必要がある、そう考えて勉強を始め、このシリーズをアップすることにしました。

 まずは、現在の安保関連法案に関して賛成論の根拠となっている中国の軍事的脅威について説明していきたいと思います。

1.中国の軍事的行動

1

 このように中国(中華人民共和国)は建国以来一貫して、世界情勢を見ながら周辺諸国、諸地域への拡大政策をとり続けています。
 それは攻められる方にとっては、紛れもない「侵略」ですが、中国には「中華意識」という伝統的な一種の信念があります。本来の中国は巨大で強い国家であるべきと考えています。だからウイグルやチベットへも「侵略」ではなく、未開で貧しくおかしな因習(宗教を含む)地域の人々を、解放して文明的な生活を送れるようにしてあげたと考えています。やっかいなことに、これはごく一般の国民にも伝統的に共有されている思いで、ウイグルやチベットの独立なんてとんでもないと感じるといいます。

2

「南シナ海における中国の活動」  防衛省

 第二次世界大戦直後には中国はベトナムと西沙諸島を半分ずつを領有する状態でした。しかし、ベトナム戦争終結直後に疲弊していたベトナムのスキをついて西沙諸島の全域を占領、1980年代以降は南沙諸島に支配権を拡大するようになり、特に2014年以降は占有した南沙諸島の島や岩礁を埋め立てて軍事基地まで建設しています。

FinderScreenSnapz005

 尖閣諸島についても1968年にこの海域に地下資源があることが判明して2年後から領有権を主張するようになりました。これ以前には基本的に日本の主権を認めていました。

 1953年の政府系メディアである「人民日報」の記事には
「琉球群島は我が国台湾の東北から日本の九州西南の間の海上に散在し、尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、トカラ列島、大隅諸島など七組の島々からなる」
とはっきり記載されています。

 1992年からは中国全人民代表大会で「領海法」を制定して、尖閣諸島が中国の領海であることを宣言しました。

 これに対して2012年に日本が尖閣諸島を国有化すると、中国本土では過激な反日デモの嵐が吹き荒れ、尖閣諸島への中国船などによる侵入が激増しています。

3

海上保安庁

FinderScreenSnapz006

「そうだったのか中国」 池上彰 集英社文庫 2010



 軍事力の近代化を進めながら、隙あらば尖閣諸島を領有しようと機会をうかがっているように思われます。

5


 中国の領土的野心はこれらの領域だけには留まりません。

 中国は躍進を続ける経済力と急速に拡大する軍事力を背景に「太平洋をハワイを境界に2分して、それより西は中国が支配する」という提案をしてアメリカに引かれたこともあります。

2008年、米国議会における公聴会において当時の米太平洋軍司令官であったキーティング(Timothy J. Keating)大将が、中国の意図を示す重要な証言を した。それは、20075月に同司令官が中国を訪問した際に会談した中国軍の 幹部から、「ハワイを起点として米中で太平洋を分割し、西太平洋とインド洋は 中国が管理してはどうか。」と提案されたというものである。キーティング大将 は、この戦略構想の提案について、「中国は自国の影響が及ぶ範囲の拡大を欲している。」と警戒感を示した。また、200610月には、中国の潜水艦が空母キティー・ホークを追尾し、魚雷の射程内の海域で浮上するという事件を起こし、 200711月には高波と悪天候のために掃海艦艇が香港のビクトリア・ハーバー に入港を申請したが中国側はこれを拒否し、さらには事前調整のあったキティ ー・ホーク空母打撃群(Carieer Strike Groupe:CSG)の入港をも直前に拒否 したことにも触れ、「これまでの米中軍事交流は、米国の期待を裏切るものであり、信頼醸成に値するものではない」と証言したのである103。中国側のこのような発言と行動は、中国がインド洋から太平洋に至る海域における地域の覇権を望んでいることを明確に示しており、中国の意図の裏付けであると言える。

103 Congressional Hearings-March 12, 2008, HASC Hearing-Fiscal Year 2009 for U.S. Pacific Command and U.S. Forces Korea, Washington D.C. March 12, 2008.

 

統合エア・シー・バトル構想の背景と目的―― 今、なぜ統合エア・シー・バトル構想なのか

木内 啓人、海幹校戦略研究 2011 12 (1-2)

 
 このように中国の軍事的脅威は間違いなく存在します。しっかりと情勢を判断して考えなければなりません。

 「アメリカとの軍事的協力関係を強くしないと日本は守れない」というのが集団自衛件容認賛成派の最大の論拠となっています。ひとつ例を示しましょう。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は現代ビジネスオンラインの
「日本は中国に勝てないという現実を直視せよ。幼稚な議論を繰り返す野党が結局この国をダメにする」
という記事で
「日本は単独で中国に対抗できない。だからこそ日本は集団的自衛権の限定的行使を容認して、米国との絆を確固たるものにする。それによって、抑止力を高め、日本の平和と安全を守るのである。」
と論じています。
 

7

本当にそうなのでしょうか?よくよく考えてみないといけません。

 
①勝てないとはどのような戦闘を想定しているのでしょうか?
②アメリカと協力すれば勝てるのでしょうか?
③本当にアメリカ軍が助けてくれるのでしょうか?
④中国以外の脅威についてはどうなのでしょうか?

以下、これらのポイントについてできるだけわかりやすく検証していきます。 

2.集団的自衛権の容認で本当に日本はより安全になるのか
 起こる可能性のある戦闘にはいくつかのパターンが想定できます。

①尖閣諸島周辺の局地的領土紛争
 現在、最も可能性が高いのは、尖閣諸島周辺の局地的領土紛争だと思います。この場合についてもいろいろ意見はありますが、基本的には現在の日本の自衛隊戦力で十分に対応が可能だと思います。

 この状況では空軍および海軍による戦闘になります。中国は日本の軍備を量的には遙かに越えていますが、質的には劣っていると考えられます。

 これを詳しく論じると大変ですが、簡単に述べると20、現時点では中国の空海軍と比べて自衛隊の装備やシステムが近代的です。兵士の熟練度は遙かに高いと考えられています。

 

これを支持するいくつかの情報ソースがあります。

日中海戦 米誌の日本勝利の根拠に海自隊員の能力の高さあり(2012 NEWSポストセブン)
日中が開戦すれば、米国の全面介入で中国軍は負ける-ロシアメディア 

 「日本の自衛隊に関して言えば、特に海上防衛や防空に関しては世界でも有数の能力があるわけですから、その意味で、拒否力としての抑止力は現時点で日本は持っている、と言えるでしょう。尖閣諸島の領海に中国の船がどんどん入っているにしても、彼らの目標が、上陸して海上保安庁の船を追い出す、ということであれば、その後には我が国の自衛隊が控えているぞ、という拒否的抑止力をはたらかせることもできるのです。」
(「亡国の集団自衛権」 柳澤協二 集英社新書) 


これに対して、空軍力の優位は失われているという意見もあります。

中国の飛躍的な軍事力増大を論じなければ何の意味もない。
岡崎久彦 iRONNA 

ただ、これは中国の第4世代戦闘機の能力を高く評価しすぎているように思いました。

僕自身はもちろん軍事の専門家ではありませんのでこのあたりで止めておきます。

少なくとも現時点では尖閣諸島付近の限定的戦闘では日本は十分な対応能力を持っていると思います(将来的にはわかりません)。

 この場合、アメリカは日本に何をしてくれるのでしょう。最新の「日米外ガイドライン」には

自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施する。必要が生じた場合、自衛隊は島嶼を奪回するための作戦を実施する。このため、自衛隊は、着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦、水陸両用作戦及び迅速な部隊展開を含むが、これに限られない必要な行動をとる。

  自衛隊はまた、関係機関と協力しつつ、潜入を伴うものを含め、日本における特殊作戦部隊による攻撃等の不正規型の攻撃を主体的に撃破する。

  米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する

と書かれています。要するに「自分で守る」ことになっています。基本的にアメリカはこの場合には自らの「集団自衛権」を行使しないことになっているのです。せいぜい、いわゆる「後方支援」です。

本音は「無人の岩のために俺たちを巻き込まないでくれ(米軍機関紙スターズ・アンド・ストライプス)」というところでしょう。

より詳しい説明は次のリンクに書かれております。

【米軍は尖閣を守ってくれないよ?】全日本人が知っておくべき「新日米ガイドライン」に「尖閣有事のとき米軍は撃たない」と書かれてる衝撃!」おもしろいインターネット


 以上のように
 集団自衛権を容認したからと言って尖閣諸島がより安全になるということはありません。

②日中の全面的な戦争
 こうなってしまうと、お互いの軍隊や国土全体が攻撃の対象になります。中国が日本の国内を攻撃対象にすれば、まずミサイルが飛んできます。狙われるのはまず米軍や自衛隊の基地だと想定されています。国際的な批判を恐れなければ原発などの各施設が攻撃されるかも知れません。どちらにしても甚大な被害を受けることになります。

 このパターンでは中国は日本国内に複数の強力な基地を持つアメリカを敵に回すことになります。アメリカは自らの世界戦略の必要性から日本に米軍基地をおいているのです。けして、親切に日本を守って挙げるためにいるのではありません。日本本土への攻撃はアメリカの世界戦略への挑戦ですから、日中戦争は中国v.s.日米の戦争になります。

 この場合のアメリカの戦略は「エア・シーバトル」です。要するに長距離ミサイルを含む空軍と海軍を中心とする戦争です。

 「これは潜水艦や対艦弾道ミサイルによってアメリカの空母が西太平洋で自由に行動できないようにする中国のA2/AD(接近拒否・領域拒否)能力に、アメリカが対抗する手段としての概念です。中国には正面からアメリカの空母と戦って勝つだけの能力がまだありません。空母にとって最大の脅威は潜水艦ですが、日本の周辺を通る潜水艦はすべてキャッチされていますから、潜水艦による空母の直接攻撃も難しいはずです。
 そこで、たとえば西日本にある米軍基地や通信網をサイバー攻撃も含む先制攻撃によって無力化し、南シナ海、東シナ海、台湾周辺といった中国の周辺においてアメリカ軍に干渉されずに中国軍が自由に動き回れる空間を作り出す。米中の軍事対決で中国がとる戦略はおそらくこのようなものになるでしょう。
 アメリカ側は、そうした戦略に対抗するために、特に中国のミサイルの射程の外に兵力を分散配置し、あるタイミングを捉えて反撃していくシナリオを考えています。そこで中国の移動式発射台を狙うことは難しいため、ミサイル管制システムといったものを無力化すると同時に中国の衛星や通信網も攻撃していく、ということが考えられるでしょう。」
(亡国の集団自衛権」 柳澤協二 集英社新書)
 
 第一段階 中国による日本本土の軍事拠点攻撃(ミサイルが中心)
  アメリカ軍は東太平洋の拠点に一時撤退。日本本土および周辺海域の防御は自衛隊が行う。

9

 第2段階 中国の迎撃能力を奪った段階で米軍の反撃開始。中国本土の拠点が攻撃される。 

10

 日本と中国は深刻な被害。アメリカ本土はほぼ無傷。

11
参考文献)
「エアシーバトルの背景」
「総合エアシーバトル構想の背景と目的」

 このような戦争では日本には日本本土や日本の周辺海域を守ることしかできません。「米軍の艦船を防御する」などという余裕はありません。それでも、甚大な被害を受けることでしょう。

 日本の国土はアメリカの世界戦略の要地として活用されるだけです。米軍の戦略と、日本に多くの米軍基地があることが、中国に対する「抑止力」のソースです。日本が集団自衛権を容認しようがしまいが状況はほとんど変わりません。

 どちらのパターンでも集団自衛権の容認などほとんど関係がないことがわかると思います。

③南シナ海をめぐる紛争
 米軍とベトナム、フィリピンなどの東南アジア諸国の連合と中国との戦いになるでしょう。かなり大規模な戦闘になります。ここに自衛隊が関わるためには集団自衛権が必要です。
 現在の日本は専守防衛のための最小限の戦力しか保有していませんから、ここに参加するには日本の防衛を犠牲にして無理矢理派遣するか、大規模な軍備増強が必要になるでしょう。
 
 この場合もやはり米中戦争になりますから、第一段階は日本本土の軍事拠点に対するミサイル攻撃になると思います。日本は集団自衛権を行使して本土の防衛を弱体化させている場合ではありません。

 従って、この想定においても集団的自衛権のメリットはありません

④中国以外の国に対するアメリカの戦争に参加する

 アメリカは2015年の「国家安全保障戦略」で明確にイスラム国の弱体化と打倒を目標にしました。

12



 現在のアメリカはアフガニスタンとイラクへの道理のない戦争で消耗して厭戦気分がひろがり、当分は米軍が海外の戦争を行うことは考えにくいと思います。

 しかし、国家戦略としてこのように明確にイスラム国を滅ぼすことを宣言しました。これが発表された数ヶ月後に日本で集団自衛権を容認する決議がなされました。同時に自衛隊が戦い地域が「日本周辺」から
拡大し、世界中どこにでも米軍と協力できるようになり、従来は非戦闘地域の「後方支援」にとどまっていたものが、実質的には戦闘地域における戦闘もできるようになりました(もちろん政府ははっきりとは言っていませんが)。

 これは、イスラム国にとってみれば、いつか必ず米軍の本格的な攻撃があり、その時には日本の自衛隊も集団自衛権を用いて攻撃に参加してくるというのが、普通の解釈でしょう。

15

 実際に次のような動きがみられます。

14

    平成27年9月11日 産経ニュースオンライン

 
 すでに日本を明確に敵として名指ししているのです。

 原発や新幹線、ラッシュ時の鉄道などにテロが仕掛けられたら果たして日本はこれを防ぎきれるでしょうか。防ぐためのシステムもリソースもほとんどないというのが実情だと思います。

 まして、海外、特に中東で働いている日本人はどれほどの危険にさらされるのでしょうか?何も起こらないとよいのですが...

 集団自衛権は日本の防衛力を高めないばかりか、すでに新しいリスクを呼び込んでいます。

(まとめ)

1.中国に対して

・尖閣諸島領域の領土紛争では基本的に日本が自衛し米軍は後方支援にとどまる。

・日中戦争はアメリカの世界戦略への脅威であり、必然的に米中戦争になる。この場合、米軍は当然主体的に参加するが、それは日本本土が無事を保証するものではない。むしろ、戦略的に日本に莫大な損害が出ることを想定している。

・いずれにしても、日本の集団的自衛権の容認とは無関係。

2.イスラムに対して

・日本はイスラム国を滅ぼすと宣言したアメリカに集団的自衛権を容認して協力することを約束した。そのため、イスラム国から攻撃すべき「敵」として名指しにされた。
 

21






 

続きを読む

 今回は集団的自衛権という概念の誕生から、それが活用されてきた歴史を振り返って見ていきます。

 くそ真面目な書き方になってしまい面白くないとは思いますが宜しければおつきあい下さい。深刻かつ重大な問題なので冷静に論理的に論じていくのがふさわしいと思います。勢いや乗りで、不安感や危機感、仮想敵国への敵愾心などを煽りながら面白おかしく書いてはいけないと思っています。今回は



 の内容に沿ってできるだけわかりやすく説明を試みたものです。

 伊勢崎氏は生涯を通じて全世界の紛争に関わり悲惨な状態を少しでも改善する努力を続けた来られた方です。アフガニスタン紛争では非常に困難とされた軍閥の武装解除を成功させた立役者となりました。

是非、ご一読を。

1.集団的安全保障

 「集団的自衛権」という言葉は第二次世界大戦後に結成された国連の安全保障体制の中で生まれました。だから、さほど古いものではないのです。

 戦争の勝利国である、アメリカ、ソヴィエト、中国、イギリス、フランスの5カ国 が国連の安全保障理事会の常任理事国であり、基本的にこの5カ国で世界の平和を取り仕切ろうというシステムでした。
1
 国連憲章ではすべての加盟国に対して「平時は武力を用いる行動をしてはならない」とさだめてあります。生じたすべての侵略行為を国連が管理しようという体制です。侵略行為ついて安保理事会で決議が出れば「集団的安全保障」として国連を母体とした多国籍軍が組織されてこれを鎮圧します。

 右図のように侵略を行った国に対して5大国を中心にした有志連合が反撃します。

 加盟国には軍隊を派遣する義務はないので、有志連合という形で多国籍軍が編成されます。


2.集団的安全保障の事例 − 湾岸戦争
 集団的安全保障の典型例は1991年の湾岸戦争です。

 隣国のクウェートを独立国と認めないサダムフセインのイラクが1990年末にクウェートに侵攻しました。

 国連安保理事会はこれをイラクによるクウェートの侵略として決議を行いました(細かい図はクリックで拡大します 以下同様)。
2
 これは国連が始まって以来、初めての集団的安全保障の事例でした。

 翌1991年1月17日にアメリカを代表とする多国籍軍はイラクに対して空爆とミサイル攻撃を開始、それから約一ヶ月後地上軍を投入しました。2月末にはクウェート市は解放され3月3日には戦争が終結しました。

 非常に輝かしい国連による侵略への懲罰の事例であるように見えます。しかし、この戦争でも驚くほど多くの民間人が亡くなっていることを忘れてはいけません。
3
 イラクの罪もない一般市民が空爆で3500人、地上戦闘に巻き込まれて10万人前後亡くなったと推定されています。

3.集団的安全保障 − もとは「ご近所」の助け合いのイメージ

  湾岸戦争のような決議が出るまでには通常はある程度の時間がかかります。しかも、しかし、五カ国にはそれぞれ思惑があるため、これらの国々には安保理事会の決議に対する拒否権が与えられています。だから、1カ国でも拒否権を使うと国連決議を採択することができません。

 戦争は国連決議を待つ間にもどんどん進ん4でいきます。当然、侵略された国は反撃する権利があります。これが「個別的自衛権」です。このとき、同盟関係にあるなど親しい関係にある周辺の国々が、侵略を放っておいたら自分たちの国にもやがて攻撃が及ぶと考えられる時に侵略された国と共同して反撃を行う権利のことを「集団的自衛権」と呼びます。

 集団的自衛権は国連加盟国の全てに認められた権利です。侵略国に対して周辺の国々が共同して反撃するという想定だったのです。

4.歪めて用いられる「集団的自衛権」

 しかし、戦後史を紐解いてみれば「集団的自衛権」がいかに歪んだ用い方をされているかが見えてきます。

1)アフガニスタン紛争(1978-1989)

 アフガニスタンでは1978年にアフガニスタン人民民主党による共産主義政権が成立しました。その直後からこれに対して国内各地で武装勢力による抵抗運動が始まり、やがてほぼ全土がこれらの抵抗勢力の支配下となります。
5

 人民民主党政権はソヴィエト連邦に軍事介入を要請しました。そして1979年12月にソヴィエトの軍事介入が始まりました。

 国内紛争への介入ですからこれは明らかに国連憲章に抵触しています。しかし、ソヴィエトは「共通の共産主義思想を持つ隣人たるアフガニスタンがソ連に助けを求めたため、ソ連は集団的自衛権を行使する」という名目で介入を強行したのです。

 この軍事介入については「主権国家への正当な理由のない侵略行為」だという見方が主流で、国連総会でも1982年にソ連軍はアフガニスタンから撤退すべきであるという決議を行っています。

 ソ連側は14000人を越える兵士が戦死し、アフガニスタン側ではその数倍の戦死者を出した後、ソ連軍が1989年に完全撤収して紛争は終結します。

 ソ連の意図した共産主義政権の存続はならず、多くの犠牲を出し、国内の混乱状態を拍車を掛けたのみという結果でした。

2) 9.11...アメリカのアフガニスタンおよびイラクへの侵攻
 2001年9月11日に同時多発テロが起こり3025人の犠牲者が出ました。ブッシュ大統領はすぐさま非常事態宣言を出して国境を閉鎖、厳戒態勢を敷きます。捜査の結果、サウジアラビア人のオサマ・ビン・ラディンをリーダーとするテロ組織アルカイダの仕業だと断定しました。アルカイダはこれを否定も肯定もしていません。
 数度にわたる国連安保理決議によりアルカイダが潜伏しているとされるアフガニスタンの政府に引き渡しを要求しますが、そのたびに「証拠があれば引き渡すが、今の段階ではアルカイダの行ったことと断定できない」として拒否されました。翌10月7日よりアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ等による多国籍軍による空爆が開始されます。圧倒的な戦力差がありタリバン政権は2ヶ月で崩壊しました。
6 アメリカは同時多発テロを戦争ととらえ(「対テロ戦争」)、首謀者と断定したアルカイダを庇護するアフガニスタンを敵国と見なして「個別的自衛権」を根拠として報復攻撃を行ったのです。イギリスやフランスの参戦は「集団的自衛権」が根拠です。

 この戦争の正当性については議論があり、多くの罪もないアフガニスタン国民を巻き込んで戦争を行う正義は果たしてあったのか非常に疑問です。泥沼化した占領政策は現在終結に向かっていますが、結局、復活するタリバン政権と和解する形で出口を模索しています。夥しい命が失われ、国土は荒廃し、政治的には紛争前の状態に復帰するだけ。世界最大級の麻薬生産国に様変わりし、国内が無法地帯となり家族親族を殺された市民にイスラム原理主義が広まって「過激化」を生じました。一見まったく普通の市民が多国籍軍やアフガニスタン政府に対する自爆テロをしかけてくるようになりました。

 いったい、この戦争の意味は何だったのでしょうか。
 
 イラク戦争に至っては。アメリカはイラクから実際に攻撃されいません。ただ「大量破壊兵器」が隠されているはずと決めつけ、それが実際に用いられる前に「予防的に」先制攻撃を行っています。先制攻撃には「予防的先制攻撃」と「自衛的先制攻撃」がありますが、予防的先制攻撃は国際法上で違法とされています。

 自衛的先制攻撃は認められる場合があります。これは例えば爆弾を満載した自爆テロのトラックが向かってきている場合のように、明らかに目前に危険が迫っており、放置すれば多大な損害を受けることが明白な場合です。

 イラク戦争が「自衛的先制攻撃」であるとするのにはかなり無理があります。5大国のうちの3国(ロシア、中国、フランス)が開戦に反対しており、ドイツもアメリカに強く反対しました。当然、国連安保理事会の決議は出ません。アメリカはこれを個別的自衛権による自衛的先制攻撃だと強弁して2003年3月に空爆を開始しました。「国際法違反ギリギリ」の戦争だったのです。イギリス、オーストリア、ポーランド等の国々は「集団的自衛権」を根拠に参戦しました。

7

 日本の小泉首相は「アメリカの武力行使を理解し、支持いたします」と述べました。

 戦後の調査によってイラクには大量破壊兵器は存在せず、ブッシュ政権による捏造であったことが明らかになりました。NATOの国々ではアフガニスタン紛争やイラク戦争の正当性について現在でも厳しく検証が続けてられています。日本ではどうでしょうか。

 この2つの戦争によっておびただしい一般市民が犠牲になっています
8

 アメリカが行ってきた戦争はこのようなものです。大国のエゴそのものではないでしょうか。逆に自国に利益がない戦争はしません。集団自衛権という形で自衛隊を差し出せば護ってもらえると考えるのは甘いと思います。尖閣諸島を護ってもらい、南沙諸島にも圧力をかけてもらおうなどというのは妄想にすぎません。それぞれの問題についてはそれぞれ具体的な状況分析に基づいて対応策を練るべきでしょう。

3)「集団的自衛権」が本来の意味で使われたことなど無かった
 
 その他の集団的自衛権行使の事例はウィキペディアー集団的自衛権の中にまとめられています。ベトナムの内戦へのアメリカの介入も集団的自衛権を根拠にしています。すべてが、アメリカとソヴィエトの他国の紛争への介入です。

9

 もともと、ご近所の国の助け合い的なイメージで始まった集団的自衛権ですが、実際は大国(アメリカとソヴィエト)が他国の内戦に干渉するときの口実や、大国が他国を攻撃するときに同盟国が大国側にたって参戦するときの根拠として用いられてきたことが明らかです

 こうなると国連という組織も5大国による支配に都合良く作られた組織だという見方もあながち誤りではないような気がしてきます。

 中国が南沙諸島に進出するといって危機感が高まっていますが、ロシアは東欧諸国やウクライナ、アフガニスタンなどに、アメリカはアフガニスタン、イラク、中南米諸国などに干渉を繰り返してきました。やっていることはさほど異なりません。

 今回、安部政権が求めている「集団自衛権」だけが別のものと考えないほうがよいでしょう。アメリカの起こす戦争で、日本がアメリカ側に立って参戦することを合法化することを目的にしています。そのような戦争に正義があったかどうかは歴史が語っています。

5.集団自衛権を認めると... ドイツの例

 安保関連法案の是非や集団自衛権についての検証は科学的に実験によってすることはできません。しかし、歴史から学ぶことはできます。
 

 ごく最近のドイツの事例。集団自衛権に基づいて国際治安支援部隊(ISAF)としてアフガニスタンの「後方支援」に参加した結果、何が起こったでしょう?

1)タリバンの攻撃目標となり55名の戦死者
2)ドイツの将校の命令で行われたタリバンへの攻撃で民間人にも死者が出た(クンドゥスの事例では30人)
3)帰還した兵士の高い精神的障害(PTSD)発生率。 上限4500人の派遣→200−300人/年の発症。
4)ドイツ国民がイスラム勢力(ISISを含む)のテロの標的となった。


 その後のイラク戦争ではドイツは断固として開戦に反対し参戦もしていません。

 安保関連法案が最終的に可決されれば、これとほぼ同じことが日本にも起こると考えるのが普通だと思います。ほぼ日本弁護士連合会の広告通りのことが起こると思います。

11231322_375933289269829_5660835155157435333_o

参考)
1.ウィキペディア 湾岸戦争
2.ウィキペディア アフガニスタン紛争
3.ウィキペディア イラク戦争
4,憲法解釈を変えて「後方支援」する事になったドイツがアフガンで見た惨劇
5,日本弁護士連合会 「安保法案は立憲主義に反し憲法違反です」

  もしも賛同頂ければこちらのリンクからご署名をお願いします。署名用紙のダウンロードもできます!

 宜しくお願いします。FinderScreenSnapz006



 

このページのトップヘ