2005年03月08日

昆虫のふしぎ

「働きバチはなぜ女王バチに魅せられるのか」 澤口たまみ

生き物の神秘について書いた本に、ときどき吸い寄せられるように手が伸びます。
これは昆虫学者の女性(!)が書いた本で、目次にはミツバチを筆頭に、カマキリやカブトムシ、それからカやゴキブリやカメムシなんていうのもずらりと並んでいます。各昆虫の項にはとてもリアルなイラストが1ページずつついていて、内容もかなり生々しかったりするのですが、あまりにおもしろくて昨日一気に読んでしまいました。

女王バチと働きバチのことはなんとなく知っていたけれど、働きバチもすべてメスだったなんて知っていましたか?オスもいるにはいるけれど、全体の1割程度でほとんど働かず、精子を提供する以外は役割がないとのこと。江戸時代の書物にはこのオス蜂のことを「無能黒蜂」と記されているんだとか・・・キビシイ(^^;)

メス蜂の方は、女王バチが交尾・産卵係、働きバチが食料集めなどの雑用係、と完全に分業して、まさに一体となって生きているそうです。
どうせみんな同じ女王バチから生まれてきて遺伝子は同じだし、集団で暮らした方が効率的で安全。それなら誰か一匹がまとめて卵を産めばいいのでは、ということになったらしい。
どちらも単体では生きられないことを考えると、一匹の女王バチと多数の働きバチ、あわせて初めて一匹のメス蜂なんだと考えた方がわかりやすいのかもしれませんね。

こんな昆虫のふしぎがこの本にはてんこもり。思わず「へぇ〜!」と声をあげてしまったことも一度や二度ではありませんでした。
その内容のおもしろさに加えて、特筆すべきはこの著者のユーモアのある話の切り口と文章のうまさです。人間も昆虫も宇宙の中の生き物として同等に観察していて、ちょっとしたエピソードに登場する著者やその身の回りの人々に、そこはかとなく親しみがわいてくる楽しい本でした。
他の著書もさがして全部読みたくなりました。

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