ベーシストたけっちブログ

都内と横浜で活動するウッドベーシスト“たけっち”のブログです
Copyright © bamboobass All Rights Reserved.

August 12, 2017

山々の音楽会「大地と風の舞」

海 浜辺 空や風景
あちこちの港
みんな 僕は見て来た
黄金の砂浜の散歩
谷間の日向ぼっこ
みんな いつでも出来た

僕は見た
微笑みもジェラシーも
苦しみも幸せも
もう終わりは近いけど
生きるべき夢がまだあると
心が囁く

ミシェル・モド/人生という名の旅

先日はムジモンとダンサーのLilith Rikaさんとのコラボライブ@カトマンズバールだった。
疲れが溜まっていたのか、ライブがある週始めに風邪を引いてしまい、喉が辛く、何とか1日で症状は軽くなり、後は自分の身体と風邪の菌との闘い。ライブ当日には菌はほぼ追い出して何とか回復。ふー、我ながら免疫力に関心。。

Rikaさんと初めてお会いしたのは、昨年のセルハン・バキさんとのセッションライブの時で、ミカコさんがRikaさんにダンスを習っているというご縁でつながった。

ピックアップしたムジモンの曲にRikaさんの舞が入る。
曲調や歌詞、作曲時のエピソードなどを手がかりに、Rikaさんは演出や衣装や小道具など本当に丁寧に準備をしてくださった。僕が言うのもおこがましいが、とても優しくておおらかで謙虚な方だ。
音を奏でているのはムジモンの3人だけだが、ひとたびRikaさんが舞うと、その曲が雄弁に語り出し、色彩を帯びて映像が浮かび上がり、周りの空気感が一気に凝縮してもの凄いうねりが生じ、まるでオーケストラのように音が分厚くなってくるのを皮膚感覚で感じた。
Rikaさんも身体を使って音楽を奏でていたんだと思う。ムジモンの4人目の演奏者だったのだ。本当に美しかった。

身体での表現ということで思い出したのが、コントラバス奏者の飯田雅春さんと舞踏家の田仲ハルさんの即興ライブのこと。昔の文章だが今には無い熱量がある。
http://blog.livedoor.jp/bamboobass/archives/2013-08-05.html
そこから引用すると、

音は出ないけど、空間を身体で奏でているよう。
そういう意味では、視覚と聴覚が入れ替わるというか、
違った立ち位置から楽器奏者と一緒に音楽を奏でていたんだと思う。

Rikaさんの舞にも同じようなものを感じた。
身体表現は音が出ないが、身体で感じ取れるものがある。それはイメージだったり、そこから想起する音楽のようなものだったり。。。そうすると音楽とは何だろう。でも、様々な芸術分野が目指す所は一緒なんだと思う。答えの無い問いについて考えていきたい。

ミカコさんの唄も素晴らしかった。歌詞がより立体的に浮き上がり、以前より声のエネルギーの重力が増していて、曲の持つ物語を歌うというよりは「語る」といった感じだった。
秋山さんのギターも、いつも以上に慎重にテンポ設定をしてリズムを刻み、アンサンブルの土台を創り出してくれた。
僕は、5月にジャキス・モレレンバウムのチェロを生で体験してから、音に自身の魂を乗せるという事はどういうことかというのを学んだ。その方法はまだうまく言葉にすることは出来ないけれど、とにかく1音1音に自分の身体が持っている魂の重みを乗せ、想いを込めて弾いた。
1曲1曲が壮大な旅のようだった。風や海や大地、様々な表情の自然と循環して巡っているような。。
その日の朝に聴いた、長谷川きよしさんによるアンリ・サルヴァドールのカバー「人生という名の旅」という歌を思い出した。

「僕は見た/微笑みもジェラシーも/苦しみも幸せも/もう終わりは近いけど/生きるべき夢がまだあると/心が囁く」


人生という名の旅
長谷川きよし
EMI Records Japan
2012-10-14



8月上旬のこの日は、どうしても戦争のことを考える。今だと北朝鮮のミサイル問題もある。
そう、生きていると苦しいことも嫉妬や憎しみも悲しいことも色々あるけれど、僕達の音楽を聴いて、少しでも幸せな気持ちになってくれたら。。。ピアニスト福ちゃんの師匠の市川修さんは毎回演奏前に「世界に平和を」という想いを抱いて演奏していたそうだ。僕もそういう平和というイメージを抱いて演奏した。

終演後の晴々とした表情のお客さん逹が印象的だった。伝わったんだ、と。今度はお客さんの熱量のすごさにこちらが圧倒された。この日ゲスト参加でまるでローランドカークのような宇宙的なフルートを吹いてくれたもりぶさんの野菜販売も始まる。各々のお客さんがライブの感想を仰ってくれたり、あちこちで写真撮影が始まったりと、終演後の楽しいひととき。
ミカコさんが「おばあちゃんになってもこのライブのことを思い出すんだろうなぁ」と仰っていた。
まさに一生ものの思い出に残るライブだった。
そして、同時に「もっとうまくなりたい」と強い欲求が。今回も自分の思い通りに表現出来ない部分が多々あった。チェロの弓をまだ自分の腕の一部のように・指先のように扱えていない。基礎からまたじっくり見直そう。

うまいと評価されたときには気を付けなくてはならない。
それは評価者の文体に似ているだけかもしれないからだ。
私達が紡ぎ出さなくてはならないのは「うまい」文章ではない。
「うまく」書こうとしたものはいつも、誰かの言葉に似ている。
そんな言葉でどうして内心の真実を描き出すことができるだろう。

若松英輔‏

今回はお店近くに宿をとり、メンバーやお店の店主であるラマさんのご家族とゆっくり過ごすことが出来てとても楽しかった。料理もご馳走いただき、チーズナンとカレーとスパイスビールの組み合わせが最高に美味しかった。

近くに山が見えたり、川や森があったり、自然を近くに感じさせる生活にやっぱり憧れる。出来る事なら引っ越したい。。。

皆様、本当にありがとうございました。

Set list
☆印はRikaさんとのコラボ
1部
1.Terra flora (Eiichi AKIYAMA & Mikako Suzuki)
2.Viento verde ☆ (Eiichi AKIYAMA)
3.やまやまの唄 ☆ (Mikako Suzuki)
4.Voice of the sun (Hiroyuki Ohtake)
5.GRANA ☆ (Eiichi AKIYAMA & Mikako Suzuki)
6.このはずく (Mikako Suzuki)
7.小さな祈りの歌 ☆ (Eiichi AKIYAMA & Mikako Suzuki)

2部
1.旅したいなあ (Eiichi AKIYAMA & Mikako Suzuki)
2.茜雲 ☆ (Hiroyuki Ohtake & Mikako Suzuki)
3.Mermaid ☆ (Hiroyuki Ohtake)
4.Onenote茶豆 (Eiichi AKIYAMA & Mikako Suzuki)
5.しろくじら ☆ ゲスト もりぶ(fl) (Mikako Suzuki)
6.草原のダンス ☆ (Eiichi AKIYAMA & Mikako Suzuki)

アンコール
朝 ☆ (Eiichi AKIYAMA & Naomi Iwasa)

Photo by Miyaokaさん

ムジモン


マーメイド


ミカコさん


秋山さん


チェロゆき


もりぶさん


草原のダンス


ありがとう


集合写真1


集合写真2

bamboobass at 23:05│Comments(0) Live日記 

July 23, 2017

人魚と踊り

昔見た夢が現実になったかもしれない。
5年ほど前に、江ノ島で海を見たインスピレーションと、音楽仲間で人魚に似た歌い手さんをイメージして「マーメイド」という曲を書いた。
そして、その曲を書いてからしばらくしてこんな夢を見た。
コントラバスでマーメイドを演奏している自分がいて、その周りでダンサーが踊っていた。
夢なので月日が経つと忘れてしまう。そのダンサーが女性ということはわかっているが、踊っている姿や顔はぼんやりしている。
ただ、そのマーメイドという曲が流れているのと「踊っている」という感触だけが残っていて、何も根拠は無いが、いつかこれが現実になるかもしれないという直感があった。

あれから月日が経ち、色々なご縁があり、今度、ダンサーのリカさんとコラボでライブをすることになった。昨日はその初顔合わせリハ。
実際に色々な曲を演奏し、何か感じるものがあったら自由に踊ってもらうことに。
その候補曲の中でなんとこのマーメイドもあったので、ついメンバーにこの夢の話をしてしまった。「え、僕の夢の中で踊ってたのって、もしかしてリカさんですか?(笑)」そもそも人に話すのは初めてだった。

ところで、バッハやピアソラが踊れる音楽から鑑賞する音楽へ変えたと言うけれど、優れた演奏を聴くと、静かに鑑賞するというよりは、土着的で荒々しい躍動感に溢れていて、むしろ「脚に訴えかける音楽」を感じる。音楽と身体は直結している。
バッハの無伴奏チェロ組曲ならピーター・ウィスペルウェイの演奏が好きだ。
左手が弦を叩く時に生じる「トトトトト」というノイズがまるでダンスのステップのように聴こえきて「ああ、元々これは舞曲だったんだ」と、その音楽の元々の素顔を立ち上がらせてくれる。



ピアニストのシーモア・バーンスタインさんはバッハの曲をピアノで弾きながら「まさか2本の腕で青空を手にできるとは」と語ったが、ダンサーはその腕と脚それこそ身体全体を使って青空や海や山々を取り込み、やがて身体が自然と一体になって色彩を帯びてくる。そう、ダンサーはまず音や風景を「手にする人」なのかもしれない。
身体は目に見えるけれど、そのダンサーが身体で表す風景は目に見えない。でも、その表している風景の感触のようなものを僕は感じる。目に見えないもの、言葉を超えたものを表現するという点では音楽とダンスはつながっている。

色々な曲に合わせて踊っていただいたが、いやはやリカさんのダンスは物語があり色彩や風を感じさせるものがあってとても素晴らしかったです。
夢が現実になるなんて不思議だなぁ。。。現実ではコントラバスではなくチェロを弾いていたという点が違っていたが。今こうしてチェロを弾いているというのも不思議だ。。
というわけで、有難いことにすでに満員御礼となっていますが、今度のライブは楽しみです。
bamboobass at 10:28│Comments(0) Live日記 

May 13, 2017

コジマサナエ Acoustic Version@横浜DOLPHY

GW前半は岡山在住のボーカリスト、コジマサナエさんのライブだった。
当初お客さんモード全開のつもりだったが、前日夜にサナエさんから誘われて、急遽僕も一緒に数曲演奏させてもらうことに。嬉しくて背筋が伸びたが、えええーー緊張。。。
ギタリストの廣木光一さんとは昨年の還暦パーティ以来か。
お二人が参加しているアルバム「Unconditional Love」を聴きながら就寝。

ライブ当日はリハーサルから本番、打ち上げまで1日ご一緒させてもらい、とても良い経験になった。

廣木さんのギターはエゴを出さない。そこにある音楽のためにプレイする。
最小限の音符を豊かな音色で奏でる。
丁寧に丁寧に、1本1本織物を織るような左手の押弦。
その音楽は、無数の星屑を探していく詩のようだった。
そして、ものすごい集中力。口元を見ると一音一音歌いながらギターを弾いている。
ギターの和音が響くと、あたかも遠く地平線の彼方から歌手を照らす太陽のように感じることがあった。
廣木さんと一緒に音を奏でるということは何と幸せなことだろう。。。

そんな廣木さんに寄り添うサナエさんの選曲は、
ご自身の言葉をかりると
強く、優しく、美しい曲達だった。
行間のある音楽。そこに聴いている僕達の想いが受け入れられる隙間がちゃんとある。

そんなお二人と共演できて、とっても緊張したけど、たくさんのことを学んだ。
また頑張ろう。

打ち上げでは楽しく呑み過ぎた。。。
そして久しぶりにシメラーをやってしまった。はい、頑張りました、自分。
でも、驚くほどの消化力。胃は少しもたれるが、翌日も何とか生きられた。
ムラバンリーダーの言っている別腹ということが最近よく理解できた。
bamboobass at 10:16│Comments(0) Live日記 

April 26, 2017

山々の音楽とラーガ・ロックの世界

Life is what happens to you while you are making other plans.
(人生とは、何かを計画している時起きてしまう別の出来事のこと)
                          星野道夫「イニュニック」より


先日は万象房さんで1月以来のライブだった。
深遠なインドの世界観とロックが融合した音楽を展開するApple Geetaさんとの対バン。
個人的には1月のライブが散々なものだったから、ライブの数日前から緊張してしまい、またまた軽めの便秘に。。。こうなってしまうのは不安要素があるからだ。
ライブ前の一週間、時間的に厳しかったが、不安要素を洗い出し、1つ1つクリアーにしていく。

まず1つは、カドバンズバールのライブで課題だったチェロで弓を持ったままのピッチカート奏法。
色々な弾き方を試してみる。随分悩んだが、ライブ直前になって何とか兆しが見えて、薬指側に重みを掛けるというのがポイントということに気付く。薬指の指紋が段々無くなってきた。。。本番では良い感じにポンポン鳴っていたと思う。
このやり方ならフレンチ弓のコントラバスでも応用が効きそう。

今、とっても影響を受けているSvante Henryson先生の演奏。中間部で野太い音色のピッチカート演奏が聴ける。


そして、ボサノヴァ曲でのソロ。これはジャキスさんのフレーズを取り入れつつ譜面を作った。
オブリガードでは、ブラジルっぽくシンコペーションにしたりと以前の譜面からバージョンアップ。
でも、本番ではやはり周りのサウンドとマッチしなかった。クラシックのように細部まで譜面化してあらかじめやることを独断で決めてしまうと、メンバーとの瞬間のやり取りが消えてしまう。
しかし、こうやって色々と試しながら、いつか即興でも出来るように自分のボキャブライリーを増やしていくしかない。

3年ぶりにオリジナル曲が出来る
そんな中、「茜雲」というオリジナル曲が出来た。オリジナルが書けたのは約3年ぶりだろうか。カドバンズバールでのミカコさんの鹿皮太鼓と声を織り交ぜた即興にインスパイアされたのがきっかけ。
その時の印象を思い出しながら、構成して曲に仕上げていった。
後でミカコさんが大きな時間の循環を感じさせるとても素敵な歌詞を書いてくださった。
本番前のスタジオで初合わせ。メンバーと意見交換しながら1時間ほど練習。僕の中ではアイリッシュ風のイメージだったが、段々変容してきて、ライブ本番では後で思い起こすとバルトークのルーマニア民族舞曲っぽい感じで弾いていた。楽団で以前やった曲だけど、知らないうちに影響って出てしまう。ルーマニア民族舞曲は「羊とヤギ」というチェロとパーカッションのユニットのヴァージョンが好き。
秋山さんのギターはチャランゴの響きになってポリリズムで絡んでくる。想像以上の世界観が拡がった。

羊とヤギ




ハンガリーのグループ 「ムジカーシュ」をフィーチャーしたオケの演奏。これも楽しい。


茜雲の土壌となった音楽
Ryuichi Sakamoto「andata」
The Gloaming 「The Pilgrim's Song」
Asaka Igarashi 「Escape」

春の芽吹きを感じさせる秋山さんの新曲
同じ時期に秋山さんも新曲が出来た。こちらは春の芽吹きを感じさせ、旋律には疾走感がありコード進行が美しい。これにもミカコさんが歌詞を書く。歌詞の中に出てくるカモシカは秋山さんでヒバリは僕のことを歌っているという。本番ではミカコさんは旋回しちゃうし。いやー楽しかった。本番ではスピードに乗れず全然弾けなかったけど、これからも大事に練っていきたい曲。

予想外の出来事が音楽を創っていく
移動中のお供に持っていった星野道夫さん著の「イニュニック」


星野さんの言葉の数々が綿に水が吸い込むように身体に浸透していく。
昔は途中で挫折したけど今なら読める。ミカコさんを始め自然派な方々との交流が増えた影響かもしれない。
その中に素敵な言葉があった。

「人生とは、何かを計画している時起きてしまう別の出来事のこと」

まさに人生!
事前に計画しているんだけど、本番でメンバーの音に触れていくうちにどんどん閃きが起こって、結局予定外のことをやってしまうんだよね。。。
その閃きとは、例えば、川の水脈を自分で見つけて、そこにスーっと入って、そのまま身をまかせて流れることが出来るかというイメージ。本番ではその閃きに従ってスーッといけた瞬間が何度かあった。

人事を尽くして天命を待つ、あとは共演者の音を聴く。そうすると一人で練習していた時には思いもよらなかったフレーズが出てくる。自分で自分を発見していく旅のようだった。
そして集中力と「えいやどうにでもなれ、やるしかない!」という覚悟と勢い。本番のステージで大事なこと。今回の現場で学んだ。
ムジモンのライブにチェロで参加して今回で4回目。チェロで初めて確かな手応えを感じたライブだった。
ここまで来るのにほんとしんどかったけど楽しかった。僕の音を受け止めてくれているメンバーや周りの人達のおかげ。これからもがんばろう。

Apple Geetaさんのステージ
次はApple Geetaさんの演奏。
kigawaさんのグルーヴィーなギターと、良い意味でちょい悪な感じの歌、そこにアキコさんのチャーミングな歌とシタールが絡む。ポップでロックな雰囲気の中でシタールが響いて新鮮。さりげなくインストの曲や7拍子の曲をやったり、とってもかっこよかった。

最後はみんなでセッション。個々の音楽性が混じって多国籍な演奏に。

アフターでは山伏研究家でもあるkigawaさんの土地にまつわる色々なお話が聞けて面白かった。神様の性、縄文と弥生など。そして、アキコさんによる色々な神様にまつわるお話やヴィーナのお話など。
僕はお店にあったインドのサーランギという楽器を弾かせてもらった。
右手はコントラバスのジャーマンで応用が利きそう。でも左指は弦を押さえるのではなく、爪のちょっと上の部分を弦に押し付けて音程を変化させるみたい。弦で指が擦られて痛たたた。ヴァイオリン属やヴィオール属とは全然原理が違う。
弦は40本近くあるとか!?チューニングで1日が終わってしまいそう。。。
擦弦楽器の親戚を巡る旅をしてみたい!

皆様、ありがとうございました!

写真は万象房さんのブログより拝借。
山々の音楽とラーガ・ロックの世界


やまやま


旋回!


APPLE GEETA


全員セッション!


記念撮影


サーランギを弾く
bamboobass at 23:13│Comments(0) Live日記 | チェロ

March 26, 2017

山々の音楽会

でも前例がないからとか、そういうことを頭に少しでも浮かべてしまったら、新しいことは何ひとつ動き出しはしない。新しいことはいつだって、無謀で無計画で、前例がなくて保証がないところからしか生まれてこないのだ。
                          鹿子裕文 著「へろへろ」より

準備したら心は踊らない。つまり、違う次元で準備はするということ。
名越康文


3.11の翌日はMusica das montanhas (ムジカ・ダス・モンタニャス)、略してムジモン(ポケモンではない)のライブだった。
チェロ弾きの弟が頑張ってくれた。チェロを持つようになってから初のワンマンで、しかもプログラムは全てメンバーのオリジナルという。ハードル高かった。。。
このライブを迎えるまで期待と不安と強迫観念が入り混じってソワソワした感じで、このよくわからないストレスが原因なのか?急に便秘になってしまった。ネットで情報探して「3Aマグネシア」という軽めの薬を購入。薬のおかげで5日ぶりに出る。あ〜よかった。。。ホッ。。。3月に入り花粉症の症状もきつくなってきた。(3月下旬の現在は症状が軽くなった)2月は寒さと乾燥で身体の免疫が下がり、ほんと自分が惨めで辛かったが、何とか乗り越えた。

今回はミカコさんが鹿革の太鼓を初お披露目。
その太鼓を叩きながら歌う姿は、我々がいる人間の文化と動物の世界や自然界の狭間を歌でつなげる巫女のよう。
そして、秋山さんの昔の曲を新たに取り上げて歌っていた。その失敗を恐れず果敢に挑戦していく姿にとても感銘を受ける。

秋山さんのギターは緑色の風(Vient Verde)を吹き荒らし変幻自在。

僕はそんなお二人の演奏についていくのに必死で、脳のパラメータは常にマックス値で、時に赤色点滅、フリーズを繰り返したが、暖かく大らかなメンバーとお客様とお店の空間に見守られ、無事演奏を終えることが出来た。ありがとうございました。カドバンズバールはやっぱりムジモンのホームだなぁ。

演奏中は、まるで濃い霧の中を綱渡りしているようで(このバンドは本番になるまでどういう演奏になるかわからない)その先は光が広がっているのか、はたまた暗い沼地に落ちるのかわからず、スリル満点の時間で、こんなに脳みそとブルース(魂)を使い切ったライブは久しぶりだった。
ライブ後は緊張が解けて顔が緩々になってしまった。聴いてくれたお客さんには、そんな僕のライブ中の表情とライブ後の表情の違いが面白かったようだ。

今までやっていた曲はさらに深みが増し、3.11のために書いた秋山さんの新曲など新たな試みもたくさんあり、とても楽しく充実した時間だった。

最近は政治のお話しは嘘ばかりで、もはや何が本当かわからない不安な世の中。
で も、こうして音楽をしている時の時間は「本当のこと」「真実」だと言える。
これからも頑張ろう。

【セットリスト】全て3人のオリジナル
1st
やまやまの唄
!Nos vemos pronto!
GRANA
Voice of the sun
小さな祈りの歌
Onenote茶豆

2nd
Vient Verde
休息
雨水回帰
Mermaid
このはずく
しろくじら
Terra Flora

アンコール


やまやまの音楽会


やまやまの音楽会


やまやまの音楽会


やまやまの音楽会


やまやまの音楽会



このライブに向けて準備してきたこと
1. 弓を持ちながらのピッチカート奏法を考察し、弓とピッチカートの柔軟な切り替えを目指す
2. ハーモニクス奏法
3. 大きなメロディを歌う練習
4. 無理して高い音を弾かない

Svante Henrysonのロックなチェロ
チェロを持って即興で演奏するのは、僕にとってまだまだとても勇気がいる行為だ。
自分自身のスタイルをどう構築していけばいいのか常に考えている。
そんな中、北欧のチェリストのSvante Henrysonの動画を偶然見つけて、ああ、そういえばサックスのMorten Halleのアルバム「Ten Easy Pieces」 に参加していたのはスヴェンテさんだったなと思い出す。また出会い直す感覚。このアルバムは、サックス、チェロ、Anders Jorminのコントラバスという変わった編成で、もともとAnders Jormin目当てで購入したわけだが、ここでスヴェンテさんのチェロを始めて聴いて、「何だかノリがロックな雰囲気の面白いチェロだなぁ」という印象。
そのAnders Jorminと共演している動画がある。


ウィキペディアを読むと、なんと元々はベース奏者で、独学でチェロを始めるという記述があり、「おお、僕と似ているなぁ」と勝手に親近感が湧く。
イングヴェイ・マルムスティーンのバンドでベースを弾いていたキャリアから、彼の根にある(と感じる)ロック的な要素はこういった活動の影響があるかもしれない。
それから色々調べると、スヴェンテさんの奥さんはボーカリストで、なんとチェロと歌のデュオのアルバムを出しているという。早速購入。


エルトン・ジョンやプリンス、ジョビンからエバンスまでジャンルレス。さらに数曲チェロの独奏曲が入っている。僕のバイブル的なアルバムとなった。かっこいい!彼のように弾きたい!何よりそういうプレイヤーに出会えたことが嬉しかった。CDを毎日聴いて採譜していく日々が続いた。

↓  二人で演奏している動画もあった。
ここでのWillow Weep for Meなんか、もうギターみたい。スヴェンテさんのチェロは本当に自由自在でとにかく発想が面白い。エンドピンが無いバロックスタイルのチェロを弾いている点も気になるところ。
上記の1と2はそんな彼の奏法からヒントをもらい、自分なりにあーでもないこーでもないと模索している最中だ。動画をよく見ると、ピッチカートの場合は人差し指で弓を持って、中指を中心にピッキングしていて、音の厚みを出すために時折薬指も添えてピッキングしているようだ。今回のライブで早速その奏法を試してみたが、PAを通すと、爪が弦に当たってしまい、線が細く音色が軽くなってしまうので、結局親指でピッキングしたり。音量バランスもまだうまくコントロールできない。もう少し考察が必要だ。
今回のムジモンのライブでは、ギターソロのバックで弾くという場面もあり、良い経験になった。



ロックだなぁ〜


この曲が原曲か。。。アーロン・コープランドの曲らしい。




Jaques Morelenbaumのチェロ 大きなメロディ
僕が最初に好きになったチェリストがジャキス・モレレンバウムさんだ。ジョビンとの共演など、ブラジル音楽には欠かせないチェリスト。5月には日本に来るみたい。楽しみだ。
ムジモンと同編成の動画を発見。色々な小型パーカッションを叩きながら歌うパウラさんがすごい。ジョアン・ドナートのかえるの歌もやってる。ここでのジャキスさんのソロも採譜して、真似っこしながら練習。僕はこういうブラジルのカチッとしたリズムの曲が苦手。シンコペーションの連続。今後の課題だ。




↓ この動画はスタジオ版だが、坂本龍一との東京でのライブ版があって、それがとにかくライブ感に溢れた感動的な演奏なのだ。冒頭のチェロのソロは、まるで声で歌っているよう。とてもスケール感の大きい演奏。ジョビンの雄大なメロディ。これも採譜して、毎日真似っこして弾いてた。
Live in Tokyo 2001
MORELENBAUM2 / SAKAMOTO
ワーナーミュージック・ジャパン
2001-11-21


ジャキスさんの影響で、今回のライブでは余計な小細工はせず、ストレートにメロディを弾いた。ゆったりとした曲では、ようやく自分のイメージに近い音色をコントロール出来るようになったかもしれない。



ジョビンのAs praias desertas。
2:25あたりから始まるチェロのメロディに、魂が上にふわっと持ってかれて、何ともいえない気持ちになる。美しい曲。


イメージ先行型
というわけで基礎練は全然やっていない。教則本をやっていてもよくわからない。本当はいけないだろうけど、今はそういう時期なんだろう。
日々の生活があって日常に疲れていると、練習時間を確保するのも大変で、練習と言ってもただ楽器に慣れ親しむだけで終わってしまい、全然創造的じゃなかったりする。
まず出したい音のイメージがあって、それを再現するにはどういった練習をしたらいいか?というのが大事だと思う。この順序を間違ってはいけない。
それがあったうえでの基礎練と教則本だ。今の僕はまだその時点まで到達していない。自分が出したい音のイメージをまだ探し求めているところ。
bamboobass at 22:13│Comments(0) Live日記 | チェロ