ベーシストたけっちブログ

都内と横浜で活動するウッドベーシスト“たけっち”のブログです
Copyright © bamboobass All Rights Reserved.

January 2017

January 16, 2017

木漏れ日新年会

ジャズはリアクションの音楽です。「いつもこう」ではなくて、「あのときベースがああ来たからこう」の音楽です。
エヴァンズの即興性は、同じ小節を何百回何千回もさらって、無数のパターンを吟味しているからこそ、瞬間的にその場のムードにいちばんぴったりしたものを選べるという感じでしょうね。

             フィリップ・ストレンジ(「すごいジャズには理由がある」より)



明けましておめでとうございます。
新年最初はmusica das montanhasでのライブだった。
場所は町田にある万象房さんというこじんまりしたお店で、楽器の問題もあり3人入れるかわからず、最初ミカコさんは悩んでいるようだったが、「やっぱり3人でやりたい!」ということでお声をかけていただいた。
コントラバスだと場所をとってしまうので、昨年11月の厚木でやったライブに続きチェロで参加。

チェロということで、やはり本番迎えるまでの日々はネガティブな感情ばかりが浮かんでしまう。
でも、そんな不安もリハでメンバーと音を合わせてから吹っ飛んだ。
この日のためにあらかじめアレンジを考えてきたが、結局そのアレンジのとおりに弾いたのは1曲だけ。とほほ。。。メンバーの音を聴いてると、いろいろと閃きが起こって、やっぱりその場で反応して弾くのが自然だと思った。
逆に台本とおりに弾いても、その瞬間瞬間のサウンドにマッチしない場合が多い。譜面に書くと今度はその譜面に依存してしまって周りの音を聴かなくなり、サウンドしなくなる可能性が出てくる。
Bill EvansがWho Can I Turn To という曲のうち、わずか数小節のボイシングをどうしようかあれこれ試しながら弾いていて、これだ!と思っても結局譜面にしなかったという。譜面化するとかえってアイデアが固定されてしまうからだ。譜面にせずどんな形にもなれる柔軟な液体のままの状態にしておく。本番ではそのサウンドにマッチする音を瞬時に選択して弾いていたという。即興と同時に瞬間の作曲行為。僕が考えていたのはその話に近いかもしれない
やっぱり自分の頭で考えたこと・感じたこと。そして瞬発力。それが一番強い。1つのモチーフを頭の中で発展させていく能力。。。

今回も色々と発見があった。
ギターとチェロで同じアルペジオをやっていてもサウンドが溶け込むことを発見したり、ミカコさんの声とチェロでハモったり。今までの曲に新たな命が吹き込まれる。ワクワクゾクゾクする瞬間だ。

町田の万象房さん、初めてお邪魔したが、とても素敵なお店だった。
お客さんの期待感がひしひしと伝わってくる。演奏者の熱気をダイレクトに感じてくれて反応してくれる。下手なごまかしは効かない。温かくもとても厳しい場所だ。
終演後、聴いていた方々からポジティブなご意見、ネガティブなご意見、色々といただく。
「チェロより慣れてるベースを弾いてた方がいいんじゃないか」
ごもっともだ。僕はこれからもこういう声と闘うことになるだろう。
やっぱり音程だね。チェロになるとかなりシビアになる。そして自分が弾きたいと思った音を楽器に変換して弾く能力が足りない。迷いがあると音程が甘くなる。
教則本をそのまま弾いてても違和感があったんだよね。
対バンの電気ブランコさん、しんごとひでこの演奏は個性的でとっても素敵で、本当に自分が好きなもの・出したい音を奏でていた。たくさん刺激を受けた。

とっても楽しかったけど、結構ヘコんだ。でもいろいろとやるべきことが見えてきた。結局信じられるのは「自分」だけ。僕はこれからもめげずにチェロを弾き続けるぞ。

ライブの最後に出演者全員でセッションした時の動画。電気ブランコさんがアップしてくれた。
曲は「mist covered mountains of home」というスコットランドの民謡。
素敵な日本語歌詞をミカコさんが付けてくれた。
ああああ、自分のチェロの演奏がへなちょこ過ぎる!精進します。。。


たいしゅんさん作成の素敵なフライヤー


電気ブランコさん


しんごとひでこ


2


みんなで

写真は万象房さんのブログより拝借
bamboobass at 22:00│Comments(0) ムジモン