2012年09月

・2012年夏選手権1回戦(4日目第2試合)

日  大  三 (西東京)000 000 001 1
聖光学院 (福  島)100 000 01×  2

 1回戦のなかでは注目された一戦。しかし日大三は例年の強打が見られず、夏予選もロースコアの逆転や辛勝の連続。甲子園経験も積みしぶとさを増している、聖光学院のペースになるのではないかと予想した。

 そこまでは予想通りだったが、試合が始まってみると、聖光学院も投打ともに目を見張るものはない。しかし守備だけはシフトも球際の強さも素晴らしく、何本も安打や長打を防いだシーンがあり、まさに守り勝ちであった。日大三は5回表にサインの見落としによりスクイズを失敗。7回裏にも平凡な投ゴロを送球エラー。この回はなんとかしのいだが投手交代せざるを得なくなり、8回裏に大きな1点を失った。打撃戦ならこの程度のミスもカバーできるが、ロースコアの接戦になると微妙なミスが大きく響く。ただし率直に言って、この年の両チームは、例年と比べると、ともに力が落ちる印象を受けた。
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・2009年夏選手権1回戦(1日目第3試合)
八千代東(千葉)001 000 100 2
西   条(愛媛)002 000 01× 3

 この年の西条は、秋山(現阪神)・徳永の投手陣を擁し、秋から評判が高かった。PL学園に0-1で惜敗。しかし夏の県予選を勝ち上がり、今度こそ活躍が期待された。
 八千代東は激戦の千葉県大会をノーシードから勝ち上がったチームで、秋山はそれなりに抑えていたが、打線にあと一本が出ずなかなか突き放せない。8回にようやく1点を入れ逃げ切ったが、強豪に通用しそうな雰囲気はなく、次の明豊戦は完敗だった。

 かつては野球どころと言われた四国勢も、現状明徳義塾以外は期待されるチームでも結果を残せず、低迷が続く。特に本州のチームと比べて、選手の体格や打力が大きく劣り、夏の大会では顕著に表れる。島部であり本州との交流が少ない点、島内でも都市や学校が分散し交流が希薄な点、めぼしい産業がなく経済力が低い点等、地域全体の課題とも関連していると考える。



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・2009年夏選手権1回戦(1日目第1試合)
常 総 学 院(茨城)211 000 000 4
九州国際大付(福岡)002 500 10× 8

 常総学院・木内監督の甲子園での最後の試合となった。序盤からセーフティバント等、らしい攻撃で4点を先制するも、投手陣が持ちこたえられず逆転。その後は淡々と試合終了まで進行した。おそらく木内監督は戦前から、戦力では相手より劣ると思っていたのではないか。途中から次々と選手を替えたのはお家芸だが、まだ3点差にもかかわらず、早々に勝負をあきらめてしまったようにみえたのが残念だった。甲子園では相当な大差でもない限り、最後まで勝負にこだわった方がよいと思う。

 このとき木内監督は70代後半。さすがにこの年齢で、7月の県予選から8月の全国大会まで、炎天下の中指揮し続けるのは重労働だろう。もともと2003年に勇退したが、その後常総学院が低迷したため復帰した。引き継いでいた持丸監督は、茨城県内で実績もあったが、守備中心の野球で中堅県立校を勝たせるタイプで、木内監督とまるでタイプが違ううえ、いろいろと木内監督の影響も残っていたのが、旨く行かなかった原因ではないかと思う。

・2009年夏選手権1回戦(1日目第2試合)
興 南(沖縄)010 110 000  3
明 豊(大分)000 002 011× 4


 高校生は身体が成長期課程にあるため、勉強や文化系競技と比べ、スポーツにおける学年差は大きい。1年や2年で活躍できるのは、それだけで大したものである。ただし下級時に活躍しても、故障や精神的な問題なのか、上学年で活躍できない選手も多い。その点、1年から3年まであれだけ活躍し続けた桑田や清原は、完全に別格だったのだろう。

 この試合を観て改めて感じたのが、その点である。興南・島袋は5回まで完璧なピッチング。しかし雲ひとつない炎天下のなか、後半はスタミナ切れ。徐々に追い上げられ、逆転負けとなった。しかし2年生であそこまで投げられれば責任は問えず、敗因は援護できなかった打線だろう。後半は加点できそうな気配もなかった。島袋は体力さえ増強すれば、来年もさらに活躍できるだろうが、バックがこの打線では、チームとしての活躍は無理ではないかと感じたが、翌年は攻撃力も格段にあがり、春夏連覇となったのはご承知の通りである。

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・2000年夏選手権2回戦(6日目第3試合)
丹   原(愛媛)032 010 020 8
光星学院(青森)101 010 43× 10

 松山商、宇和島東、今治西、西条、新田、川之江等、強豪が多い愛媛県で、周桑郡という郡部にあった(現在は西条市)丹原高校は、県内では知られた存在であったが、なかなか甲子園までは届かなかった。しかしこの年、西条、今治西を二桁得点で連破し、とうとう初出場。甲子園に観に行ったのは、正直、もう二度とないかもしれないという思いもあったからである。

 序盤から打線が活発で、中盤までリード。しかし光星学院に着実に点を返され、最後までリードを保てる感じはしなかった。7回に投手交代直後に本塁打を浴び、とうとう逆転されこれまでかと思ったが、8回表に再逆転。しかし投手陣は限界で、その裏3点を入れられ、ここまでだった。しかし慣れない大舞台にもかかわらず、18安打と打線は十分に力を発揮し、関係者は納得いく敗戦だったのではないかと思う。

 光星学院はそれまで数回甲子園には出ていたものの、これが初勝利。この大会ではベスト8、翌年はベスト4に入り、強豪として知られるようになった。古くは智弁和歌山、近年では駒大苫小牧など、ひとつ勝つと一気に勝ち出す例が多い。選手、監督、関係者とも、やはり心理的な壁があるのだろう。

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