image「ふくしまからきた子」を手にとったのは、震災の翌年の寒くなる頃で、わたし自身も、周りの人々も普段の生活は送れているとはいえ、まだまだ心揺れることが多い時期でした。
福島をのがれて広島に避難(自主避難かどうかは書かれていない)した女の子と迎える男の子の周りの人々の描写は、福島に残って生活している私達からするとあまりにも切なく苦しい。そう思ってページを閉じました。
やがて、2年3年とするうちに、私達には多くのデータが示されるようになり、不安でいっぱいだった生活は、その情報を活かすことによって前向きに明るいものに変わっていきました。もちろん、なにも問題なしということではなく、この馴染み深い土地から離れずに生きていくことができる知恵が。
しかし、このような地道なデータや実践よりも、むしろ「住めない論」のようなセンセーショナルな考え方の方がもてはやされ、最近ではむしろ、風評被害による差別や心の傷のほうが重大なのでは、とおもうようになってきました。
imageそんなとき(ちょうど一年前のことです)、ひょんなことから作者の松本猛さん・松本春野さんとお会いできるチャンスが巡ってきて、私は、迷わず福島市でずっと子どもたちをめぐる問題と取り組んできた若いお母さん達をご紹介しました。
そのメンバーに「福島・渡利でずっと子育てしています」の著者のおひとりもいて、そのことがご縁で、震災後、ずっと丁寧に放射能対策をして元気に活動している保育園をご紹介することができました。
imageそのあとも、ご自身たちで県内でたくさんの取材を重ねられて、ついに「ふくしまからきた子 そつぎょう」が出版されたということでした。
郡山出身の西田敏行さんが帯にメッセージを寄せられているこの絵本を、たくさんの皆さんに手にとっていただきたいなぁ~!
そして、先の「ふくしまからきた子」も久しぶりに開いてみました。
imageこの子は、本当にいた子。とあらためて思いました。そして、あの時は気付けなかったけれど、私たちの苦しみ悲しみに寄り添おうと心をこめてくださった絵本でした。
この二冊は、片方だけでなく、両方一緒に手にとっていただくのがよいのかもしれません。