盤上没我

中年アマチュア将棋指しの自戦記。レポート。或いは別の何か。

カテゴリ: 小金井将棋研究会

image




武蔵小金井駅の発展はめまぐるしい。一月が経つと新しい店が出来ているように感じる。今月はカルディが入ってた。



image


小雨がぱらつく中を上野原会館まで進む。会館前でSTさんとKMさんに出会う。どちらも共に四段。強者の邂逅。


image




image



12月の小金井将棋研究会は一年の総締めくくりということで、グランドチャンピオン戦。参加人数もなんと10人!ということで、私がこの研究会に参加して依頼の初めての二桁を迎えた。やはり、この人数になると人々の活気のようなものが生まれて盛り上がりを感じる。是非来年もこれぐらいでやっていきたいところだ。



image




初戦は女性アマ強豪のTMさん。振り飛車の軽い捌きと緻密な序盤で、たいてい私は作戦負けになってしまうのだが、今回も相手の1四角に1六角と合わせてみる。以下、2五桂と跳ねてきたので、同角と取ると・・・



image




2四飛でアッチョンブリケ。結構もうどうしようもなくなってしまったので、暴れてみたがどうにもならず負け。恐るべし三間飛車。合気道か何かで宙に投げ飛ばされたような気分を味わいました。



image




次は片思いライバルMDさんとの指し納め。居飛車の戦型なら一通り指している我々だが、今回は相掛かりを誘われるものの、自信が無かったので角掛わり棒銀に。上図はなにやら9筋が焦げ臭い。定跡ではこちら側は早繰り銀が普通だが、腰掛け銀にした本局は、こちらが定跡から外れてしまい、ねじり合いに。最後はなんとかかんとか勝利だったが、感想戦ではこちらが即詰みに打ち取られる順があり、事無きを得る。一手余しているかとは思っていたがやはりMDさんの中終盤の寄せと粘りは恐ろしい。羽生の頭脳でもう一度おさらいをしておく。



image




年内最後になりそうな指導対局。上図は飛車落ち上手の田畑先生が5五歩と突いたところ。銀挟みが見えているが、挟まれた瞬間に6四から桂馬を打ち込んで、駒をばらせば3一角から両取りがかかるのではないかということに気づき、じゃあ桂馬を取らない場合の玉が逃げたあとの次の一手は何を指す?と時間を使って読みを入れる。結果、▲同銀→△5四歩→▲4四歩→△3二銀→▲6四桂に△6二玉。ここで2四飛と走れば上手が歩切れなので金駒を入手して明確に勝てそうだった。本譜は▲4三角と露骨に打ち込んでもつれるも、なんとかそのまま寄せきり。久しぶりの飛落ち勝利となった。指導対局で勝つのは今年の5月のペンクラブ以来かもしれない。それくらい長く、長く、待ちわびた勝利だった。



image




先の対局で、充足に等しい満足感を得てしまったので、ちょっとふわふわしながら四段のITさんとの角掛わり右玉。ここで私の手番なのだが、一目散に3二桂成としてしまったが、ここでは6四歩と手裏剣を飛ばしてから5二桂成が勝ったようだ。ここから本譜は△5五角と攻防に打たれ、縦、横、斜めのコンビネーションでこちらの囲いは瓦解。しかしながら苦し紛れで打った金の攻略に少しITさんがてこずっている隙に速度の逆転に成功。高段者との時間ハンデも大いに味方し、最後は寄せきる。




優勝は女性アマ強豪のHMさん。まだ若いながらもKMさんを降しての勝利は見事だ。相横歩取りの感想戦は見ていてとても勉強になった。

懇親会から伊藤能六段も参加し、今年の打ち上げとなる。二十年前の将棋ジャーナルを記事が面白いからと伊藤先生が持ってきて下さった。奨励会三段当時の田畑先生への団鬼六先生のコメントがエッジが効きすぎていて、素晴らしく面白かったが、田畑先生の名誉のためにもここには載せない。(こうして名誉は守られた)

小金井将棋研究会自体は今年の2月から暇を見つけては参加しているが、非常にレベルが高く、初段から二段ぐらいだと教えて頂くことがほとんどだ。初見だとこういう少人数のグループにありがちな内輪感みたいなものがあったりして入りにくいところもあるかもしれない(出していないつもりでも出てしまうレベルの話だが)。けれども臆せず、2、3回は足を運んでみてほしい。そこには道場とも大会とも違うアットホームな時間が流れているはずである。

参加者の皆さん、幹事の平野さん、田畑先生、伊藤先生、小池先生、一年間ありがとうございました。そしてまだ見ぬ将棋好きの皆さま方を含め、来年もよろしくお願い致します。


DSC_0335



11月22日日曜日。

11月は2回研究会があったが、後半に参加させて頂いた。3連休の中日。コートが一枚欲しくなるような気温で季節はもう冬にさしかかっている。

参加者は私含めて6名。時計ハンデ戦も段々定着し始めて いるような感じがあり、相変わらず時計のセットには全員が四苦八苦しているが、駒落ち戦との違いを楽しんで頂ければと思う。

このブログも文章ばかりではあれだとは思っているので、たまには盤面を出そうと思う。そもそも将棋のブログだというのに盤面が出てこないというのもなんだか、少し、あれだ。



DSC_0338



Sさんとの対局再現図(相手四段、時計ハンデ有)

ノーマル三間対四枚チック左美濃の対抗系。こちら側の手番なのだが、次の7六歩がめちゃくちゃ厳しい。かといって、7九玉も5六に拠点を作られている関係もあって、後に金やら銀やらを打ち込まれてガリガリ剥がされる展開になった時に玉があぶなっかしい。ということで9八玉とよろけたが、9五歩から攻められて負け。Sさんは苦しみながら悩みながらも次に厳しい手を捻り出して来る。この展開も5五馬と引きつけられる構想にやられた。6六のところに歩を突きだして高美濃に組んだ形の方が飛車角交換に対応出来るような気がする。



Tさん(相手三段、時計ハンデ有)

角交換三間の対抗系。早い段階で角交換となり、角を打ち込まれてじっくりと馬で攻められる展開に。争点を求めて暴れるもあえなく切らされて負け。序盤での作戦負け感が強いので、さらに慎重な駒組みと定跡書の読み込みを課題としたい。
 


Kさん(相手四段、時計ハンデ有)

後手番横歩取りとなったので、3三角空中戦法から7二銀からの立ち上がりで攻めることにする。主導権を握って攻めるも、手順前後で厳しい手が指せず、逆転負けに。前回、相横歩取りで完膚無きまでに叩きのめされたので、少しでも相手玉を脅かせたのは成長と言えるかもしれない。



小池先生(飛車落ち)

先日、羽生四冠と静岡県アマ名人との対局で羽生四冠に勝ったその戦型は右四間だった。ということで、右四間を採用。居飛車引き角の可能性はもっと追究していきたいところだが、右四間の優秀さを再確認する一局となった。仕掛けのタイミングはよかったようで、攻め方も良かったのだが、終盤に手が見えず、あえなく頓死。受け方の勝手読みをしてしまったが、あれは酷かった。先生の玉も相当寄り形かと思って、検討させてもらったが、意外と粘りのある形らしく、助かってるかもしれないというところで検討終了。おそらく小池先生との今年の指導対局収めだったのだが、惜しかった。あと一歩のところまで、来たので是非来年は勝利を収めたい。



Mさん(相手二段、時計ハンデ無)

時間もだいぶ無くなって来てしまっているので、早指しで指す。横歩取りと予想していたが、まさかの角換わりに。よく考えると私の後手番角換わりだったので歩の位置やら手得の形としても定跡に合流するはずだったのだが、手順前後があって一方的な手損になって攻められてしまう。ただし、今度はMさんにおそらく手順前後があったようで、駒得から優勢を築くことが出来て勝ちきる。 来月の戦型が今から予想がつかない。



対局終了後はその場で打ち上げに。小金井将棋研究会はいつもながらの空気でいつもながらの和気藹々さで進んだ。来月の小金井研究会はちょっと豪華にやるらしいので、なるべく都合をつけようとは思う。参加者の皆さん、お疲れ様でした。来月もよろしくお願いします。
 


DSC_0159

 盤の前に座り「よろしくお願いします」の一言を発すると、普段は気にせずとも稼動している感覚のレーダーをそっとオフにしていく作業が始まる。一手指す度に、一手指される度に、自らの身体に幾つ存在するのかもわからない日常装置の電源を切っていく。7六歩、オフ。3四歩、オフ。2六歩、オフ。といった具合に。 そしてそれと同時に少しずつ将棋を指すためのシステムが立ち上がっていく。駆動が肌で感じられるようになる。 8四歩、オン。2五歩、オン。8五歩、オン。オフとオンが高速で繰り返されていくうちに、形成されていくのは将棋という盤上遊戯に没頭する一つの有機体。勿論、それが対面にもう一つ。10月初旬。連休の中日に行われた秋の小金井将棋研究会は総勢5名の少人数、普段より一回り小さな一室で行われた。



 午前中のNHK杯の藤井九段の鮮やかな振り飛車の指し回しに見惚れすぎたのか、支度に手間取ってしまい、トーナメント開始時間(だいたい午後1時半頃だ)には少し間に合わなそうという事前連絡を平野さんに行い、上野原会館に着いた頃には既に対局は始まっていた。Oさんはどうやら私を待っていてくれたらしく、早速対局が行われる。 本日の研究会は時計ハンデ戦なので、棋力に差があると持ち時間に差がつく。

  私は二段。Oさんは初手合いで三段。Oさんの方が5分程持ち時間が少ない状態で対局開始。先後は振り駒で行われる。私の先手で戦型は横歩取り。後手のOさんは3三角戦法からの中座飛車+中原囲い。攻めと堅さのバランスが取れた陣形を武器に猛然と私の中住まいに襲いかかる。お互いの飛車と角が近いところでぶつかり合う非常に激しい戦いになり、ついにこちらの陣形が破られてしまう。駒は入手出来たので、着実な攻めはあるが、いかんせん手番が回って来ないため、私はなんとか相手の攻めの速度を下げる遅滞行動に出た。これが功を奏し、終盤で逆転。なんとかそのまま勝ちきることが出来た。Oさんとは感想戦も丁寧にやって頂き、こちらのイメージとあちらのイメージの擦り合わせがうまく出来たように思える。


 矢継ぎ早に対局を行う。次はFくん。時計ハンデは無く、こちらの先手だ。最近のFくんは振り飛車を指すようで、今回は居飛車穴熊と振り飛車の対抗型に。途中でまるまる一歩損をしてしまい、さすがに穴熊と言えど、駒得を主張しながら攻めてくるFくんの堅い指し回しに終始頭を悩ませる展開が続き、最後は少しもつれるも、あえなく投了となった。Fくんは序盤から落ち着いており、終盤の踏み込み方がもっと鋭ければ私の完敗譜となっていたと思う。


 次は私の片想いライバルのMDさん。時計ハンデは無く、私の先手。前回は矢倉展開からの忍者銀で大駒の飛び交う空中戦となったが、今回は横歩取りからの序盤から一気に終盤のジェットコースターに。手順に駒得を果たす展開となり、そのまま一気の寄せを試みて勝ち。これでまた勝率は五分ぐらいに戻しているのではないかと思うのだがどうか。次も勝てるよう日々精進するだけである。



 指導対局は田畑先生。飛車落ちにて指導して頂く。居飛車引き角にて囲いの構築を推し進めるが、早々に6筋の位を取られて、膠着状態に。上手から打開を図って頂き、中盤までいい気分で進めたりもするが、終盤に受け間違いをしてしまい、馬を素抜かれてしまう手順に進んでしまう。こちらの攻めの火種を取られてしまっては勝負にならず、投了。中盤までは悪いながらもしっかりと指せていたところもあるが、勝ち切るまでにはまだ寄せも受けもレベルが足りない。残念ながら力不足だ。



 最後はこれまた初手合いのSTさん。後の懇親会で知ることになるのだが、私よりずっと前から小金井将棋研究会に参加されている方で、今回は都合が合ったため、参加されたとのこと。STさんは四段なので、私が10分のハンデをもらい対局。私の後手居飛車にSTさんは向かい飛車で対抗。角筋を避けるために端玉銀冠のような形になるも、最後はその端から攻めを殺到されて負け。後に、平野さんや田畑先生にも感想戦に加わって頂き、いろいろな攻め筋を教えて頂く。やはりどれもいい意味で嫌らしく、簡単には振りほどけないもので、かといって放っておくと酷い目に合うという非常に参考になるものを検討させてもらった。

 


 本格的な秋なのだろう。最終局が終わる頃にはもうすっかり日も暮れてしまった。優勝はMDさんとなったが、勝ち数ではSTさんも並んでおり、今回も混戦模様の決着となった。懇親会からは伊藤能六段にも参加頂き、将棋な話をひたすら上野原会館にて行う。王座戦第4局の話や当時の奨励会の話など、非常にためになるし、楽しくもある、有意義なものとなった。お二人の許可を得ているので、最後に懇親会の様子がわかるものを一枚乗せておく。きっと見る方が見れば、何か言葉では表せない懐かしさや想いが浮かび上がってくるのではないか、そんな一枚だと思う。参加された皆様、お疲れ様でした。11月8日は私用のため参加できませんが、次回もよろしくお願い致します。まだ来られたことの無い方は是非飛び込んでみて下さい。お待ちしております。



DSC_0283

(左:伊藤能六段 右:田畑良太指導棋士六段 平成27年10月小金井将棋研究会にて)

関連参照記事:将棋ペンクラブログ:「兄弟子同士、弟弟子同士が親友」   
  

「端歩を突かれたらまずは取る手を考えなくちゃ」

いつぞやの伊藤能六段との言葉が頭をよぎる。
対面には小池裕喜指導棋士五段。
小金井将棋研究会での指導対局。

 ここまでは非常に満足のいく駒組みを行えたと思う。居飛車引き角からの6筋位取りを目指した格好。角筋が相手陣形に直射しており、間接的に相手の角の動きを制限している。じりじりとした展開の中、ついに上手から突かれた9筋の端歩。

強く同歩。
桂馬が飛んで来る。
落ち着いて、それも呼び込む。
気持ちはむしろ上手で桂頭に歩を突く。

やってきて下さい、と。

当然、緩みのない上手の端攻めが始まる。受ける。受ける。受ける。

「相手の打ちたいところに打って歩を打つ隙間を与えない」

どこかの本で読んだ手筋中の手筋を使う。

反動と同時に駒を捌く。解す。
いくつかの持ち駒が集まる。寄せのラインが見えてきたような気がした。





 9月の小金井将棋研究会は6~7名でいつもの通り行われた。指導対局だけの方もいたり、小学生とその親御さんが2名も参加されたりと、少しずつ年齢層としてもニーズにしても多様化を見せつつあるのかもしれない、そんな可能性に満ちた面々が集まったように感じる。何故か、苗字が「マ行」と「サ行」で始まる方が多かったりしたので、自分でわかるように少しイニシャルを足して区別を行うことにする。今回は駒落ち戦だ。



一局目。SOくん(三段。平手でこちら先手)
 本格的な角換わり腰掛け銀での競り合いに。中盤。SOくんの攻めが少し切れ気味になったかと思い、受け切る方針に変える。こちらの王への効果的な寄せ形にはまだならないと判断し、反撃の準備を整えるが、実はSOくんの攻めは繋がっていた。きっちりと寄せ形を作られ、完敗。角換わりの場合は一方的に負けるか攻めきるかで雌雄を決してしまうことが多いが、敗因は繋ぎ方が見えなかったことに尽きると思う。対局前に練習将棋をMYさんと指していたが、小学生でこの棋力ならば、さらなる高みへと充分目指せると思う。どちらかというとこちらはどんどん忘れて抜けていってしまう年齢なので、いろいろと教えて欲しいものだ。

二局目。MDさん(二段。平手、振り駒)
 後手となり、急戦矢倉を試す。土台は屋敷九段の忍者銀なのだが、さすが我がライバルMDさんは巧みに手を作り、歩と駒の動きで、我が陣形は空中分解の憂き目に。実は技が決まってる局面があったのだが、なんとか気づかれずに混戦模様となる。ただ、終盤力に関してはMDさんの寄せは折り紙付きなので、私の玉もあえなく寄せられてしまい負け。後手番矢倉は本格的なものを学ばなくてはいけない時期に来ているのかもしれない。

三局目。小池先生(指導対局、飛車落ち)
 冒頭にもあった通りで非常に理想的展開で中盤を迎えたのだが、寄せの構想をしくじってしまい寄らない形に。となるとあっという間にこちらの陣形は料理されてしまい負け。何かもう少し粘る順があったように思えるが、そこまで気持ちを持っていくことが叶わなかった。寄らない寄せを行ってしまったことが敗因ではあるが、切らさない心も大事だと思う。本気で受けようと思えば受かるのだ、と中村修九段の著書にもあった気がする。

四局目。MYさん(四段。平手、先手)
 トーナメント戦もMDさんの優勝でどうやら決着がついてしまいそうなので、駒落ち戦に疲れたMYさんとは交渉して平手に。先手番の角換わりでこれまた受けきれるような気がしたが、受けきれず投了。相手が手筋やら持ち駒やらを使ってなんとか手を作ってくるのを一つ一つ対処していくその作業は慎重を要するし、大変だ。だが、その先には勝利が待っているものと信じたい。受けの手筋も学ぶべきだ。

五局目。SIくん(初段。相手先手)
 前回、私が参加してくれた時にも来てくれた小学生のSIくん。居飛車対振り飛車の対抗形に。相手の三間飛車に急戦で挑み、駒得から寄せ切る。SIくんとはその後も二局ほど指してゴキゲン対超速などもやる。早見え早指しのタイプなのかもしれない。ただ、まだ若いというのはあるので、腰を据えて読むのと直感を伸ばしていくのとどちらでも良いような気もする。自分でフィットする方を選んで伸ばしていって欲しい。



 差し入れたキットカットが、食べようと思ったらちょっと溶けてたので、若干部屋内は暑かったのかもしれない。熱気のある将棋が繰り広げられたということで、良いのだろうか。優勝はMDさん。地力のある印象だ。

 午後5時頃にアマ女流強豪のTさんも合流し、懇親会となる。次の日が休みということもあり、私も参加していろんな話をすることが出来た。どこか将棋が指せるような場所があれば、局面の検討会などもやってみたいが、アルコールが入ると鈍るところもあるだろうか。

 小金井将棋研究会の幹事であるところの平野さんからも紹介頂いたこともあり、小金井将棋研究会の様子を伝えてはいるが、やはりご自身の目で見て感じて頂くのが、一番早いとは思う。このブログを見て研究会に参加してくれた方もいたりして、非常に喜ばしいことだ。やはり片隅とは言え、インターネットの力は凄いと感じる。多摩地区でこのような形の研究会はあまりないところではあるので、是非小金井将棋研究会には更なる盛り上がりを見せて欲しい。
 

「私は飛車が好きなので飛車を取ります」

 田畑良太指導棋士六段はそっと金を打つ。私の飛車が静かに息を引き取る。残された手番はこの一回きり。田畑六段に手が渡れば、飛車を取った手がそのまま王手となり、手順に私の玉まで詰む。なにか、なにかないかと必死に考えを巡らす。懸命に詰ましにかかるも一目足りない。投了。 田畑六段とは初めての指導対局であったが、上手側が随所に工夫を施しており、争点をうまく作られ、自陣は瓦解するまでに至った。感想戦も丁寧に行って頂き、有利になる順も教えて頂いたが、そこを選びとれなかった自分の力不足を嘆くより他無い。

 セミの声が上野原会館に響く。カーテンと窓越しの夏が盛りを過ぎるのはもう少し後の事になるだろうか。8月の小金井将棋研究会は総勢7名で行われた。幹事の平野さんを抜かしても6人でトーナメント表が出来る。組み分けの不可思議なあみだくじからさっそく、Mさんと対局を行う。今回の小金井研究会は時計ハンデ戦を採用しており、棋力に関係なく総平手、考慮時間にてハンデをつけている。おそらく駒落ちの方が力関係はより均等になるかもしれないが、上手側が毎回苦戦するよりは平手で指すタイミングがあった方がいいと思うので、私はこのハンデには賛成だ。下手側としても学ぶことはとても多い。



一局目。Mさん(時計ハンデ有。三段差)
 普段ならば駒落ちで指している相手であり、早速時計ハンデ戦の醍醐味を味わう。ちょっと先後を逆に捉えており、後手番にも関わらず、角換わりで積極的に攻めてしまった。うまく手を繋げたかのように思えたが、さすがの捌きと玉の薄さから来る反動が厳しく、私の負け。Mさんは将棋もそうだが、見た目も非常に若い。後の懇親会で実年齢をお聞きして驚いた。

二局目。Kさん(時計ハンデ有。二段差)
 初手合いのKさんとは相横歩取りという少しマニアックな形になる。勿論ある程度の定跡が整備されている戦型ではあるのだが、知るよしも無く、おそるおそるハンドルを切るが、ぬかるみに足を取られ、そのまま動けなくなり、私の負けとなる。Kさんは研究の範囲内だったようで、応手をいくつか教えてくれた。大学生と若く、是非時間が合えばまた来て欲しい。

三局目。Sくん(時計ハンデ有。一段差)
 小学校低学年のSくん。親御さんも同伴で来られていた。HPを見て、研究会の存在を知ったそうだ。このブログにしても宣伝効果はたかが知れてはいるが、小金井研究会への参加を検討している方の後押しとなってくれれば幸いであるとは思っている。初手合いとなった本局は、戦型はSくんのゴキゲン中飛車対私の超速3七銀からの二枚銀での抑え込みの図となる。駒得となり、優勢となるも、寄せを誤り形勢は混沌状態に。最後はSくんの方にも寄せでの誤りが出てしまったらしく、辛勝となる。しかしながら、あの思い切りの良さに、優勢時にしっかり寄せ切る構造が思い描ければ、相当負け無しになるのではないかと思う。手つきも綺麗で非常に落ち着いていた。局後にお互いの持っている扇子の話になる。私も気になっている扇子を所持していて、テンションが上がる。次回の対戦を楽しみにしている。

四局目。田畑先生(指導対局。飛車落ち)
 上述の通り、攻めの反動を受け止めきれず、押し潰されてしまう結果に。もう少し丁寧に受けていれば、反撃の糸口も掴めていたかもしれない。攻めと受けのそのタイミングの切り替えと駒自身の働きとポジショニング。狙いを持つことも大事だが、狙いを看破することも大事だと思う。

五局目。Fさん(時計ハンデ有。一段差)
 都内から来てくれたFさんとも初手合い。今回は初参加の方が多く、非常に良いことだと思う。相掛かりの出だしからFさんの技が決まり、優勢に。決め手の局面があったが、秒読であり、それを逃す。私からすると秒に救われた格好で、勝ちに。棋譜を思えば、敗色濃厚な一局だったと思う。腐らずに指し続ければこういうことも起こるかもしれないという結果だが、そもそもの序盤の組み立て方に問題があった局だった。Fさんは遠くから来てくれたにも関わらず、懇親会にも参加して頂いた。ありがたいことである。



 五局指したところで、時間一杯に。優勝者を決まるまでには至らず、Mさん、アマ強豪のNさん、今回初参加のKさん(この方も有名なアマ強豪だそうだ)の3者同時優勝となった。小平将棋大会方式で、試合数に応じて点数を振っておけばもう少し差がついたかもしれないが、管理も大変なので、そこまでやるかどうかは今後の課題といったところか。

 ちょうど私がFさんとの対局が終わった辺りに、伊藤能六段が駆けつけてくれた。(最初、隣室の方が将棋を見に来たのかと驚いたが、伊藤先生と言われているのを聞いてやっと理解した)伊藤六段にお会いするのも初めてで、田畑先生と伊藤先生が揃うと将棋ペンクラブログの記事が思い浮かぶ。早速、懇親会にも参加して頂き、将棋談義に花を咲かせる。今回は参加人数も多く、賑やかな時はあっという間に過ぎていった。私自身は酒が入ると(入らなくてもだが)多弁なところがあり、参加者の方々には失礼な言動があったかもしれないが、酒の席という事で大目に見て頂きたい。それにしても小金井研究会の面々は本当に将棋が好きなんだといつもながらに思う。

 8月と9月は小金井将棋研究会は二度行われる。再来週の8月は残念ながら参加出来そうにないので、9月は参加出来るよう調整をかけたい。幹事の平野さん、参加者の方々、田畑先生、伊藤先生、ありがとうございました。お疲れ様でした。またよろしくお願い致します。

 

↑このページのトップヘ