2010年05月17日

貧乏な漁師とコンサルタントの話の裏の意味

http://kkatidokimaru.suichu-ka.com/

こんな笑い話がありました。

ある港町に腕はいいが貧しい漁師がいました。
いつものように漁から港に帰ると、たまたまバカンスに来ていたMBAの資格を持つコンサルタントが、漁師が取った魚の量が少ないことを見つけてこう言いました。
「魚の量が少ないが、今日は不漁だったのかい?」
漁師の返事は、
「もっとたくさん取ることは簡単にできるけど、俺と家族が食っていく分にはこれくらい取れば十分だからね。好きなときに漁に出かけて、他の時間は家族と一緒に過ごしていたいしね。」と笑いながら返事をしました。
それを聞いた、コンサルタントは漁師に言いました。
「腕があるなら、たくさん魚を捕った方がいい。」
それを聞いた漁師は、
「なぜ、たくさん魚を捕った方がいいんだい。」と、たずねました。
コンサルタントは言いました。
「多くの魚を市場で売れば、もっと儲かるからだよ。」
「儲けてどうするんだい。」と漁師はまた尋ねました。
「儲けたら、漁業会社を作って多くの漁船で、もっとたくさん魚を捕って、もっと儲けるんだ。」
「それからどうするんだい。」
漁師の問いにコンサルタントは言いました。
「儲けた資金を使って漁業会社だけでなく、魚の加工会社を作って、缶詰や冷凍食品を製造、販売をしてもっと儲けるんだ。」
「それから、どうするんだい。」
「儲かっている漁業会社や加工会社を、最も高く買ってくれる人に売るんだ。」
「儲かっている会社を売ってどうするんだい。」
コンサルタントは、自信たっぷりにこう言いました。
「君は、たくさんの売却代金を受け取って、毎日遊んで暮らせるようになる。毎日家族と一緒に過ごせるし、好きなときに釣りにも出かけられるよ。」

と、話はここで終わりでした。この寓話は,コンサルタントを皮肉る意味で書かれたと思いますが、もう一つ別の見方があります。

確かに、漁師の日常の暮らしは、今のままでも会社を作って儲けまくって売却した後も変わらないことは読めば分かりますが、一つ大きな違いがあります。漁師が大金を持っているかいないかです。

もし、この漁師の家族の一人が、難病にかかったと仮定します。
大金を持っていれば、最先端医療設備が整った病院で、24時間完全看護を受けながら、最先端の治療をしてもらえますが、その日暮らしの場合は、ろくな治療も受けさせられないまま、苦しむ家族を慰める程度のことしかできません。
また、漁師自身がけがをして、漁に出かけることが出来なくなったら、どうなるのでしょう。
お金がなければ、家族が飢えるだけですよね。

つまり、あの寓話は、漁師のリスク回避の方法の解説でもあるのです。

あなたは、運命に任せたその日暮らしをしますか?
それとも、将来のリスク回避のため、一日中一生懸命働きますか?

選ぶのは、あなた次第です。

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banzaitotugeki123 at 00:09│Comments(0)TrackBack(1)

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1. 競争と公平感 市場経済の本当のメリット 1/3 〜日本人と競争  [ 投資一族のブログ ]   2012年01月05日 21:10
もしあなたが漁師だったら サラリーマンのように毎日8時間漁に出かけるような仕事の仕方をするだろうか。漁師の仕事はきつくて、どの働き方の漁師も一週間の労働時間は40時間だとしよう。毎日の天候がランダムに変化しているとしよう。この時、毎日8時間タイプ、目標漁獲高タ

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