エロゲ日記のようなもの

ゲームの感想を書きたいです。ネタバレ注意。

人気声優のつくりかた 感想


この作品を手に取ったのは、ひとえに珍しい題材だったからというのと、声優さんの仕事に興味があったからというのが大きかったですね。

実際プレイしてみると、声優という仕事に対する綿密な取材が下地にあるとはっきり感じさせてくれます。
特に感性的な部分の説明なんかは、きちんとした取材の過程で意志の疎通が成り立ってないと引き出せないレベルのものに仕上がっていたと思います。
元々「真実度78%」なんて売り文句がついていますが、実際にそういうリアリティある表現が多彩であるからこそ、物語性にも説得力が生まれているいいテキストだったなと感じています。


攻略ヒロインは3人でしたが、ルート分岐は特に難しくはなく、選択肢にアイコンが出てきたりと親切設計でした。

ただ、ここで分岐の条件が面白くて、


・誰にも踏み込まない、あるいは均質に踏み込むと、元々好感度が高いくるしーへ

・妹以外に踏み込まなければ妹に

・いつみに関しては他の子以上に強く踏み込まないといけない


などと、難易度に実は序列がついているんですよね。
さらに実際にその差異が、恋愛的な部分も含めての難しさとリンクはしているんですよね。

・それまで孤立感を強めていたこともあり、共通の時点で確実に主人公と関係を持つだけの素材が揃っているくるしー

・本質的に想いはあれど、それがタブーであることは理解しているため、特別視されない限り自分からは踏み込めない小夏

・その気質的にも、元よりの関係的にも、より大胆に踏み込み関わる決意を持たなければ応えてもらえないいつみ

そういう精神性と合致する形での序列のつけ方は面白いアイデアだと思いましたね。


次にシナリオですが、基本的には声優であるヒロインたちが主人公との恋愛関係を通じて、声優としての在り方や今後のあるべき姿を考えていくという構図でほぼ一貫しています。
それぞれの立場から声優という仕事の大変さ、だからこその歓びややりがいの部分まで丹念にシナリオの中に落とし込めているし、全体的に現実的な部分とエロゲ的なお約束部分とのバランスの取り方が上手いなと感じました。
それを補完する上での摺り合わせ、整合性の部分では多少粗く感じる点もなくはないですが、それも微細なもので、個人的には特にいつみルートのつくりこみの上手さには感心させられました。
奇を衒ったような展開は一切ないですが、じんわり心に染み入るシナリオになっていると思います。


以下はネタバレを含めた各キャラの感想を少し。

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BALDR HEART 感想



個人的にこのバルドシリーズは思い入れのある作品だったので、絵師が変わってしまった今作は果たしてバルドと言えるのか? と不安視していました。
フォース以前やゼロなどは未プレイなので、信者は名乗れませんけどね。
それでも実際にプレイしてみると、絵は全然気にならなくなりましたし、懐かしの2D戦闘も一度ハマったらなかなか抜け出せなかったです。

それに、スカイのほうは分割だったからこそできたスケールだったと思うんですよ。
今作はスカイほどスケールの大きい話ではなかったものの、深いテーマ性とやり込み要素を両立させ、それでいて一作できちんと完結させたところは高く評価したいです。
フォースと同じくEXEが出るみたいですけどね。

そして期待していなかったシナリオの満足度といい、下手したら今年プレイしたエロゲの中で一番のめり込んだかもしれません。
「見えるものを疑え。見えないものを信じろ。」というキャッチフレーズも、今思えばなかなかよかったと思います。










さて、まずテキストですが、洗練されていて大変読みやすかったですね。
このシリーズの世界観はどうしても説明が多くなってしまいがちですが、ルートごとに情報を小出しにしていたおかげか、冗長に感じることもなくわかりやすかったと思います。


そしてシナリオの内容についてですが、正直ここまでとは思いませんでしたね。

殺伐とした世界観の中でも学生らしさというか若々しさをしっかりと見せてくれて、どことなく萌えゲーチックなところなんかは、今思えば過去のシリーズとの差別化になっている気がします。
逆に言えば、陵辱展開を期待しているような人には物足りないのかもしれませんけど。

ヒロインの攻略順は厳密に決まっていて、月詠→茉緒→ユーリ→凪と、ムービーでの登場順そのままになっています。
こういうゲームは最終ルートでの着地点が評価に直結しますが、今作もその枠組みがきちんと世界の謎との関連性が見て取れますし、無意識にトライアンドエラーを繰り返していくというイメージが上手く嵌っていたと思いました。
月詠、茉緒まではまだまだ消化不良という感じでしたが、ユーリルートからの盛り上がりはクリックが止まりませんでしたし、ラストの凪ルートに至っては、今まで攻略したヒロイン全員合わせても足りないくらいの圧倒的なボリュームでした。
バルドだけに最後に至っても完全無欠のハッピーエンドというわけでもないのですけど、それでも間延びすることなくしっかりと完結させていてよかったと思います。


以下はネタバレ感想です。


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