a57d3322.jpgいよいよ、明日から日本公開ですね。既に多くの試写会が開催され、公開前だというのに多数のコメント、TBが寄せられるというちょっと不思議な状態にビックリです。煽りすぎの宣伝が裏目にでなければと危惧もあるんですけど、追記しておきます。このほうがTB作業もしやすいし(笑)。

<以下2005.2.28の記述>
「僕が記憶してあげるから・・・ 僕が君の心であり、記憶だよ。」

やばひです・・・ワタクシ不覚にも号泣してしまいました。期待はしてましたヨ、もちろん。でも、これほどまでに心に深く突き刺さってくるとは思いもしませんでした。たまたま私がシンクロしやすい心境にあったのかもしれませんし、事前の予備知識が多くて作品的には少しみくびっていたところがあったのも事実です。でもとにかくヨカッタ、余韻にどっぷり浸っています。

以前、ソン・イェジンさんblog関連のエントリーでもふれましたが原作は以前日テレで放送された「ピュアソウル」。ちゃんと見てたわけじゃないのでうろ覚えだけど、主演は緒形直人と永作博美さんで、町の工務店が舞台だったと思います。この映画でもチョン・ウソンは建築士、ソン・イェジンが建築会社社長の娘という役でグレードアップした設定になってます。シナリオがどれほど原作を踏襲しているのかまではちょっと不明ですけど、映画らしく重く深みのある作品に仕上がっているのではないかと思われます。

+++ちょいあらすじ
物忘れが激しいスジン<ソン・イェジン>は、買ったはずのコーラを店に忘れ取りに戻ると、彼女のコーラを持って店を出ようとする一人の青年と出会います。スジンは彼のコーラを取り上げると一気に飲み干して彼に突き返しました。翌日、偶然にもスジンは父の会社の建設現場でその男に遭遇します。彼の名はチョルス<チョン・ウソン>。偶然の再会を重ねるうちに彼を意識しだしたスジンを友人らの手助けを借りてチョンソに接近、二人が愛し合うのに多くの時間は必要ありませんでした。やがて二人は結婚し幸せな生活を送りますが、そのとき既にスジンは若年性アルツハイマー病に冒されていました。日々、病状は悪化し愛する人のことも忘れそうになってしまう自分にスジンは苦しみ続けます。チョルスに出来ることは、そんな彼女の心となり記憶になり、そして彼女への愛を貫くことだけでした・・・
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私の頭の中の消しゴム物語冒頭のイェジンちゃん、なんだか妙にダークな濃いアイシャドウしてるんだけど今回は元ツッパリ役で新境地でも開いたのかと思ったらどうも違うようです。でも缶コーラを飲んで男性の前で大きなゲップしました。コレ覚えておくと別の場面で和みますヨ。缶コーラも缶コーラ飲んでる人も日本では久しく見た記憶がないんで不思議な感じです。ペットボトルって韓国じゃ普及してないの?それとコーラってセリフ、なぜか私は「イルマーレ」に出てきた犬の「コーラ」を連想してしまいます。そーいえば「猟奇的な彼女」でもコーラがちょっとしたキーアイテムでしたね。韓国人ってコーラ好き?

話が脱線しましたが、主人公が若年性アルツハイマーに冒されることは公式の映画紹介にもあるし映画タイトルからも想像がつくのでネタバレしてるわけではありません。この物語が描こうとしているのはまさしく「愛」で不治の病に冒された悲劇は必ずしも主ではないのです。徐々に記憶を失い愛する人のことさえも忘れてしまう辛さに苦悩する妻、そして愛する人の記憶から自分が消えてしまう悲しみに耐えながらも妻への愛を貫こうとする夫。一見、突飛で空虚な設定のようにも思えたのですが、とても重く深い愛を見せつけられた思いがします。

私の頭の中の消しゴムチョン・ウソンさんの作品は映画「ユリョン」と「MUSA」とTVの「アスファルトの男」くらいですからたくさん観たわけじゃないのですが、この作品のチョン・ウソンさんの演技がとても素晴らしく好きになってしまいました。ワイルドなタフガイのイメージはこの作品でも同じなんですが、この作品では役柄的にも人間味が溢れていて情熱的な人柄に心打たれました。特に終盤においてもたらされる感動はチョン・ウソンさんの熱演によるものが大きいと思います。チョルスは韓国映画では珍しい職人気質あふれる若者で自分の仕事に対しては実直で誇りを持っています。かといって決して堅物ではなく女性への対応はクールでユーモアある野性的な魅力ある現代人。

ソン・イェジンさんの役柄も基本的には相変わらずのハマリ役ではあるのだけど、今まで私が観てきた作品の中では彼女の演技に一番力強い愛情を見せつけられた思いがするし、これまで以上の熱い情熱が感じられ、この映画にかける意気込みと成長のあとがうかがい知れます。彼女が演じたスジンは辛い運命を背負わされますが、決してか弱いというわけではなく、失恋で深く傷つきながらも仕事には前向きで能力もあり、新たに心惹かれた男性には自ら積極的にアプローチし、自分の人生を切り開こうとする自信満々の女性。病状が深刻になるまでは、チョルスの仕事や家族のことに関しても助言与え励まし支える芯の強さを見せてくれます。

私の頭の中の消しゴム全編にわたって流れるラテン系の優しい音色がこの映画に独特の雰囲気を与えてくれます。前半は主にスジン目線で恋や温かい愛を描きながら、後半スジンの病の進行と共にチョルス目線での激しくも辛く悲しい愛を描いていきます。この二人の愛する想いが時間の流れともに描き方の比重が移り変わっていくのですが、それがスジンの病の進行状況と上手く絡まってとても自然な味わいとなっています。そしてワタシ的にはエンディングにはもうブラボー状態、エンドロールは拍手で迎えました。とてもとても良かったしなんだか救われた気もしました。観賞後は泣き疲れてちょっと放心状態。

購入したDVDはプレオーダーだったので初回限定版を購入したわけですが、劇場版とディレクターズカット版の2パックの構成になってました。2枚組じゃなくて2パッケージです。内容は気にしていなかったので開封するまで気付きませんでした。ディレクターズカット版は収録時間が30分近くも増えていて、内容的にもさらに濃くなって、違う角度でもう一度楽しめると思います。もちろん日本での劇場公開も楽しみです。

試写会観賞時のレビュー