89ca20a3.jpg毎月1日の映画の日でしたが、私はこの作品を鑑賞してきました。松竹さんが威信を懸け、防衛庁、海上自衛隊の全面協力を得て、かなり気合いを入れて作ったというのは予告編や宣伝からも伝わってきます。主演陣には日本アカデミー最優秀賞受賞者をずらりと揃えただけでも豪華なのに、さらに吉田栄作、谷原章介、安藤政信、原田芳雄、岸部一徳、真木蔵人らが脇を固める贅沢ぶり。

でも、日本映画の鳴り物入りの作品って思いっきり肩すかしに合うことも珍しくないので、少々不安に思いつつの鑑賞でした。ちなみに原作は読んでません。

+++ちょいあらすじ
東京湾沖で訓練航海中のイージス護衛艦<いそかぜ>。この艦内に米軍基地から奪われた化学兵器<GUSOH/グソー>が、ある思惑のもと某国の特殊工作員によって持ち込まれ全ミサイルの照準を東京首都圏内に向けられ、戦後日本最大の危機が進行しつつあった・・・
+++

ふぅぅぅ、なかなか見応えある作品でした。でも私が期待してたのとはやっぱりちょっと違ったかも。もっと骨太な社会派作品を期待しちゃったんですよ。だって予告編や宣伝の類や公式サイトに見るとけっこう壮大なテーマ掲げてるじゃないですか。でも実際は画面からあまり伝わってこないんだもん。

ギリシャ神話に登場する最高神ゼウスがアテナに与えたといわれる無敵の盾「イージス」の名をつけた最新の防空システムを搭載する護衛艦。専守防衛の象徴的存在でもあるその艦が物語のタイトルにもなっているわりには、その特性がたいして描かれていないような気がしたんだけど?登場人物にしても大物がたくさん配しすぎてそれぞれの人物背景が全くといっていいほど描けてないんじゃないでしょうか?俳優陣や演出で豪華に豪華にと作り込んでいったら肝心のシナリオがそれに負けていっちゃって、最終的には娯楽アクション映画としてまとまっっちゃったかなって感じカナ?きっと原作はもっともっと深くて厚みがあるんじゃないかとは想像できるんですけどネ。明らかに北朝鮮を意味していると思われる某国の特殊工作員って設定もどうも映像になってしまうとイマイチどころかイマヒャクくらいピンとこないんですよねぇ。

映画を観ている途中で、この物語の構図って何かに似てるなぁと思ってて、最初に思い当たったのが「ダイハード」。高層ビルを舞台に単身テロリストに挑んでいく様は一緒ですけど、もっと似ているのがあったはずと、次に思い出したのが「ホワイトアウト」。佐藤浩市さんが出演しているというのもあるかもだけど、これはノリ的にはけっこう似てるんじゃないでしょうか? そういう娯楽作品として捉えれば、この「亡国のイージス」もまずまずの面白さだとは思うんですよね。ただ私はアクションやドンパチよりももっと知的な攻防やヒューマンドラマを楽しみたかったというのが本音かな。

たぶん私は思いっきりかわぐちかいじさんの「沈黙の艦隊」のようなテーマ性を期待しちゃってたんでしょうね。この「沈黙の艦隊」はスゴイですよ、連載当時は国会でも取り上げられたほどの社会派なコミックですからねぇ。この作品が実写化されたら絶対観てみたいデス。