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韓国映画 に参加中!
7c1afe8c.jpgいよいよ一般公開ということで、追記してあげておきます。
映画の好みは人それぞれだとは思いますが、私が体感したあのスタンディングオベーションの感動に偽りはなかったと思います。それだけはハッキリと断言できます。これはプロレス映画でもヒーロー映画でもなく、人種差別を受け挫折を経験しながらも、やがて多くの民衆に勇気を希望を与え、ある1つの時代を疾風のごとく駆け抜けるように生きた、ある男性の物語です。

『日本人がいちばん力道山を知らない.。』

<以下2005.11.1の記述>
これは、スゴイです!素晴らしぃぃぃ、マーベラスぅぅぅ。上映終了後の長い拍手、スタンディングオベーションは決して社交辞令ではないでしょう。さすがはクロージング作品になるだけのことはあります。序盤から鳥肌モノでしたけど、3度ほどボロボロと泣かされちゃってハンカチのお世話になりました。日韓合作ってこれまであまり良い印象がなかったけど、これはまさに渾身の一作です。

+++ちょいあらすじ
1940年<昭和25年>、兄弟子からの陰湿なイジメを乗り越え関脇になった相撲力士・力道山<ソル・ギョング>だったが、日本人でなければ横綱になれないと告げられ、25歳の若さで髷を落とす。相撲しかできなかった彼は、酒と喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていたが、ある日プロレスリングと出会い、白人と日本人が分け隔て無く戦う姿を見て自分の活路を見いだし、何の躊躇もなく太平洋を渡った彼は大成功をおさめ、2年後に有名プロレスラーとして帰国、そして日本初のプロレス事業を開始する。身体の大きいアメリカ人選手を次々とマットに沈める彼の姿は敗戦で失意のどん底にいた日本人たちに勇気を希望を与え、英雄となってゆくのだが・・・
+++

韓国での興行成績があまり振るわなかったと聞いていたので、期待半分不安半分って感じでしたが、素晴らしくイイ方向に期待を裏切られました。クオリティのとても高い魂のこもった作品です。なぜ韓国ではあまりウケなかったといえば、映画の出来云々ではなく単純にこの題材にあるのでしょう。これは日本の近代史における英雄を描いた物語なのです。たぶん韓国の人にはあまり親近感がわかなかったんじゃないでしょうか?同じ意味でも日本人でもピンとこない人いるでしょうね。その一方である年齢以上の方はどツボにハマるんじゃないでしょうか。

日韓合作だけど、実質日本映画といっていいくらいです。セリフも95%かそれ以上日本語。じゃ主役も日本人が演じればヨカッタのかといえば、決してそんな事はなくて、ソン・へソン監督がソル・ギョング主演で撮ったからこそ、在日朝鮮人として力道山が鮮明に描くことが出来たんだと思います。ソン・へソン監督「ラブ・レター パイランより」の監督です。

さすがは韓国の重鎮、カメレオン俳優ソル・ギョングさん。もう圧巻の演技でしたね。プロレスラー役を演じるためウェイトを72キロから95キロに増やしたそうで、見事な体格に変身してました。心配していた日本語の発音もさすがに流暢とまではいきませんけど、十分許容範囲で違和感ありませんでした、スゴイよソル・ギョングさんです。本物の俳優です。

敗戦で失意のどん底にいた日本人たち、庶民の希望の星となった力道山というのはある意味「シンデレラマン」のジム・ブラドックと重なるところがあるんだけど、決定的に違うのは彼は朝鮮人で不条理な差別にあっていたということ。関取だった力道山は努力して関脇まで上りつめいよいよ横綱というところで国籍の壁が立ちはだかり、挫折します。どんなに努力しても自分の力でどうにもならない現実に力道山は打ち拉がれます。必死に日本人と同化しようとする彼の姿は、とても切なく哀しくもありました。彼がどれだけ成功してもその事実だけは全く変わり様がないという現実。辛い思いをしながら、やっとの思いで手に入れ栄光を簡単に手放すことなんか出来ません。しかし成功すればするほど、その一方で誰かに追い落とされるんじゃないか、狙われるんじゃないかという不安に常につきまとわれるようになっていきます。彼は決して器用な人ではなく特にプロレスに関しては純粋なまでに愚直な人だったのかもしれません。これは、いわゆるサクセスストーリーとはひと味違う、ある伝説的英雄の半生を描いた物語なんです。


ソル・ギョングさんを支えた中谷美紀さん、藤竜也さん、萩原聖人さんらも見事でした。骨太な俳優が揃ったからこそ、この骨太なヒューマンドラマが成功したといってもいいでしょう。藤竜也さんの貫禄ある大御所的存在感はそのまま役につながってる感じで重みがあります。萩原聖人さんは力道山のマネージャー的役柄でしたけど、献身的に支える姿がとても好印象でした。声だけ聞いてれば、ペ・ヨンジュンさんとソル・ギョングさんの会話に聞こえるかなと思ったけどそれはなかった(笑)。そして、そして、ひたすら堪え忍び力道山を影で支える妻あや役の中谷美紀さん。実際出番も少な目なんだけど、登場したときの存在感は抜群です。古風で奥ゆかしくおしとやか、それでいて心の強さがある日本女性。3度泣いたうちの2度はソル・ギョングと中谷美紀の2人のシーンでしたヨ。中谷美紀さんは「ホテル ビーナス」に出演したときに韓国語を勉強されて、確かチョナンカンのチョンマルブックもお持ちだったと思います。舞台挨拶のときにソル・ギョングと楽しそうにお話してましたから、もしかして韓国語で話してたのかもしれませんね。撮影中ソル・ギョングさんに日本語を教えていたという話も聞きますし、コミュニケーションがしっかりとれて息も合ったのかもしれませんね。

出演は他に鈴木砂羽さん、山本太郎さん、マギーさんなどなど。急逝された「破壊王」こと橋本慎也さんにとっては残念ながら遺作となってしまいました。上映前の監督、出演者からの追悼メッセージに思わず胸が熱くなりました。

私は、力道山の現役時代はもちろん知りません。だけど、ちょっとばかり思い入れがあるんです。というのも私が小学生時代を過ごしたフィールドの中に、力道山のお墓があるんです。大田区にある日蓮宗大本山の池上本門寺というところです。ここの公園に遊びに行ったり、スポーツ施設の体操教室に通ったりしてたんです。力道山のお墓も特に意味もなく見に行ったりしてましたねぇ。だから彼の現役時代も生前すらも知らない私の世代でもなんとなく彼の存在や伝説を幼い頃から聞かされて知ってたりするんですヨ。またその頃は近くの大田区民体育館というところでよくプロレス興業が行われていて、試合があるときは近辺にポスターやチラシが張り出されたり、試合を見に行った子が翌日のクラスで興奮気味に語っていたのを覚えています。プロレスファンじゃなくてもレスラーの名前が自然と耳に入ってくるそんな環境で、ゆかりがあるんですね。今でも節分の豆まきの時にはレスラーや相撲取り、格闘家が来ることが多いんですヨ。去年か一昨年にはボブ・サップが来たんだっけかな?力道山のお墓については「力道山」と「本門寺」で検索するといろいろヒットすると思いますヨ。

ワタシ的には心よりイチオシしたい素晴らしい作品でした。今回、私が映画祭で観た作品の中では一番感動的でした。一般公開されたら是非もう一度観てみたいですね。

ところで、話は変わって・・・
会場入り口のところで、何だかとてつもないオーラを放つ男性に遭遇、すれ違いました。あれぇぇぇ?どっかで見たことあるような気がするんだけど誰だったかな?俳優さんだっけかなぁ??? 誰だかわからないまま席につきます。そして、ふとした瞬間、思い出しました。『チャ・・・チャン・イーモウ監督ぢゃん!!!』 シマッタ!握手してもらえばヨカッタじゃん、千載一遇のチャンスがぁぁぁ(悔) マオカラーの服着てたんだしすぐに気付よ!って感じですが、ホント、すごいオーラだったよう、チョー素敵ぃぃぃ、やばひくらいに感激です。

なんかこの日はいろいろこの上なく素敵なこといっぱいでとっても幸せな1日でした。