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dc2346ad.jpg140分という長さがちょっと気になったんだけど、評判がいいようなので、観に行ってきました。なるほど、コレはなかなかヨカッタです。どんどん引き込まれていくので時間も気にならなかったし、最後にはポロリと泣かされちゃいました。予告編だとラブロマンスっぽい雰囲気も感じたのだけど、これは、ある姉妹を軸にそれぞれの自分探しと家族の愛情と絆を描いたヒューマンドラマです。

+++ちょいあらすじ
弁護士のローズ<トニ・コレット>は、同窓会でヘベレケに酔いつぶれた妹マギー< キャメロン・ディアス>を家に送り届けるのだが、継母に追い出されてしまい仕方なく自分の家に居候させることに。自由気ままに生きるマギーを快く思っていないローズは、仕事や生活態度についてあれこれ彼女に苦言するが、マギーは相変わらず好き勝手のやり放題。挙げ句にローズの上司でもある彼氏とベッドインしてるところ見つかってしまい、ついに家を追い出されてしまう・・・
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抜群のルックスで男を誘惑し、人のモノを欲しがり勝手に自分の物にしてしまう。あまりに身勝手過ぎるこのマギーの生き方にはローズでなくても、ムカつきイライラしちゃいます。ルックスにあまり恵まれなくても努力してキャリアを積んできたローズにしてみれば、彼女の浮ついた生き方はとても腹立たしいことだったのでしょう。それでも妹だからこそ親身になってあげていたのに、彼氏を寝取られてしまうという最悪の裏切り行為。

この文章からのイメージだけだとドロドロ系のお話のように思えてくるかもしれないけど、何故かとっても爽やかなのが、このドラマの魅力なのかも。マギーはどうしよもない、ルックスだけで世の中を渡り歩いてきたような言葉は悪いけどバカ女で、ヒロインがこんなんじゃとても感情移入は出来ないと思ってたら、彼女には幼い頃からある大きな悩みを抱えていて、さらに家庭環境にも問題があり、それが彼女の人格形成に影響を与えてきたことに気付きます。それゆえなのか彼女を疎ましく思いながらも憎みきれないどころか、常に彼女を気遣い大切に守ろうとするマギーの気持ちにも心が揺さぶられました。姉妹、兄弟がいる人はけっこう共感できる内容なんじゃないかと思います。彼女たちの人物設定、心理描写、けっこう現実感あると思います。これはかなり骨太な女性映画といえるんじゃないでしょうか。男性に媚びてないし、依存してないし、支配されてないし、守られてもいない。気持ちがいいくらい女性が主体なんですね。

姉の家で姉の恋人と関係を持ってしまうというマギーの行為が、姉妹の絆を永遠に分断してしまうのかと思いきや、実は、このドラマが本当に動き出すのはココからなんですね。マギーはある老人ケア施設にたどりつき、そこでの生活の中で自分の生き方を見つけだし、一方のローズは弁護士事務所にいられなくなり、これまでのキャリアを捨て去ったことで、本当の自分の幸せに見いだすことが出来るのです。もちろん、それぞれ新たな人々との出会いとふれ合いがあって心の変化をもたらすわけだけど、この後半にはもう一人ドラマの鍵を握る重要な女性が登場します。公式サイトでも紹介されてるのでネタバレするわけじゃないんだけど、なんとなくココではふせておきましょう。彼女のドラマもとっても素敵なんですヨ。

そして、この物語のキーアイテムとなっているのは、タイトルにもある靴。ローズはほとんど履く機会もないのに、たくさんのお洒落な靴を宝の持ち腐れにしてクロークに並べて大切にしています。マギーはその靴をいつも勝手に拝借して楽しんでるんだけど、実際のところマギーのほうが、スタイリッシュに履きこなしお洒落なハイヒールの価値を生かしてるようにローズは感じているようです。しかし、結局のところマギーは次から次へと靴を履き替えてその時々を楽しんでいるようで、これぞという靴には出会えてません。男性をとっかえひっかえしてるのにちょっと似てるカナ。この靴ってきっとそれぞれの人生を象徴してるんでしょうね。二人の姉妹はそれぞれコンプレックスを抱え、真逆ともいえそうな対照的な性格ながら、実は心のどこかでお互いの生き方を羨んでるところがあるんですよね。それが時として嫉妬にもなったり、喧嘩の原因になるわけだけど、この二人がそれぞれ自分に合った靴を見つけたとき、それが本当の自分の生き方を見つけたときでもあるという、タイトルにはそんな意味がこめられているんじゃないかなと思ったのでした。

単純なようでけっこう深くて、なにげないセリフが心に響いてくる素敵な映画でした。

余談だけど、劇中マギーがハーゲンダッツのパイントサイズのチョコにミルクを注いでるのを見て、なんだか美味しそうだったのでこれは真似したくなりました。それからローズがデートでお寿司屋さんに行くんだけど、ネタの名前が当然のように全て日本語で、割箸の使い方も上手なんで感動しちゃいました。ちゃんと割った割箸をゴリゴリこすり合わせてささくれとるとこまでやってるんですよ。日本文化の浸透度って想像以上ですね(笑)。