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83c6d8e5.jpgちょっとした個人的な思い入れもあって、この作品を観るのをずっと楽しみにしてたんですッ。先行上映に行こうかなとも考えたんだけど、3時間ちょっとでしょ。夜の回で観るのは体調的にきつそうだなと思って、万全を期して一般公開の初日にしたわけなんですが、なんとシネコン大激混みでビックリです。どうも「ハリポタ」「ザスーラ」に加えて「チキンリトル」の先行上映「ふたりはプリキュア マックスハート2」「あらしのよるに」と子供向け作品だらけだったのが原因みたいなんですが、子供が多かったらイヤだなとちょっと気がかりだったんだけど、お子さんは全くといっていいほど見かけませんでした。逆に年配の方が多かったですね。この「キング・コング」は古典的名作のリメイク大作だけあってオリジナルは年配の方には思い出の作品だったりするんでしょうね。

さて、さすがはピーター・ジャクソン監督。長丁場も全くダレることなくラストまであっという間の3時間ちょっとでした。正確には序盤の伝説の島付近までに至るまでがやや平坦でやや長い前置きになってしまってるんだけど、島に上陸してからはまさに長距離ジェットコースター状態。さすがに3時間の尺にしただけあって、やりたい事思う存分やってるって感じですね。圧巻の超大作アクションアドベンチャーでした。

+++ちょいあらすじ
1933年、大恐慌時代のアメリカ・ニューヨーク。野心家の映画監督カール・デナム<ジャック・ブラック>は、出資者達からも見放されていたが、偶然手に入れた秘密の地図を手掛かりに、これまで誰も見たことがないような壮大な冒険映画を作り世の中をあっと言わせようと最後の賭けにでる。そして、主演女優を探し求め街で偶然出会った売れない舞台女優のアン・ダロウ<ナオミ・ワッツ>に出演依頼をする。最初は拒否うるアンだったが脚本が彼女の憧れの脚本家ジャック・ドリスコル<エイドリアン・ブロディ>だと知り出演を決意、撮影クルーらと共に冒険号で旅立つ。そして彼らがたどり着いたのは、霧の中に忽然と姿を現した幻と呼ばれている髑髏島<スカル・アイランド>。不気味なその島には彼らの想像を絶する生き物たちの姿があった・・・
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さすがに1933年のオリジナル版は見たことないんです。映画紹介とかでダイジェストをちょこっと見たことくらいはありますけどね。しかし、そんな私でもこのピーター・ジャクソンの「キングコング」にはオリジナルへの愛情、オマージュ、畏敬の念が溢れていることがひしひしと伝わってきますね。本当に彼がこの作品を大好きでリメイクすることを夢見てたんだろうなって感じがします。長時間の観賞でオツカレなのか本編が終わるとあっという間に皆さん席を立って帰ってしまったけど、エンディングロールの最後に綴られたオリジナル版スタッフへのメッセージにはグっとくるものがありました。映画ファンな方ならば、コレを見逃しちゃイケマセンッ。

私は小さい頃に1976年のリメイク版を観ています。特に観たかったわけじゃなく自分の意志とは無関係に何故か叔父ちゃんとその彼女に連れられて確か有楽町界隈で観たんですよね。叔父ちゃんといってもまだ20代だから大きいお兄ちゃんって感じで、彼女のルミちゃんは私のお父さんの会社で事務をしていたとっても美人なお姉さんで、この以前にも時々遊んでもらってたことはあるんだけど、このとき二人は婚約前か婚約中だったのかな?とにかくこの二人と何で「キングコング」なんだかさっぱりわかんないんだけど、この映画を観た思い出の中で一番鮮烈に印象に残ってるのは上映終了後に号泣するルミちゃんと優しく慰める叔父ちゃんの姿なんですよ。ぶっちゃけその時はなんでルミちゃんが号泣してるのかピンとこなかったんですね。映画はそりゃもう衝撃的でした。迫力ある映像、ニューヨークで暴れ回るコングの姿にドキドキワクワク圧倒されっぱなし。幼かった私には愛や死なんて全くわかりませんから、この作品が悲しく切ない美女と野獣の愛の物語を描いていると知ったのは、私がもうちょっと大きくなってからTVやビデオで観てからのことなんです。世界貿易センタービルの屋上でヘリの攻撃に対し、ヒロインが私と一緒にいれば撃たれないと叫ぶのを制してコングをヒロインを安全な場所へ置き、ヘリとの戦いに挑み敗れ地上へと落下。そしてラストシーン、静寂の中で鳴り響くコングの心臓音。ルミちゃんの涙の意味がわかりました、私も涙しましたよ。実は叔父ちゃんは私が小五の時に急死しました。まだ三十代の若さでした。原因は不明なんですが、たぶん今で言う過労死なのでしょう、心不全ということです。まぁそんな事もあったもんだから、私にとって「キングコング」というのは叔父ちゃんとルミちゃんとの思い出でもあるんですヨ。

そんなわけで、私はピーター・ジャクソン版「キングコング」にも実は悲しい愛の物語を一番を期待していたんだけど、ラストではやはりポロリときちゃいました。でも愛の物語としては1976年版のほうが繊細で情感的でもっと泣けますね。まぁこれだけヴィジュアル面やアクションに力を入れてしまうと、観てるほうもそっちに目が奪われちゃうし仕方ないカナ。しかしピーター・ジャクソンなりのアレンジもオリジナルを大事にしつつって感じでなかなか良かったですね。コングには命を吹き込まれたような感情表現が豊かで多彩な表情腰が座った立ち姿も本当のゴリラのようで、細かい描写もとてもリアルでお見事。また島の中でいっぱい登場する巨大生物も凄かった。ブラキオザウルスの将棋倒しにはウケました(笑) 巨大虫の大群はキモイコワイ、ある意味恐竜よりイヤです。昔「モスキート」とかいう巨大な蚊が人々を襲うB級パニック映画があったけぜひピーター・ジャクソンにリメイクしてほしい(笑)。コングと戦ったのはティラノザウルスですよね?確かオリジナルも恐竜なんですよね。私は大蛇を期待してたんだけど、まぁいいや。ジュラシックパークも凌駕するような大バトルでしたね、小ネタも効いてたし(笑)。それと氷上のダンスシーンはとってもロマンチック!

出演陣も豪華で彼らの熱演も素晴らしかったですけど、特に映画監督役のジャック・ブラック。ある意味裏の主役なんじゃないでしょうか。なんとなくだけど、ジャック・ブラックの役にはピーター・ジャクソン自身をあにげに投影してるような気がしましたよ。身の危険も忘れて、撮影に、コングに我を忘れて没頭し、映画に魂を売り渡してしまったようなカール・デナムの姿は実は映画監督としての本能か自分自身への戒めなのかもしれません。

ところで、いつもとっても気になるのはコングはどうやって繁殖してるんだ?ってことなんですよネ(笑)