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2c71aca9.jpg劇場予告編からしてかなり気合いの入り具合が感じられてたし、いかにも泣けます映画って感じだったので、これで期待裏切られたらキッツイかもなぁなんて思ったりもしましたが、全くの杞憂で終わりましたね。素晴らしく骨太なヒューマンドラマでした。涙腺弱めの人はハンカチ必須ですヨ。

出演はその他に、木梨憲武、大滝秀治、香川照之、渡辺えり子、及川光博、水川あさみ、など。

+++ちょいあらす
広告会社の営業マンとして働く佐伯雅行<渡辺謙>は家庭を顧みないほどの仕事人間な50歳を目前にした男。ビッグプロジェクトと娘・梨恵<吹石一恵>の結婚を控え多忙な日々を送っていたが、ある日、原因不明の体調不良に襲われるようになる。そしてミーティングを忘れたり、部下の顔が思い出せなくなったりと仕事にも支障をきたすようになり、心配になった雅行は妻の枝実子<樋口可奈子>と共に病院を訪れ、担当の吉田医師<及川光博>に「若年性アルツハイマー」との診断を受ける・・・
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とても気持ちのこもった素敵な作品で、決してお涙頂戴的ではなく自然に涙が頬を伝わってきました。先週末からエグゼクティブプロデューサの謙さんが精力的にTV出演してた影響でしょうか、けっこう混雑してました。8割方お爺ちゃんお婆ちゃんという客層でなんか変な雰囲気でしたケド。でもこの物語は観る人が自分の立場に合わせて感情移入できるのがポイントかもしれませんね。

ここ1、2年の間には記憶をテーマにした作品、しかも良質な作品が目立ちましたよね。記憶モノなんて1つのジャンルが出来そうなくらい。邦画でも「博士の愛した数式」がとても記憶に新しいところです。「若年性アルツハイマー病」をテーマにしたこの作品もそういった記憶モノ映画として捉えていたところがあったりしたんですけど、それはちょっと違ってたようです。もちろん広い意味では同じ括りにしてもいいんだろうけど、現実における社会問題をシリアスに描いた人間ドラマとしての色合いがとても濃い作品でした。どちらかといえば「1リットルの涙」のように病気の患者とその家族や周囲の人達を真正面から誠実に向き合って描いた正統な難病モノといったほうがこの映画には相応しい気もします。

私の祖母もアルツハイマーで一時期は突然の徘徊で行方不明になり何度か警察のお世話にもなったりして大変だったんですが、デイケアを利用するようになってからはだいぶ良くなり、一応我が家なりの生活ペースが出来上がって今ではわりと平穏な日々を送ってます。若年性とはいえ同じアルツハイマー病、渡辺謙さん演じる佐伯雅行さんの行動には、祖母と重なる姿も多く、とてもリアルに感じました。欲を言えば、退職後も会社の部下たちとの交流があったり、友人たちとの関わりとかがあっても良かった気がします。劇中で、妻の枝実子がケア施設を勧められて「自宅療養のほうがケア施設よりも病気が進行しにくい」とかいうセリフがあったと思いますが、自宅療養でも孤独な時間があんなに多いのでは逆効果なんじゃないでしょうか。娘夫婦が近くにいるんだったらもっと頻繁に手伝いに来てもいいはずだし、短時間の介護ヘルパーを利用することだって可能なはずです。もっともドラマ後半の会社を退職してからの展開は、夫婦のドラマであり、進行する病気に苦悩し精神的にも追いつめられていく雅行と、そんな夫を気丈に支え続ける妻の姿に重点がおかれていたので、これは仕方のないことなのかもしれません。

この物語のエンディングの向こう側ではきっと二人にとって心地よい生活スタイルと出会うことができて、穏やかな日々を過ごしていることでしょう。その中では私が望むような風景がきっとあるんだと信じています。ラスト近く、大滝秀治さんの演じる日向窯の主人の「生きてりゃいいんだ、生きてりゃ」というセリフには思わず胸が熱くなりました。