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a693ce0d.台風一過の眩しい青空、夏を思わせるような暑さの5月の日曜日に、何で雪国が舞台の映画なんでしょうか?(笑) 昨年の第18回東京国際映画祭で見事グランプリを受賞した作品です。私にとっては○○受賞作とか特にどーでもいいんですけど、受賞した瞬間に立ち会って、佐藤浩市さんらが大喜びしてるのを生で観てしまったもんですから、これは観ておきたいなという事で行ってきちゃいました。

出演は他に、小泉今日子、山本浩司、山崎努、香川照之、椎名桔平、津川雅彦、草笛光子、など。

+++ちょいあらすじ
東京で成功を収めていたはずの男・矢崎学<伊勢谷友介>が13年ぶりの帰郷するも、帯広のばんえい競馬場でなけなしの金をすってしまう。仕方なく学は疎遠になっていた調教師の兄・威夫<佐藤浩市>のいる厩舎を訪ね、そこに身を寄せることにする。学は東京で事業に失敗し会社も倒産の危機に追い込まれ、この地に逃げてきたのだった。昔から母親に甘やかされ好き放題に育った学を兄の威夫は疎ましく思い今でも腹を立てていたのだが、弟の状況を察して厩舎の仕事を与えるのだった・・・
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新宿タカシマヤにあるテアトルタイムズスクエアに初めて行ってきましたが、ココってなんか映画館っぽくないんですね。スクリーンがやた高くて傾斜もキツメで円形劇場みたい。でも綺麗だし音響もイイし良席ならなかなか居心地良さそう。それにしてもこの作品、上映館数少ないんですね。やっぱりいくらグランプリ受賞作でもこの季節には合わないんじゃない?でも、テアトル系なおかげでオダジョーの「ビッグ・リバー」劇場予告編をたっぷり観ることができました。邦画とはまた違う雰囲気だし、面白そうッ、コレは観に行かなくちゃっですね・。

東京で事業に失敗し逃げるようにして故郷の北海道・帯広へと帰ってきた主人公が兄の営む厩舎に身を寄せ兄との確執を乗り越えながら厩舎で働く人々や馬たちとの交流の中で自分自身を再生していくヒューマンドラマ。作品としては小粒です。でも厳しい社会状況の下、ばんえい競馬で生活を成す人々の生の息づかい、人生の厳しさ楽しさ辛さ優しさと、大自然の雄大さ、馬の持つ癒しと生命力が伝わってくるような、ドキュメンタリー的な雰囲気のある正統派な人間ドラマといえそう。なんとなく昔の高倉健さんの映画のような雰囲気も感じます。

ただね、私って伊勢谷さんが苦手なんですよ。どうしてこの作品に彼がキャスティングされたんでしょうか。帯広が舞台ということで一応みんな土地の言葉を喋ってるんですが、学は東京志向ということなのか、あまり訛ってません。というより話し方が何だかGacktみたいなしゃべり方なんです。それが、どうも作品の空気感とマッチしてない気がして違和感バリバリです。キョンキョンの場末の可愛いオバチャンって感じはなかなか良かったし、山下監督作品でお馴染みの山本浩司さんもスゴク素朴で人間味があってヨカッタもんだから、余計に伊勢谷さんが浮いて見えちゃいました。都会さをだして周囲とのコントラストにしてるんだろうけど、いくらIT企業の社長だからってあんなスカシタしゃべり方はどうなんでしょうか?生粋の東京人ならともかく北海道出身の人間なんだし、もうちょっと味わいがあるほうがヨカッタんじゃない?

そうはいっても、大きな挫折をした学が、レースに勝てなくなりそろそろ引退、そしていずれはサクラ肉とされてしまうかもしれない輓馬・ウンリュウに自分の姿を重ね合わせ、心を通い合わせていく様子にはグっとくるものがありました。やっぱり動物モノは手強いです。彼らの何気ない表現に心揺さぶられちゃいます。ホントは彼らが主演男優賞の活躍だったのかもしれません。

「明日の記憶」で出来ちゃった婚の娘を演じた吹石一恵さんもなかなかの好演でしたね。騎手役でしたけど、かなり本気で取り組んでたようで、その熱意が伝わってきます。この作品全体においてもばんえい競馬に対する情熱や真摯な思いというのがとても強く感じられ、それがこの作品の説得力になっていたような気がします。

厳寒の地での早朝のトレーニングの場面。数々の輓馬の大きな身体から湧き出る汗が湯気となって立ち上る風景はとても荘厳で神々しくも感じました。