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63441fc7.jpg特に目当ての俳優が出演してるわけでもなく、なんとなくついでに観たって感じなんですが、意外にもコレがツボにハマッてしまい思わず感動の涙ポロリです。

出演はその他に、クレア・デインズ、レイチェル・マクアダムス、ダーモット・マローニー、クレイグ・T・ネルソン、ルーク・ウィルソンなど。

+++ちょいあらすじ
ニューヨーク・マンハッタンに住むメレディス・モートンは誰もが羨む理想の恋人エヴェレット・ストーンと付き合う理想的なキャリアウーマンで、そして、次に目指すのは理想の結婚生活。そんな彼女がついにニューイングランドにある彼の実家へと招かれた。大学教授の父ケリーと家族の中心的な存在である母シビルが暮らすストーン家には、クリスマス休暇を一緒に過ごすために家族が次々と集まり和やかな雰囲気だったが、話題は兄エヴェレットの恋人のことでもちきり。そんなところに、テーラード・スーツをビシっと着こなしたメレディスがやってきて、ストーン家の空気もなんだかぎこちない雰囲気へと変わっていってしまうのだった・・・
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もうすぐクリスマスイヴ、ニューヨークのマンハッタンで暮らす典型的な都会のキャリアウーマン・メレディスが結婚間近の恋人・エヴァレットのニューイングランドにある実家へ訪れるわけなんですが、田舎暮らしで自由な精神を持つ家族たちとは価値観や文化の違いが異なりすぎて小さな衝突を繰り返します。お互いに本音は隠し腹の探り合いのような状態で、なんとかして家族に溶け込もう、分かり合おうと必死なメレディスと品定めをするかのように彼女を見てしまうストーン家。メレディスにしてみればストーン家はとっても風変わりな家族なんだけど、ストーン家にとってはメレディスはストレンジャーな存在でもあり、その構図がこの物語のコミカルさを生み出してるわけなんですが、そんな中でも、なんとかして家族に溶け込もう、分かり合おうと必死なメレディスが次第に疎外感や孤独感に包まれていく不安な心理や、一方で、新たな家族を迎え入れる立場、特に子供を思う母親の気持ちなんか繊細に描き巧みに織り込んでいきます。

正直、後半の頭くらいまではなんだか平凡なラブコメなんですよね。ちょっと物足りないくらいでハズレかなと不安もよぎったくらい。それも一番の要因はヒロイン役のサラ・ジェシカ・パーカーに魅力がなさすぎなこと。私「Sex & the City」は見てないしこの女優さんのことよく知りません。「アリーmy Love」は大好きだから「何でこの役キャリスタ・フロックハートにやらせないんだァ」と心の中で叫んでしまいましたが、ただそれも後で振り返ってみればこのキャスティングや堅物な役柄は物語上重要な演出だったと気付くし、いつの間にか魅力的なキャラにみえてきちゃうから不思議なんです。結局、なんだかんだいってしっかり感情移入出来てたのかもしれませんね。

それなりに笑えて面白いんだけど、味わい深さが足りないというか、掴み所があるようでないような、そんな感じだったんですが、まさにドラマは突然訪れます(笑) 後半の主人公の妹ジェリーが登場したあたりから何故だかドラマが転がりだすんです。何なのこの感覚?というくらいのターニングポイントなんですが、まぁこのジェリーがルックスもキャラも魅力的でお姉さんとは対照的だったりするわけです。これがこの物語の大きな仕掛けだったんですね。つまりはお姉さんがキャリアウーマンでもキャリスタ・フロックハートみたいにキュートで魅力的だったら成立しないお話だったんですよ。そんでもって、ある事件をきっかけに、え!?そんなのアリ?いいんかいそんな展開?というふう思いもしなかった様相をみせ始めるんですよ。この展開を素直に受け入れられるかどうかが、この作品を楽しめるかどうかの分岐点になりそうな気がします。

いいのかソレで?と思いつつ流れに勢いがあるし二人を軸にしたラブストーリーがいつの間にか家族の群像劇となりさながら「ラブアクチュアリー」の家族版のような盛り上がり方でグイグイ引き込まれます。そうなると前半の凡庸な展開も伏線として生きてきて、ラスト20分くらいはこれまでの帳尻合わせをするかのような感動の連続。この作品の醍醐味はこの終盤に集約されてるといっていいでしょう。最初はありがちなラブコメかなと思ってたのに、観終えたら家族を描いたヒューマンドラマだったなんて見事にやられちゃいました。

理想の彼氏を手に入れ、さらに理想の結婚像を実現しようと夢見るメレディスの前に、彼氏のストーン一家たちの偏見という息苦しい壁が立ちはだかります。メレディスのキャラがあまりに典型的で固定観念的なためか人物描写を思い切り省かれてるので、性善説的な見方をしてるとストーン一家のメレディスへの態度はちょっと陰湿じゃないかと思えたりもするのだけど、メレディスもまた偏見を持っていて、型にはまったモノの考え方をする、心の不自由さがあったりするんです。そんな彼女がストーン一家との交流や衝突の過程で、本当の自分らしさや、自分にとっての幸せとは何かに気付いていきます。初めてストーン家を訪れたメレディスが雪の中でも履いていたハイヒール。このカットが彼女のキャラを象徴してるんだけど、ラストカットでの彼女の服装を見ると、確認してないけどたぶんあの時はハイヒールはもう履いてないのでしょうね。

また一方のストーン一家もそんな彼女の存在によって、家族の絆を再認識しより強い絆で結ばれていきます。劇場予告編では全くそういう雰囲気は感じなかったホームドラマテイストであったことが、結果的には私にはとても好印象になりました。思えば登場人物がみな個性があって魅力的だったのも主人公メレディスを埋没させちゃうことになったような気もします。特に母親役のダイアン・キートンの好演は実に素晴らしかったです。彼女の抜群の存在感がコミカルな物語をただ軽いだけのお話にさせないような、緊張感を持たせていたといっていいでしょう。

原題は「The Family Stone(ストーン一家)」で「幸せのポートレート」は邦題なんだけど、劇中、この邦題の意味するところに気付かされたとき、私はそれを全く予期してなかったこともあってとても激しく感動してしまいました。作品性がどうこうじゃなくて素直に心揺さぶられる映画でした。観る人を選ぶところはある感じだけど、私はオススメしちゃいますヨ。