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時をかける少女2006ホントは公開後もっと早い時期に観に行くつもりだったのに、この映画なかなか好評らしくって全国紙の新聞でも何度か記事になってるんですよね。最近の朝日ではこの夏の話題のアニメ作品なんたらとかいう記事で『細田守監督は実は当初「ハウルの動く城」の監督として予定されていた』ということから、宮崎吾郎監督との因縁の対決みたいに煽ったうえに誉めてるもんだから、これでまたきっと混むだろうなぁ、と思って、観に行くのを遅らせてたんですヨ。で、やっと観に行ってきたんですが・・・甘かった。行ってビツクリ、ほぼ満席状態。前の回も次の回も物凄い人、人、人。これだけ評判いいと期待ワクワクですネ。

+++ちょいあらすじ
初夏。東京の下町の高校へ通う17歳の高校2年生・紺野真琴は、ある日、踏切事故をきっかけに、時間を跳躍する能力を得る。魔女おばさんと呼んでいる叔母の芳山和子に相談すると、それは「タイムリープ」だといい、年頃の女の子にはよくあることだと彼女は淡々と語る。初めは半信半疑だった真琴も過去に飛べる能力とその使い方を理解すると日常の些細な不満や欲望の解消にその力を費やしはじめるのだった・・・
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マイリマシタ。コレはスゴイよ、素晴らしィ、ホントに!私、後半からウルウルしちゃって終盤には号泣ゥゥゥ。前半からとてもいい感じだったんですが、見事な加速感と躍動感で物語が駆け抜けて行きます。これぞ日本のアニメでSFでしかも青春映画って感じですよ。「ゲド戦記」なんてもぉどうでもいいってくらい爽快で幸せな気分です。ハテ?なんでこの映画、こんなに上映館少ないんだろ?

原作小説を読んだのは中学生のときだったかな?以来、筒井康隆さんのファンです。原田知世さんの映画や内田友紀さんのTVドラマもハマりました。リメイクされたと知ったとき、楽しみな一方で、アニメでのリメイクってどうなの?と不安な想いも正直ありました。だけど、この作品が原作そのまんまリメイクしたんじゃなくて、オリジナルのその後の物語として新に作られたものだと知ったとき俄然興味が湧いて観たくなったんですよね。

8d7ddfa4.jpg現代版アニメ「時をかける少女」という位置付けですけど、私はこの作品を大林宣彦監督の「時をかける少女」の続編として受けとめたいです。新ヒロインの紺野真琴は二代目の「時をかける少女」なんです。オリジナルと比べてどうこうとかじゃなくて、少女の時をかけるその疾走感が素晴らしく、それはまさに青春を駆け抜けてる姿なんですよ。もともとジュブナイルな物語として秀逸だった作品を大林監督は尾道を舞台にちょっとミステリアスでファンタジックに描き、細田監督はエネルギッシュに直球な青春映画として描きました。違う時代の二つの作品は明らかにその個性も異なるんだけど、その中に今も昔も変わらない普遍的なものの存在を確かに感じ取ることが出来て、それがミョーに心地よくとても嬉しく幸せにしてくれます。

新ヒロインの真琴は時間を跳躍する能力を積極的に使いこなし、まさにデジタル的な感覚で都合が悪いことがあるとすぐに過去に戻ってやり直し、満喫してるんだけど、和子おばさんのふとした言葉から自分のしてきた事を深く考え始めます。自分にとって都合良く修正してしまった過去は他の誰かにとって迷惑な事になってるかもしれない。そう思ったとき彼女は自分のためじゃなく誰かのために一生懸命になりだします。過去をやり直すことが出来ても、あの時の気持ちや、大切な瞬間は二度と戻ってくることはない。その時、その時を精一杯生きて未来に向かう。そんな直球的なメッセージが彼女たちの瑞々しく躍動感溢れる姿から、とても清々しいメッセージとして伝わってきます。頭で理屈で考えるより心で感じてほしい作品です。

旧ヒロインの芳山和子を真琴の叔母、魔女おばさんとして登場させ、真琴に重要な助言を与えていく中で、さりげなく大林監督版「時をかける少女」とのリンクを描いていく演出がなんともセンス良くファン心理を揺さぶってくれます。具体的に芳山和子の過去のエピソードを描くことはないんだけど、さりげないセリフ、写真立てやラベンダーが和子のかつての物語を観る者に想像させ、20年以上の隔たりのある2つの物語が自然に1つに繋がっていく、その感覚が胸をグイグイ締め付けてきてより感動を増幅させます。大林版をリアルタイムで観て感動した人にとっては、劇中の芳山和子と同じように時を経て、この物語に出会うわけだから、真琴の青春物語にドキドキし共感しながらも、和子と一緒にかつての青春物語を懐かしむ、そういうシンクロ感が得られるというなんともいえない絶妙な心地よさが体感出来ることでしょう。

もう1度観てみたいと思うくらい、切ないけどとっても爽やかな素晴らしい感動作でした。

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大評判となったこの作品は拡大公開となり、私もシネコンで二度目の観賞をしてきました。そのときの日記はコチラ。