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073000d2.jpgこの作品で描かれてることって全て史実なんでしょうか?第二次世界大戦で硫黄島が最大の激戦地であったことは教科書などでちょこっと勉強したことくらいはありましたけど、あの硫黄島を取り囲んだ米軍艦隊の大群には正直驚きました。エンディングロールでは実際の写真が使われていましたけど、それだけ見るとかなり忠実に表現してるような感じですね。内容的にはズドーンと重くて肉厚で、退屈とかそういうんじゃないんだけど、観終えたときはちょっと疲労感が残る作品でした。肩に力が入って観てたような気もします。

+++ちょいあらすじ
第二次世界大戦末期、硫黄島陥落のモニュメントとなった『摺鉢山にアメリカ国旗を掲げる5人の海兵隊員と1人の海軍兵士の写真』のエピソードをベースに戦争を勝利に導くため国民の士気高揚のために英雄扱いを受けることになった3人の兵士の姿を中心に彼らのその後たどった人生と、硫黄島で繰り広げられた惨劇と勝利の象徴となった写真に隠された真実を描きだしていきます。
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アンチヒーローのクリント・イーストウッド監督がこの英雄にまつわるストーリーをどう描くのかなぁと思っていたんですが、あまり私情をはさまず真実を描こうという印象を受けました。原作を読んでるわけじゃないので正確なことはわからないんですけど、原作者のジェイムズ・ブラッドリーは劇中で旗を掲げた兵士の中の一人ジョン・ドック・ブラッドリーの息子さんなんですよね。

戦争、政治に利用され英雄に祭り上げられてしまった3人のその後の人生と硫黄島での戦禍の中で何があったのかをこの物語は刻々と描いていきます。有名な「星条旗を掲げる兵士」の写真は実際は二度目に掲げたときの写真であり、最初に掲げた星条旗は軍の偉いさんがよこせと言ってきたので、憤った現場の指揮官が取り替えてしまったということです。政府や軍はその事実を知りながらも国威発揚と戦時国債を集めるたの道具として利用し、ショーアップした挙げ句に事実を歪曲させていきます。渦中に巻き込まれた3人の兵士達は硫黄島で自らが体験してきた惨劇と、英雄伝に熱狂するアメリカ本土、真実を何も知らない国民達との間で悩み苦しみながらも、真実を伝えることが出来ずに時代の流れに逆らうことも出来ず翻弄されていくのです。

偏見も多分にありますが、事実の歪曲や隠蔽工作っていかにもアメリカ的だなぁと思っているせいかコアとなっているストーリーにはあまり衝撃を受けませんでした。アメリカって昔からこうだよねぇ、なんて風にちょっと達観してたとこもあります。作品そもものもその事実をことさら強調してスキャンダルに描くのではなくそれは背景にある事実として描き、英雄として祭り上げられてしまった3人の兵士の苦悩する姿に焦点をあてていくといった感じに見受けられました。

正直なことを言えば、この作品での私の最大の関心事は「硫黄島で何があったのか?」という事に尽きます。数日間で終わると考えていた作戦が予想に反した長期戦となり地獄と化した、その現場に一体何があったのか、どんなドラマがあったのか興味は尽きないのですが、どうもその部分は第二部の「硫黄島からの手紙」で中心的に描かれているような感じですね。この第一部ではあの第二次世界大戦の最中でもアメリカ本土では国民らは経済的には困窮していても、戦争そのものは遠い異国での出来事で多くの悲劇について真実を何も知らずにパーティーなんぞに興じてたんだと思うとやるせなくなりましたが、一方でだから勝者になれたのかなとも思います。でも、なんだかんだとアメリカの戦争への考え方って変わってない気がするんですよね。結果的に本土が直接攻撃された9.11テロがアメリカにとってかなりの衝撃だったんだなということもこの作品を観て再認識できた気がしました。