ブログネタ
映画鑑賞日記 に参加中!
8b7c9009.jpgソフィア・コッポラが描くポップでロックな青春映画。舞台は18世紀のベルサイユ、主人公はあのマリー・アントワネット。でもこの作品は史劇でも伝記映画でもないんですよね。14歳という若さで母国オーストリアのためにフランス王家のちのルイ16世に嫁ぎ、慣れない生活様式の中で周囲の妬みやっかみなど罵詈雑言を浴びせられ醜聞をさらされながらも、自分らしさを決して失うことなく輝いて生きた一人の女性の物語です。

出演はその他に、ジェイソン・シュワルツマン、リップ・トーン 、ジュディ・デイヴィス、アーシア・アルジェント、マリアンヌ・フェイスフル

+++ちょいあらすじ
オーストリア皇女マリーは、政略結婚のため14歳にしてフランス王太子ルイ16世の元へ嫁いだ。しかし彼女を待ち受けていたのは、上辺だけ取り繕ったベルサイユ宮殿の人々と、形ばかりで愛情が感じられない夫婦生活だった。夫は同じベッドに寝ていても、指一本触れてこず、世継ぎとなる子供を産むことを使命とされていたマリーはやきもきしながらもじっと耐え続けていた・・・
+++

日本人的には世界史の人物というよりもベルばらこと「ベルサイユのばら」の登場人物として親しみのあるマリー・アントワネットという印象があるんですよね(笑)。現代的な演出をたっぷり取り入れながらも決して軽いタッチではありません。それはやっぱり、絢爛豪華という言葉がふさわしいくらいに豪華な衣装、宝飾品、美術品によって隙間無く彩られているのと、何よりも本物のベルサイユ宮殿で撮影しているという圧倒的な説得力によるところが大きいのではないでしょうか。

バロック建築の代表ともいえるベルサイユ宮殿という器の中に当時の文化を象徴するようなロココ調の芸術品が所狭しと溢れてる世界はまさに究極の上流社会といえるでしょう。彼らの社会から見ればシャネルだのプラダだのと騒いでる人たちなんかまだまだ庶民レベルでしかないのでしょうね。まさに次元が違います(笑) パニエでたっぷりとスカートを膨らますのは実際にも見たことあるけど、あの骨組みで形を作るのは資料でしか見たことなかったのでプチ感動ですよ。重量的にもけっこう重いと思うんだけど当時の女性たちってスゴイですね。

浪費家で傲慢で民衆の敵というのがもっぱら教科書で習うマリー・アントワネットのイメージだったと思うんだけど、その多くは革命側の憎悪に満ちた印象によって作られていったもので必ずしも真実ではないそうなんですよね。ソフィア・コッポラが拘ったのその部分らしく、抑圧された生活の中で蓄積するストレスを発散させるために豪華なドレスに身を包み、贅沢なデザートやシャンパンを口にし、ギャンブルや夜会を楽しむ姿は現代の若者たちともそう隔たりはありません。夜通し遊んだあげくにみんなで庭に寝ころんで日の出を眺めるなんて、私の青春時代にだって似たような思い出ありますもん。

母国オーストリアのために政略結婚の道具となったマリー・アントワネットも待望されていた子供を産んでからは、国の財政に配慮し贅沢を慎み、庭に農場を作って自然の中で子供達を育てたりするなど、実に愛情豊かだった姿をこの物語では描いています。歴史上の彼女について誰もが知るところですから、知られざる彼女の一面を瑞々しく躍動感いっぱいに描いたのがこの作品といえるでしょう。

それにしても「デスノート」のL君みたいにスイーツ食べまくりでしたけど、太ったり糖尿病になったりしないんですねぇ。スタイルが全然変わらないのは強力コルセットのおかげなんでしょうか。あんなたくさんのデザートに私も囲まれてみたいです(笑)。