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93ba558b.jpg原作は豊島ミホさんの同名小説。未読なんですけどこの青春映画はワタシ的には見逃せません。もしハズレだったとしてもこれからの邦画を盛り上げてくれそうな若い俳優たちの作品としてしっかり観なくちゃと思っていたんですが、これが見事に気持ちいいくらいに私のハートにスマッシュヒットしちゃいました(嬉)

出演はその他に、柄本佑、石田法嗣、林直次郎、浜崎貴司、石井正則、織本順吉、大地康雄
監督:岩田ユキ

+++ちょいあらすじ
成績優秀で吹奏楽部では指揮者を務める加代子。彼女に中学時代から思いを寄せている野球部の西はなかなか気持ちを伝えられずまた加代子も彼の気持ちに応えられずにいた。一方、加代子のクラスメイトの恵はロックが大好きで音楽ライターを夢見ていてクラスの中では少し浮いた感じの生徒だったが、ある日、偶然一緒になった掃除当番で軽音楽部の辻本と音楽談義で意気投合してしまう・・・
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携帯電話もインターネットも出てきません。制服のスカートは膝丈だし、ママチャリはオンボロで、電車はローカルな単線。のどかな田舎町の高校を舞台にした素朴な若者たちの素朴でピュアな物語はとても瑞々しくて透明感であふれて彼女たちの真っ直ぐな思いが伝わってきました。私の好きな「等身大」という言葉がこれほどまでにピッタリとハマる作品もそう多くはないでしょう。これからの活躍もとても期待される10代の才能輝く出演者たちのフレッシュでピュアな感性がダイレクトに投影されそれぞれが演じる役に生命を与えているかのようです。

ワタシ流の形容するなら山下監督の「リンダ リンダ リンダ」をもっともっと素朴にした感じかな?文化祭での軽音楽部によるステージがヤマ場の1つになっているからそんな風に思うとこもあるんだけど、恋愛や友情にしてもどこか似たような香りを感じなくもないですね。それはやっぱり普通の高校生たちによる誰もがどこかで似たようなことを経験してそうなそんな青春の思い出が詰まっている物語だからなのかなぁって思うんですよね。物語には大きなドラマもなくある意味ありふれているのかもしれないけど、自分が主人公の人生においてはそれはとても大切で運命的なドラマなのかもしれません。切なくて甘くて、そして酸っぱくてほろ苦い。青春の思い出は必ずしも楽しいことばかりじゃないですよね。辛いことも悲しいこと悔しいこともいっぱいあるからこそ、人はそれを経験という宝物にして大きく成長していくのでしょう。描かれている恋模様にしても、思春期的なエピソードは無くて、ただ一緒にいるだけで嬉しかったり、片想いをするほうもされるほうも辛かったりとか、勝手に舞い上がってすぐに落ち込んだりとか、過ぎ去ってしまえば笑い話になってしまいそうな、シンプルだけどとても共感出来るエピソードが詰まっています。

物語は榮倉奈々さん演じる秋本加代子と谷村美月さん演じる白田恵それぞれを主人公にした2つのドラマを描いていきます。二人はクラスメイトという設定ながらもラスト近くまでドラマとしての大きな接点は特に持たずに物語は展開されていきます。てっきり二人の友情がメインとなる青春群像劇を想像していた私にはちょっと意外でしたけどいい意味で裏切られた感じです。接点が無いといえば谷村美月さんと「カナリア」で共演した石田法嗣くんはずっと加代子に片想いしている野球部の西くんという役でこちらは全く絡みがなく「カナリア」で二人を好きになった私としてはちょっと残念。でもそれぞれが大きく成長している姿が観られたので嬉しかったです。

谷村美月さんは今回これまでの演じてきた役では観られなかった喜怒哀楽の感情表現豊かなロック好きな女の子役。どちらかといえば淡々とした展開なので彼女のテンションの乱高下が物語のメリハリになっていた気がします。ツボはいろいろあったけどワタシ的に一番泣けたのも文化祭での辻本くんのステージに駆けつけた彼女の場面でした。一方の榮倉奈々さんはTVドラマや映画でずっと女子高生役を演じてきてるわけだけど、この作品はちょっと雰囲気が微妙に違っていい感じ。ブラスバンドで指揮者を務める真面目な優等生という役柄のせいもあるんだけど、元気印は抑えめで化粧っ気がないこともあってとても可憐で初々しい少女という雰囲気。背の高い彼女ですけど、いい意味で小さく細く見えたのは秋本加代子の気持ちを上手く演じていたからなのでしょう。石田法嗣くんは実は出番が少な目でワタシ的には物足りなかったんだけど、物語上はとても重要な役なんですよね。少ない出番ながらも発揮される存在感はなかなかのものでした。柄本佑くんが演じたのはちょっとお調子者の野球部のエース。相変わらず何でコイツがもてるのかはよくわかんないだけど(笑)とりあえず彼の個性が生かされた役でした。軽音楽部の辻本くんを演じたのは平川地一丁目の林直次郎くん。演技の面では他の4人が上手すぎることもあってあきらかに不利な面は否めないんだけど、そのぶんバンド演奏の見せ場や劇中歌、主題歌で彼の才能が存分に発揮されて遜色ない存在感を与えてくれました。ルックス的にも一番二枚目だしね(笑)。

監督はこれが長編映画デビュー作となる岩田ユキ監督。彼女は「嫌われ松子の一生」「下妻物語」の中島哲也監督が講師をしていたときの指導をしていた時の生徒だったそうで、この映画の宣伝物やパンフには『・・・その頃から僕のアドバイスなどまるで聞かない、頑固&我が道まっしぐらな人でした。彼女の長編デビュー作は、やっぱり僕の作風とはまるで違う、100%岩田ユキオリジナルの映画で....何だよ!少しぐらいオレの影響受けろっつーの!!というわけで「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」なんて騒々しくてケバケバしくて大っ嫌いと思ってる人ならきっと大スキだと思うんです、この映画。』という中島監督のコメントが寄せられてるんですけど、じゃあ「嫌われ松子の一生」はあまり好きになれなくて「下妻物語」は大好きな私の場合はどうなるとかと言えば、もうめっちゃ大スキな映画でしたヨ。これからもどうぞ中島監督とはまるで違う作風で頑張ってください!(笑)。