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a5160413.jpg予告編を観ていて「コレってもしかして実際にあった事件をモチーフにしてる?」と思ったら、原作はどうもホントにそうらしい。ゾーイ・へラーの同名小説を映画化した作品です。何年前か忘れたけど日本のワイドショーでも話題になってたアメリカで起きた女性教師と男子生徒のスキャンダル。果たして真実は恋愛なのか淫行なのか法廷でも激論になったみたいだけど、もしこれが純愛ならスゴイなぁと思ったっけ。そしたらその後、日本のドラマでタッキーと松嶋菜々子が似たようなのやったんですよね。あれは美しい純愛を描いていたけど、さすがにこの作品にはTVではできないスキャンダラスなのを期待してます(笑)。

出演はその他に、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ、アンドリュー・シンプソン、トム・ジョージソン、マイケル・マロニー、ジョアンナ・スキャンラン、ショーン・パークス、エマ・ケネディ、シリータ・クマール、フィル・デイヴィス、ウェンディ・ノッティンガム

+++ちょいあらすじ
ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老のバーバラ。彼女の勤める学校に美しい新任の美術教師シーバが赴任してきた。生徒や同僚からも人気で注目を集めるシーバに堅物なバーバラも次第に興味を持ち始め親交を深めていった。そんなある日、バーバラは校内でシーバが男子生徒と淫らな行為をしている現場を目撃してしまい・・・
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主演は「ヘンダーソン夫人の贈り物」での名演が素晴らしかった大女優ジュディ・デンチと「バベル」でブラピとの夫婦役が記憶に新しいケイト・ブランシェットという実力派女優の二人です。なかなか内容濃くてどっぷり引き込まれました。何がいいって、それはやっぱり主演したこお二人の女優の素晴らしい怪演ともいえる演技によるところが大きいと思います。見応えたっぷりの女優の競演でした。

題材からして主人公はケイト・ブランシェットが演じる美貌の美術教師シーバ・ハートだろうと思っていたら、シーバの良き相談相手でありながら、その彼女の様子を日記にしたためながらふとしたきっかけで窮地へ突き落としてしまう孤独でやや偏屈で堅物なオールドミスの歴史教師バーバラの視点を中心に物語は描かれていきます。これが実にいい味付けになっていて、作品全体に絶妙な緊張感を絶えず与え続け、女性教師と未成熟な男子生徒の不貞、禁断の愛を描いていた物語は次第にサスペンス度を高めてスリリングな局面に突入していきます。タイトルの意味をあらためて考えてみると、なるほどォって唸っちゃう感じなんですよね。

15歳の男子生徒との性愛に溺れ、葛藤しながらも関係を断ち切れないシーバと、彼女の秘密を知りたんなる同僚という関係を越えて特別な思いを募らせていくベテランの初老教師バーバラ。先輩として、友人として、そして時には母親のようにシーバを気遣っていた彼女には実は隠された秘密があり、ある企みをもってシーバに深く関わっていこうとするのです。女性教師と男子生徒の禁断の愛の物語だとばかり思っていた映画は実は孤独な初老教師の屈折した愛の物語であり、対照的な生き方をする二人の女性の間に生じる様々な感情の交錯が、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの名演によって目の前で現実に起きている出来事のようにも思えてきて観ている私を呑み込んでいきました。

制作はアメリカだけど原作はイギリスで舞台もロンドンだからかイギリス映画といっても良さそうな雰囲気です。R-15指定になってるけど、それはたぶん15歳の男子生徒との性描写があるからでエロティックな描写で視覚的な刺激はないのでそういうの期待してるオジサンには不向きです。この手の作品はオジサン率高くなるんだよね。しかもマナー悪い率も上がってイヤになっちゃう。今回も一人とんでもないオジサンがいてクライマックスのヤマ場ってとこで邪魔されてトホホでした(悔)。

でもね、この映画はなかなかヨカッタですよ、ホント。特に大御所ジュディ・デンチの好演は貫禄十分見応えたっぷりでオススメっ。