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c008f35a.jpgあまりに暑さが厳しくて、ホラー映画で涼もう、と思ったわけじゃないんですが、劇場予告編で目にした舞伎界のプリンス尾上菊之助さんと彼を取り巻く豪華女優陣の艶やかな競演、その何とも妖艶な雰囲気に惹かれちゃいました。ワタシ的にはホラーというよりは混沌とした愛憎劇に震え上がるのを楽しみに観に行っちゃいました。

出演はその他に、井上真央、麻生久美子、木村多江、瀬戸朝香、津川雅彦、榎木孝明、六平直政、光石研、清水ゆみ、広田レオナ、西野妙子、柳ユーレイ、村上ショージ、一龍斎貞水

+++ちょいあらすじ
煙草売りの新吉は町で評判の三味線の師匠、豊志賀と親しくなり、彼女の稽古場に出入りするうちにいつしか深い男女の仲になってしまう。そして夫婦同然のように暮らし始めた二人は最初こそ幸せを味わっていたが、やがて不幸な出来事が起こり二人の関係もぎくしゃくし始める。実はこの二人の間には親を殺された娘と、殺した男の息子という何とも皮肉な因縁めいた関係があったのだった・・・
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物語の前半は25年前のある不幸の出来事を序章とし、その因縁を受け継ぐ二人の男女、黒木瞳さん演じる三味線の女師匠・豊志賀と尾上菊之助さん演じる煙草売りの新吉のメロドロマを前段として描いていきます。のちの怪談へとつながっていく伏線をたっぷりと見せてくれるんですが、それは逆に言えばなかなか本題に入っていかないという事でもあるので、恐いところを早く観たいと思う方々にはある意味、試練の前半なのかも。でも、愛憎劇と楽しみにしていた私としては、新吉と因縁めいた数奇な巡り合わせで恋に落ち、そして愛の泥沼にハマった挙げ句に嫉妬の塊と化して怨霊となっていく豊志賀と彼女を演じる黒木瞳さんの熱演にどっぷりと浸っていたのでした。黒木瞳さんの女優としての貫禄もあってか怨霊にならなくても十分を恐さを感じるのでした。でもね、1番ドキっとしたのは、やっぱり豊志賀をカゴに乗せたとこですね。身体がビクって動きました(焦)。

私がもう1つ期待してたのが女優陣の競演、火花なバチバチな女優対決なんですけど、そういう感じの女優同士の絡みが前半の黒木さんとお久を演じた井上真央ちゃんくらいしかないんですけど、さすがにこの二人は格が違い過ぎました。後半になって麻生久美子さんと瀬戸朝香さんが登場するんだけど、黒木さんはほとんど顔をださなくなるので全く絡みはないんですよね。木村多江さんは豊志賀の妹役で前半から出てくるんだけど、ストーリー的にはさほど重要ではありません。何だか女優さん同士の共演はあえて避けてるみたいにも思える演出でちょっと残念なのでした。そもそも、後半では愛情や幸福が感じられるような場面が無くなってサスペンス状態と化していくので、感情移入するところが見つからないんですよね。たぶん、後半でも新吉が再び愛と幸せを手に入れるような状況とそれに対する豊志賀の恨みが描かれていればあの何とも情緒的なラストシーンがもっと生きたような気もします。

レイティングがPG-12であることからも察しがつくように、エログロな描写で魅せる感じではないし、恐怖感を醍醐味とするようなタイプでもなかったです。そういう意味ではホラーというよりはこの題名通り「怪談」というのがとてもしっくりきます。三遊亭円朝の名作落語「真景累ヶ淵」を原作とし、一龍斎貞水が演じる講釈師の語り口で描かれていくその時代劇の雰囲気は古典芸能の世界です。でも、本音を言えばこれだけの奇麗ドコを揃えたわけでし、もう少し色香たっぷりフェロモン漂う作品にしてくれても良かったような気がします。別に菊之助さんや女優陣にもっと脱げとは言いませんけどぉ、でももうちょっと頑張ってくれてもいいかなぁ?・・・(笑)