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ae18d9fa.jpgお盆休みに入って道路がガラガラになりました。普段からこのくらい空いていてくれると時間も計算出来るし燃費も良くなりそうなんだけど、その変わりきっとどこか観光地への道が渋滞していることでしょう。さてさて、偶然にもエディソン・チャンくんの出演作を二日続けて鑑賞することになったんだけど、そもそもこの映画については彼とサム・リーが出ている以外は何にも知らなかったんですよね。予告編も一度も観たことなかったし。

出演はその他に、サム・リー、ペイ・ペイ、ラム・シュー、チョン・シウファイ

+++ちょいあらすじ
カンボジアで幼少の頃から殺人マシーンとして育てられてきた青年パン。ある命令に従い香港へ密入国した彼は指示されたレストランに向かいそこにやって来たターゲットを他の客の前であっさりと射殺してしまう。犯行現場にやってきた刑事ワイは、その後、現場近くで見かけたパンを直感的に不審に思い相棒のリンと二人で追跡する・・・
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ウーン、そっかぁ、これってバイオレンス映画だったのね。退廃的というか非文明的というか、かなり野蛮な作品でした。暴力の渦巻く中での純粋な愛情を描いてるつもりなんだろうけどコレではあまりにも心がなさすぎでだんだんついていけなくなっちゃいました。

エディソン・チャンの役どころはカンボジアで幼い頃から闘犬のようにある組織に育てられてきた青年パンで、物語は彼が殺し屋として香港へ密入国してくるところから始まります。映画に出てくる殺し屋といえば冷静沈着やプロフェッショナルなイメージがあるんだけど、パンは命令に忠実に殺しを実行する兵器みたいなもので知的さがまるで感じられないキャラなんです。標的以外にも自分が生き延びるために手段を選ばずどんどん殺しまくっちゃうんです。殺し屋がそんなに目立ってどーすんの?ってくらいハチャメチャ。凶暴で冷酷非情といえば聞こえはいいんだけど、依頼者にしてみれば暗殺を頼んでるわけだし、こんなに暴れまくったら暗殺者というよりテロリストと呼んだほうがしっくりくるくらい。

しかも、凶暴なのはパンだけじゃなくてパンを追うサム・リー演じるワイ刑事もかなり極悪非道、もうやることメチャメチャで暴走するにもほどってもんがあるでしょうってくらい一人で突っ走るんだけど、その割には結果に繋がらずズルズルと事態を混迷させる挙げ句に警察側の犠牲者をだすばかり。それと不思議なのはパンを追うのがごく一部の刑事たちだけなんですよね。どうして緊急配備で検問を徹底するとかしなかったんだろ?

カンボジア出身の青年ということもあり極端に少ないセリフのエディソン・チャンはどことなく「同じ月を見ている」の時のドンちゃんを思い起こします。そういえば小汚い格好で警察に追われているという設定も似通ってる(笑)。でもドンちゃんはホントにピュアな感じが伝わってきたけど、このパンはダメだぁ、全然感情移入出来なかった。もう少しパンの生い立ちを詳しく描いてくれれば同情とか出来たのかなぁ?それもあまり自信ないかも。

最後のカンボジアの部分が無ければまだまぁまぁありがちな普通の映画だったんだけど、あれで全てがダラダラだったような印象になってしまいましたね。ストーリー的にもこれで終わりって雰囲気になって私もあぁこれで終わりなんだぁという気分になったのに、そしたら、アレ?まだあるの?って感じです。しかもそれが残念ながら失笑や溜息が客席中から感じられるラストシーンなんですよ、ホントに。あのラストがそもそもの狙いだったのなら香港編をもっと削ってカンボジアでのエピソードは端折らずに二人の愛をしっかりと描いて欲しかったなぁ。