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4527cffe.jpg終戦記念日ですね(正確には昨日だけど)。今年の夏の何かの揺り返しのように太平洋戦争に関わる作品が話題になっているような気がします。日本の反戦映画としては特に有名(と思われる)な「ひめゆりの塔」。激戦地となった沖縄を舞台にひめゆり学徒隊と言われる臨時看護婦を務めた女子学生達の悲劇的な運命を描いた作品です。

出演はその他に、和泉雅子、浜田光夫、遠山智英子、乙羽信子、浜川智子 、二谷英明、高品格、藤竜也、渡哲也

+++ちょいあらすじ
昭和十八年、米軍の圧倒的な軍事力により太平洋戦争の戦局は日本にとってますます不利な状況となっていた。しかし沖縄でまだ戦争の雰囲気は薄く沖縄師範女子部の和子は級友のトミらと運動会を楽しんでいた。しかし、昭和十九年になると戦局はさらに悪化、米軍の大量な物資作戦の前にいよいよ沖縄が戦場と化そうとしていた。やがてサイパン島が玉砕したという一報が伝わると事態は深刻度を増していくのだった・・・
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たぶん、私が生まれて初めて反戦、平和といったものを感じながら観た戦争映画が「ひめゆりの塔」です。何度かリメイクされている作品で、私は古手川祐子さんらが主演していた1982年版と沢口靖子さん主演の1995年版をテレビ放送で見た記憶があります。なので今回NHK-BSで放映されたこの吉永小百合さんの1968年版「あゝひめゆりの塔」は初めて見ました。ちなみにウチの母にとって「ひめゆりの塔」といえば津島恵子さん主演の1952年版なんだそうです。さすがにこれも見たことはないのですが、こうして各時代を代表するような名女優たちに演じられてきた作品というのもそう多くはないですし、ある意味これは日本人が忘れずに語り継いでいななくてはいけない史実なんじゃないかと思いました。

お話としてはリメイク版で何度も観ている知った話なんですけど、何度観ても切なくて虚しくてやるせない思いに包まれます。国家を信じて、御国のため、軍の兵士たちのため、家族のため、友人のために我が身と心を捧げ儚くも散っていた沖縄師範学校女子部の生徒たち。彼女たちの青春っていったい何だったんだろう? 証書も賞状も何もない卒業式、彼女たちは紛れもなく恋に憧れ将来を夢見る普通の女子学生たちでしかなかったのに、いったい何が、いったい誰が彼女たちの希望に満ちた人生をこれほど苦しめ翻弄し、そして悲しい運命をたどらせたのでしょうか。

断片的な情報しかもたらされない中で刻々と悪化していく戦況。最前線にあった沖縄は広島や長崎と同じく日本を戦争から救うために結果的に大きな犠牲となった地と言えるでしょう。最近の教科書問題に関わる軍の命令による集団自決の真偽とか、そういう論争もいいけど、それ以前に何よりも犠牲になった人達の尊い命にもっともっと思いを馳せてほしいものです。

モノクロ映画だけど良い作品というのは色褪せることはないんですよね。古臭さとか全く感じることなく物語にのめりこんでいってしまいました。今の時代にも素敵な女優さんは数多くいるけれど、この作品で映し出される女優さんたちの純粋さや可憐さは格別な魅力を感じます。言葉の表現は同じでも意味が違うというんでしょうか?今はダメで昔は良かったとかそういう事じゃないけど、なかなか今の時代で感じることの少ない空気感に包まれる作品でした。