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9f936e89.jpgインディーズなイメージだったのに今じゃすっかりドキュメンタリー映画の巨匠のような存在になってるマイケル・ムーア監督。今回、彼が鋭くメスを斬り込んだのはアメリカの医療システム。これまでのアメリカの銃社会や政治をテーマにした作品は、興味は持てても実感しにくいところはあったけど、さすがに医療というテーマは身近に感じられるものがあって、公開を待ち遠しく思っていました。

+++ちょいあらすじ
ドキュメンタリー監督マイケル・ムーアが、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの医療システムの実態を明らかにする。カナダ、イギリス、フランスを訪れ、国民全員が無料医療の恩恵を受ける国の事情を見つめながら、アメリカの混乱した医療制度を浮き彫りにしていく(Yahoo映画より)
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劇場予告編かTVスポットだったかな?「今度のムーアはカッコイイ」とか言ってませんでしたっけ? 私、ホント、カッコイイ!と思いながら観てました。さすがにこのテーマと内容ならば多くのアメリカ国民の興味をひくだろうし、さらに共感を得たのではないでしょうか。

私のマイケル・ムーア監督に対する今までのイメージって視点は面白いけど、要するに毒舌家の映画監督みたいなとこもあったりしたんだけど、この作品を観て監督を見直したというか惚れました、やるじゃんムーア監督(笑)。

それにしてもアメリカで病気になると大変だというのは耳にしたことあったけど、これほど酷い状況とは思ってもみませんでした。国としての当たり前の医療システムを紹介すると、そんなアホなと笑えちゃうってのはどういう事んなんだろ。笑うに笑えなかったり、思わず笑っちゃったり、呆れちゃったりと、シビアな問題をユーモアも交えて克明に追求してくれるから、面白いし何よりわかりやすい切り口になっています。この辺は社会派ドキュメンタリーとして賛否両論あったりするんだろうけど、少なくともこの「シッコ」はただ皮肉ってるだけじゃなくて、医療制度の問題に対して真摯な視線が絶えず感じられることに好感を抱きました。とても人権問題とか偉そうなこと言ってる国のシステムとは思えないんですよね。

作品中ではイギリス、フランスの医療制度との比較がなされてましたけど、物価が高いと言われるイギリスでも医療制度が先進的だったのは意外でした。フランスは国の成り立ちや国民性もあってか、国民重視の制度として確立されてるようでした。日本も一応は国民皆保険のようになってるけど至れり尽くせりってわけではないし、近年は医療費が抑制されて自己負担分がじわじわ上がっているんですよね。実はこっそりと法改正して医療保険の適用を縮小してる部分もあったりするし、先日、奈良県で起きた救急の妊婦患者のトラブルにしたってそのしわ寄せみたいなもんで、日本も何気にアメリカの状態に近づいてるようで気がかりです。

予告編ではムーア監督が9.11の救援活動で被災した人たちをグアンタナモ米軍基地の医療施設へ連れて行った場面が使われてましたけど、その後の展開がこの作品のクライマックスとなり、そして導かれるある結論には心揺さぶられるものがありました。一つの答えが最大の敵国にある、それは決して皮肉ではなくて平和のメッセージなんですよね。具体的にどういうことなのかはぜひ作品をご覧になってほしいです。

最後にもう一度書いておこっと。ムーア監督、カッコヨカッタぞ!