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f39bd96d.jpg10/5に公開された作品の中では文句なしの本命映画です。内容よくわかんなくてもあの予告編の印象、その映像美だけでドキドキさせられちゃうものがありましたね。各映画賞受賞うんぬんの肩書きなんてのはともかくとして、期待のダークファンタジーです。

出演はその他に、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒル、アレックス・アングロ、エウセビオ・ラサロ、パコ・ビダル、フェデリコ・ルッピ

+++ちょいあらすじ
1944年のスペイン内戦で父を亡くしたオフェリア。母は独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまい、この義父から逃れたいと願うオフェリアは屋敷の近くで謎めいた迷宮を見つけ出しその中に導かれるように足を踏み入れる。するとそこには迷宮の守護神・パンが現われオフェリアを魔法の国の王女の生まれ変わりだと告げ、真偽を確かめるために彼女に3つの試練を与えるのだった・・・
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こういう重厚感あるファンタジーって大好きです。しかもこれは暗黒面たっぷりなダークファンタジー。少女を主人公にした冒険物語だけど、子供向けの趣はあまり感じられない大人のための寓話とも言えそうです。

1944年、第二次大戦下、内戦終結直後のスペイン。先日観た「サルバドールの朝」からさらに30年程遡った頃のお話です。全くの偶然だけど「サルバドールの朝」を観ていたことで、この作品の時代背景もイメージしやすくスンナリと物語に溶けこんでいくことができました。

少女オフェリアが迷い込んだ虚構の世界。迷宮の守護神パンはオフェリアが魔法の国の王女の生まれ変わりで与えられた三つ試練を乗り越えれば魔法の国へ行って両親に会えると彼女に告げます。それはフランコ独裁政権下という混沌とした時代の中で母の再婚や、義父となる軍人の冷酷非道さ暴力的支配といった大きな不安に呑み込まれていく彼女の心が生みだした希望の世界だったのかもしれません。

現実と虚構が入り交じる世界の中でオフェリアはパンに告げられた試練に挑みます。それは少女が大人へと成長していく過程でもあるんだけど、そんな彼女の人生に大きく立ちはだかるのが母の再婚相手である軍人。この映画はダークファンタジーではあるけど、実際に観ていて恐ろしく感じるのはファンタジーの世界よりむしろ現実の世の中であって、オフェリアが対決するクリーチャーよりも、暴君のような残虐さである義父のほうがよっぽどの巨悪であるというところが、この物語における最も重要な部分なんじゃないでしょうか。

幻想の世界でのオフェリアの冒険はスリリングだったけど、大尉の非道さにはそれ以上の恐怖感があって狂気に満ちた行動にはかなりドキドキさせらちゃいました。てっきりメルセデスの一撃で死んだと思ったんだけど、あそこで死んじゃってたら大事なラストにつながらなかったんですよね。口を縫うシーンはかなりインパクトがありましたが日本人だと「口裂け女」を思い出しちゃいそうになるでしょう。

この結末は何て表現すればいいのやら?美しくも残酷で悲しくも幸せな結末でしょうか。映画を観終えて、そして感想を書き綴っていて、ふと思いあたったのは、これはダークファンタジーという衣をまとまった悲劇の戦争映画だったんだという事でした。